
初演の星組版大好きな私ですが、今の宝塚でやるなら、宙組が一番ぴったりと思っていました。
宝塚歌劇 宙組公演
ミュージカル 「オーシャンズ11」
脚本・演出: 小池修一郎
作曲・編曲: 太田健
出演: 真風涼帆 星風まどか 芹香斗亜
桜木みなと 寿つかさ 純矢ちとせ 澄輝さやと 凛城きら
蒼羽りく 和希そら 遥羽らら 瑠風輝 優希しおん 鷹翔千空 ほか
2019年4月21日(日) 3:00pm 宝塚大劇場 1階1列上手/
4月25日(木) 3:00pm 2階1列下手/4月28日(日) 11:00am 1階9列センター/
4月30日(火) 1:00pm 1階14列上手
抽選に当たったり、お友だちが手配してくれたりしたチケットが日程集中してしまって、約40日間ある公演の初日から10日ほどの間、4月中に手持ち4回分全部観てしまったという・・・もったいないことです。
2011年星組 ① ②
2013年花組
2014年香取慎吾くん版
ラスベガスの豪華ホテルPARADISOを舞台に、天才詐欺師ダニー・オーシャン(真風涼帆)が、盟友のラスティー(芹香斗亜)はじめ10人の仲間たちとともにホテル王ベネディクト(桜木みなと)の金庫破りに挑み、ベネディクトの恋人となっていた妻 テス(星風まどか)の愛も取り戻すというエンタテインメントミュージカル。
もう、「オーシャンズ11」大好き

大劇場ロビーのピアノが♪FATE CITY や ♪JUMP!、♪JACKPOT を奏でているだけでテンション上がります。
ダニーやラスティーがカッコイイのはもちろん、役も多くイレブンそれぞれに活躍の場面もがあるので下級生ファンもうれしいんじゃないかな。
ストーリーや楽曲、装置などはこれまでの感想に散々書いてきたので省略(笑)。
基本的には2013年の花組版を踏襲していて、舞台装置や衣装、台詞などをマイナーチェンジしたという印象。
一番変わったのは、ラスティーの比重が大きくなったことでしょうか。
ラスティーはジョージ・クルーニー主演の映画ではブラッド・ピットが演じた役。
2011年の星組初演の新人公演でダニーを演じた真風さんとラスティーを演じた芹香さんが8年の時を経て、それぞれの役を本公演で演じるというのが今回の公演の売りのひとつでもあります。
ダニーもラスティーもともにチョイ悪男なのだけど、中身は案外硬派で一途、男たち引き連れている感あるダニーと、いかにも軟派で女性には誰にでもやさしく、いつも周りに女をはべらせているといった風情のラスティーに、真風さんと芹香さんの個性がよくハマって、色合いが違う2人が並び立つ絵面のイケてるっぷりがハンパない。
ともに長身で学年も1期違い、下級生時代をともに星組で過ごした2人のバディ感もとてもいい感じです。
2人が銀橋で歌う「オーシャンズ10」
お前と俺が手を組んだなら
思いもよらぬ奇跡を起こせる
お前がキングで俺がジョーカー
どんなゲームも勝ち抜ける
この曲は、星組・花組の宝塚版にはなくて、2014年版で香取慎吾くんダニーと山本耕史くんラスティーが歌った曲。
あの時も1度聴いただけで大好きになって、ブログにあげた感想読み返してみたら、「いずれまた宝塚で再演することがあればこの曲は是非加えていただきたいです」と書いていました(笑)。5年経って、その願いが叶えられた形です。
ダニー、ラスティのバディ感が高まってより強固になった分、対するベネディクト側がバランス的に少し弱いと感じたのも正直なところ。
後述しますが、桜木みなとさんのベネディクトはこれまでのイメージを翻すような悪役ぶりでよかったのですが、、ダニー&ラスティーの前に立ちはだかる大きな壁という、あくまでもバランスとして、です。2人が輝きすぎているので、そりゃどう見てもこっちが勝つでしょうよ、という感じ。
それを思うとやはりベネディクトは二番手の役であって、芹香さんで観てみてみたかったし、もっと言えば、愛月ひかるさんだったらどうだっただろうと、言ってもせんないことを考えてみたりもしたのでした。

ダニーの真風涼帆さん。
観るたびに「マカゼ、立派になって・・・」と胸いっぱいになります。
どんな時でも何をするにも余裕たっぷりで、それがいかにもダニー感。
すごく表情豊かという訳ではないのですが、それがかえって色っぽかったり、男らしかったり。
脚を組んで座って流し目でテスを見たり、少し首を傾けてじっと見る表情とかたまりませんね。歌もダンスも安定。本当に立派なトップさんになって・・・(二度目)。
ラスティーは芹香斗亜さん。
歴代ラスティーで一番カッコいいのでは?あの髪型の色っぽさはなにごと?
4/21に観た時、幸運にも最前列だったのですが、ラスティーが目の前に立ってタバコに火をつけるわ、階段に座るわ、で、すっかりヤラレた同行者は終演後「キキのオンナになった」と公言しておりました。
ジョンソン先生のアドリブも毎回違っていて楽しいのですが、それほどやり過ぎ感もなくていい感じ。
4/30は平成最後の日だったのですが、「あんたさっきからカリカリしてるけど、平成 令和 続けて平和。平和にいきましょうや」と言って客席からも「おー」という声と拍手が起こっていました。上手い!
テスの星風まどかさん。
どちらかといえば丸顔童顔で少女っぽいイメージのまどかちゃんですが、ポスター画像が発表された時、とても“テス感”があって驚いたものです。洗練された大人の女性。テスの気が強い感じもよく出ていて、歌は元より上手いし、髪型とかよく工夫しているなと思いました。
ベネディクトは桜木みなとさん。
これまでも甘いイメージを封印しての悪役。よかったです。
線はいささか細目ですが、いかにも野心家のキレ者といった風情。テスのこと、ほんとは全然愛してなんかいないのに、顔だけでやさしくしているところも上手いなぁ。台詞も歌もうまいです。
イレブンのメンバーではフランクの澄輝さやとさんとバシャーの蒼羽りくさんにそれぞれ見せ場で実力を発揮。りくくんはこのところ「主人公の友だち」的な役が続いていたので、パシッとしたスーツ姿に目が釘付けです。
初演で真風涼帆、再演で芹香斗亜、初演の新人公演では礼真琴が演じた、ピカピカの若手路線の役 ライナスは和希そらくん。
そらくん大好きなのでキャストが発表された時にはとてもうれしかったけれど驚いたものです(イエンくらいかなと思ってた)。
MR. PICKPOKECTの場面、とてもよかったです。キレッキレのダンスに響き渡る歌声。
小柄なこともあってか今回のライナスは少年っぽさを強調される演出でしたが、それがよくハマって、ちょっとこじらせ系のライナスが適役好演。
てっきりこの人がライナスかと思っていた瑠風輝くんはリビングストン。
最初出て来た時、もえこちゃんとわからなかったくらいなりきっていて、やっぱり上手いなぁ。
そして手足が長い(笑)。
リビングストンが警察に逮捕されそうになった時やってくる芹香さんラスティーが「シャキーン!」とMYHEROのポーズキメてて爆笑してしまいました。
クイーン ダイアナは純矢ちとせさん。
少しデフォルメしすぎかなぁという気がしないでもありませんが、迫力ある歌と押し出しの強さはやはりこの人のもの。
ソールの寿つかささん。
競馬場でラスティーと会った時は背中丸めたしがないおじさんなのに、ロシアの富豪に変装した時は胸をはり背筋を伸ばしてピカピカのスーツに負けないくらい。やっぱりすっしーさん、素敵だ。
演技指導も毎回楽しい。

この公演は105期生の初舞台公演。
大注目の稀惺 かずとくんはじめ端正な男役や、詩ちづるちゃんや山吹ひばりちゃんといったかわいい娘役さんが多いと評判の期。
♪JUMP!の曲で溌剌とロケットを踊る40名の初舞台生たちが、その歌詞のとおり、これから大きく羽ばたけますように。
そして、純矢ちとせさんはじめ宙組を支えてきたスターさんたちの退団公演ともなりました。
プロローグのFATE CITYやフィナーレの男役群舞で、澄輝さやとさん、蒼羽りくさんそれぞれにスポットが当たるダンスシーンがあって胸熱。
パレードでも、純矢さんをセンターに澄輝さん、蒼羽さんが3人並んでニコニコ笑いながら階段降りてくるのを見て泣きそうになりました。
パレード:
エトワール: 花宮沙羅
優希しおん・瑠風輝・鷹翔千空
遥羽らら・和希そら・天彩峰里
澄輝さやと・純矢ちとせ・蒼羽りく
桜木みなと
芹香斗亜
星風まどか
真風涼帆
多いね。
モロイ兄弟の優希しおんくん、鷹翔千空くんが初の階段降りメンバー入りです。
やっぱり「オーシャンズ11」好きだ~(再)。あと何回でも観たい のごくらく度



確かに、今の宝塚だと、宙組が一番似合う演目ですね!長身ぞろいで、スーツ姿は本物の男性よりもカッコいい(笑)
ダニーとラスティ・・・私も初演を見ているので、こんなに感慨深く見ることになるとは。
愛ちゃんのベネディクト、見て見たかったですね!それとも、キキちゃんベネディクトで愛ちゃんラスティか??また一味も二味も違うオーシャンズ11になったかもしれません。
私も、パレードで退団者3人がそろった時が一番グッときました・・残念ですが、また新しい宙組に期待するばかりです。
本当は朝夏まなとさんがいらっしゃる時に「オーシャンズ11」
やれるのでは?と思っていたのでした。
でも、下級生のころから知っている真風くんのダニーを観られて
感無量です。
キキちゃんとのバディ感も、今の2人なればこそ、ですね。
りくくん大好きなのでお別れはとても寂しいですが、それも宝塚の
宿命ですものね。
新しい力もどんどん伸びてきていますし、これからも楽しみに
観ていきたいと思います。