2019年06月12日

たまるり最高か 月組 「夢現無双/クルンテープ」千秋楽ライブ中継


mugenlv.jpg月組 東京宝塚劇場千秋楽は、美弥るりかさんのラストデイでもあり、劇場には行けないまでも「ライビュ絶対観に行くわよ」と鼻息荒く早くからスケジュール帳に記入してチケット取って首尾よく観て参りました。

何とも心に残るカーテンコール。
観られてよかったです。


宝塚歌劇月組 東京宝塚劇場公演千秋楽 ライブ中継
「夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-/
クルンテープ 天使の都」


2019年6月9日(日) 3:30pm 
大阪ステーションシティシネマ スクリーン4
(上映時間: 4時間30分-サヨナラショー、カーテンコール含む/休憩 30分)



本編のお芝居&ショーの感想は宝塚大劇場で観た時に書きましたので、出演者ともどもこちらに。
「夢現無双」
「クルンテープ」


東京公演は月城かなとさん休演に伴う代役がありましたので、その印象を少し残しておきたいと思います。

「夢現無双」
月城かなとさんが演じた本位田又八を風間柚乃さん、風間さんの辻風黄平(宍戸梅軒)を蘭世惠翔さんという代役。

風間さん、前作「エリザベート」のルキーニに続いて大役の代役。
演技も歌もまだ研6(100期)とは思えぬ安定感。
元々少し小柄な上に大きな長身の珠城さんと並ぶといささか分が悪い感じですが、又八が武蔵に抱く屈折した思いも出ていて感心しました。

宍戸梅軒は誰がよくわからなくて、休憩中に調べて蘭世惠翔さんだとわかってびっくり。
少年っぽい可愛らしいイメージでしたが、荒々しい宍戸梅軒、よくがんばっていました(←どんな上から目線)。


「クルンテープ」
ショーの代役は以下のとおり
プアット・ナ-ク(歓迎の儀式): 蓮つかさ
ルンム(若さ): 夢奈瑠音
チューチャート(派手に): 蓮つかさ
ライキンドクーン(傷): 風間柚乃   

ショーアップされたダンスや歌だけの場面は蓮つかささんで、ドラマやキャラクターのある場面は夢奈さんと風間さん。
あと、公式には特に発表されていませんが、フィナーレの男役群舞で月城さんのポジションに輝月ゆうまさんが入っていました。月城さんと同期ですが実力もある人。センターで踊る姿に胸熱でした。

ルンム=ムエタイの場面は夢奈瑠音さん。
月城さんほどヘタレ感がなくて結構溌剌としている感じ。かわいかったです。

ライキンドクーン 珠城・暁・美園を向こうにまわしての四角関係はさすがの風間柚乃さんにも荷が重かったかなぁ。月城さんの時より存在感が薄まった感じでした。

珠城さんは、公演途中でデュエットダンスのリフトがなくなったと聞いて、腰を痛めたのかしらと心配していましたが、千秋楽のこの日はとても綺麗なリフトを披露してくれていてひと安心。


パレード
エトワール: 光月るう・夏月都
結愛かれん・蘭尚樹 ・天紫珠李
夢奈瑠音・紫門ゆりや・蓮つかさ
風間柚乃
暁千星
美弥るりか
美園さくら
珠城りょう

赤字が変わったところ。
月城さんのところに暁千星さんが入り、暁さんのところに風間さん、風間さんのところに新たに蘭尚樹さんが入った形です。



◆ 美弥るりか サヨナラショー

本編が終わってサヨナラショーが始まる前に、光月るう組長が美弥るりかさんの出演作とコメントを読み上げ。
最後にるうさんが
「るりちゃんはとても優しくて、よく気がつく人です。マイペースで繊細がゆえに悩み苦しんだことも多かったからこそ、唯一無二の男役が誕生しました。共に刺激を受け、出会えたことに感謝しかありません。るりちゃん、たくさんの愛をありがとう」
と涙で少し言葉に詰まりながらおっしゃったころでぶわっと涙があふれました。
客席からも嗚咽の声がたくさんあがっているのがライビュを通しても聞こえてきました。
宝塚大劇場の千秋楽でも「もっと男役・美弥るりかを観たかった」というるうさんの言葉に客席が嗚咽のウェーブになって、るうさんは「嗚咽の伝道師」と言われていたことを思い出しました。
「そして宝塚の愛の巡礼こと弥るりかバンザイ!」で締めくくられて、泣き笑いです。
1期違いでともに過ごした時間も長いる光月るうさんならではの心のこもった温かい言葉。最高の組長のご挨拶でした。


美弥るりかサヨナラショー セットリスト
1.「BADDY」プロローグ SWEET HEART パート (BADDY)
2.「私は神だ」 (1789)
3.テキーラ (カルーセル輪舞曲)/バックダンサー: 紫門・輝月・暁・夢奈・蓮・風間
4.この地上の何処かに (All for One)
5.カンパニー (カンパニー) (with 退団者 響れおな・玲実くれあ・音風せいや)
6.All for One (響・玲実・音風)
7.グランドホテルで (グランドホテル)
8.一緒にグラスをとろうよ (グランドホテル)/with 珠城りょう+全員
9.Everything for Love (アンナ・カレーニナ)/with 海乃美月+全員


光月るうさんのお言葉でウルウルしている中、銀橋にSWEET HEARTが現れて高笑い・・・もう、みやちゃんってば、と一気に涙も引っ込みました。
月組で、「1789」以外は二番手になってからのこの2年間の作品の曲ばかりで場面場面が鮮やかに蘇ります。
「私は神だ」
「1789」は月組で初めて観ましたので、アルトワは美弥さんのイメージが強く刷り込まれていて、東宝版観た時、「アルトワに妖しさと色気が足りない」と思いましたもの(笑)。
黒燕尾の珠城さんと一緒に歌い踊る「一緒にグラスをとろうよ」もとてもよかったです。
「グランドホテル」のオットーと男爵のシーン、好きだったな。
退団者3人が銀橋に出て「All for One」を歌う時以外は美弥さん出ずっぱり。

コンパクトだけどとてもよいサヨナラショーだったし、真ん中に立って一人で舞台を引っ張る力があることも改めて実感。二番手なのにサヨナラショーをすることになったのは人気ばかりじゃなく実力にも裏づけられたもの・・・言っても仕方のないことですが、退団は本当に残念です。


◆ 美弥るりかさん退団ご挨拶  

美弥さんは宝塚で過ごした日々を「奇跡」と呼んでいらっしゃいました。
憧れの作品、役ができたこと、客席と舞台が一体となった瞬間、ともに笑い涙した仲間たち、応援してくれた人たちとの時間、そして何より、幼いころからの夢だった男役として宝塚で17年も過ごすことができたことこそが、奇跡なのかもしれません、と。
「どんな時もわたしは決して一人ではありませんでした」という言葉も印象的でした。

そして、「宝塚男役・美弥るりかの人生を終え、明日からの新しい人生の一歩を踏み出してまいりたいと思います」という言葉に、本当にこれが最後なんだと胸がいっぱいになりました。


◆ 珠城りょうさんご挨拶

トップとして立派なご挨拶の中、月城かなとさん休演で代役となった公演のこと、それに対する客席の温かい応援に感謝の言葉を述べながらこらえ切れず涙声になる珠城さんに今日イチもらい泣き。
「月城も自分と闘ってる最中だと思うので、私たちとともに、笑顔で帰りを待っていてください」と。
「エリザベート」と今回と、2公演続けて主要な役が代役となって、トップとしての重圧は計り知れません。
珠城さん、本当にお疲れさまでしたと心から労いたいです。


◆ 退団者にひと言ずつ

そんな珠城さん、カーテンコールでは、「先ほどは失礼しましたっ!」と体育会系のご挨拶。

「恒例の退団者からひと言ずつ」で、「宝塚の時、泣いてしまったから今回はもうやめようと思っていたんですけど、さっき泣いたのでもう大丈夫と思いますので、やっぱり言います」と、一人ずつに言葉をかける珠城さん。その一言ひと言がとても誠実で温かい言葉で、本当にいい子なんだなと感じられました。

退団者の中で最下級生の音風せいやさんが珠城さんの言葉に泣きだしてしまったのを見て、「ごめん、(涙を)ふくもの持ってない」と言う珠城さん。いつも泣いている人にはハンカチ差し出しているのね。何てやさしい人なんだ。

響れおなさんが、「初舞台から見てきたたまきちがこんなに立派にトップとして挨拶してる姿をすぐ隣から見れて感無量です」と、下級生時代に厳しくも温かくもたくさん指導していただいたことに感謝の言葉を述べる珠城さん。今にも泣きそうになりながら、「大丈夫です!セーフ」と。

美弥るりかさんへ
「るりさん・・・。 るりさんは星組の時から一方的に客席からなんて素晴らしい男役さんなんだと見ていました。だから月組で一緒になった時はすごくうれしくて、特にこの2年は・・・色濃い時間を・・過ごさせて頂きました。特にこの2年間は大切で大きな時間です・・・泣いてませんっ!」 いや泣いてるし。それを横で聴いている美弥さんの目にも涙。


◆ 月組大ジャンプ

カーテンコールラストは恒例の月組大ジャンプ。
「ジャンプの掛け声は美弥さんはじめ退団者の方にやっていただきましょう」と珠城さん。
「えっ?うそ聞いてないよ」と焦る美弥さん。
「言ってないでーす!」と満面の笑顔の珠城さん。

花束抱えた4人が顔寄せ合って素に戻ってあれこれ話し合う姿が何とも微笑ましい。
4人の会議の邪魔にならないように、後ろに下がって暁千星さんの横に移動する珠城さん。
「月組 Forever!」に決まって、客席も一緒になって無事に大ジャンプ。
お花を持っていて手をつなげない美弥さん、響さんの肘を持つ珠城さん(笑)。
「Foreverは月組だけでなく、退団者4人も永遠です!」という珠城さんの心遣いにまた涙。


◆ たまるり劇場

鳴り止まぬ拍手。
緞帳前に美弥さんの腕を引っ張って出てきた珠城さん。
トップコンビではない人がこうして緞帳前に出てくるのは異例で(宝塚大劇場千秋楽は珠城さん一人だった)、客席からは驚きと歓喜のどよめきが。
私が観ていた映画館でも、隣のお嬢さんたちが「トップじゃないから出てこないよね~」と言っていたところに出てきたので、感激して泣いていらっしゃいました。

珠城さんは「私が勝手に連れてきた」みたいことをおっしゃっていましたが、それは劇団の許可はもらっていないということなのかな、事前に打診したけど許可が下りなかったということかな・・ここからの幕前のたまるり劇場は、観ていてとても幸せに満ちた時間でしたので、どうか珠城さんが劇団に叱られたり責任を問われたりすることがありませんように。


美弥さんを舞台中央寄りに押し出そうとす珠城さん。

「だめだよ、りょうちゃん」と珠城さんを舞台中央寄りにいさせようとする美弥さん。
「すみません、もう一度来てしまいました。りょうちゃんの愛のおかげです。本当にありがとう」
「何だか漫才みたいだね」と美弥さん。
「じゃあ、私がボケですね」とニコニコ顔の珠城さん。
「そうだね。りょうちゃんがボケで私がツッコミだね」と美弥さん。

美弥さんを舞台に残して去ろうとする珠城さんを「だめだめ」と手をひっぱって止める美弥さん。
「こんなそばにいて、りょうちゃんの相手役みたいだね」「私の旦那がしゃべります」と客席中を撃ち抜くような爆弾発言(笑)ぶちかます美弥さん

そうして、「二人で一緒に帰りましょうか」となって、上手袖へ一緒にはけていく「男役・美弥るりか」の舞台上での最後の一声が 「ありがとうございました~。 ははっ(笑い声)」というのが何とも。

この時の幕前の様子はスカステでオンエアされなかったということで(私はスカステ入っていないけれども)、藤田里奈さんがTwitterにあげてくださったこちらのイラストがとても雰囲気出ていましたので引用させていただきます。


この数分間、観ていて幸せな気分になる、本当にいい光景でした。
たまるり最高か。



男役・美弥るりかも、珠城りょうのやさしさも、忘れません のごくらく度 (total 2061 vs 2064 )


posted by スキップ at 23:36| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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