
ところが開幕するととても評判がよくおもしろそうで、「やっぱ観ればよかったかな」と思っていたところへご縁があってお誘いいただき、それがたまたま東京にいる日ということで、予定変更してホイホイ喜んで観に行ってきました。
宝塚歌劇 雪組公演
ブロードウェイ・ミュージカル
「20世紀号に乗って」 ON THE TWENTIETH CENTURY
Book and Lyrics by Adolph Green and Betty Comden
Music by Cy Coleman
Based on a play by Ben Hecht and Charles McArthur and also a play by Bruce Milholland
潤色・演出: 原田諒
出演: 望海風斗 真彩希帆 彩風咲奈 彩凪翔 真那春人 朝美絢
朝月希和 橘幸 諏訪さき 眞ノ宮るい 星加梨杏 縣千/京三紗 ほか
2019年3月27日(水) 2:00pm 東急シアターオーブ 1階10列センター
(上演時間: 3時間/休憩 30分)
物語: 舞台演出家兼プロデューサーのオスカー・ジャフィ(望海風斗)はヒット作に恵まれず借金を抱えた状況を起死回生するべく、自分が見出してスターに育て上げたかつての恋人リリー・ガーランド(真彩希帆)に新作への出演を依頼するため、彼女が乗車する高級列車「特急20世紀号」の隣の客室に部下のオリバー(真那春人)、オーエン(朝美絢)乗り込みました。恋人のブルース(彩風咲奈)を伴っているリリーは今ではオスカーを嫌悪していて頑として出演を拒否します。そんな折、同じ列車に乗る老婦人レティシア(京三紗)がオスカーの芝居のスポンサーに名乗り出たのです・・・。
1978年にブロードウェイで初演されトニー賞5部門を獲得したミュージカル。
シカゴからニューヨークまで、16時間の特急列車内を舞台にしたドタバタコメディ。
いかにもブロードウェイ、いかにもアメリカな陽気で明るく楽しい舞台でした。

今や宝塚きっての歌えるトップコンビとなった望海風斗・真彩希帆。
「ファントム」であれだけ客席の涙を絞ってからほぼ1ヵ月で、こんなにカラッと明るい舞台を完成させてしまう雪組の・・・というか宝塚の底力に改めて感嘆。
トップコンビはもちろん、雪組一丸となって(バウ組と分かれてはいるけれど)完成度の高い舞台を見せてくれて、声をあげて笑うこともしばしば。とても楽しく拝見しました。
ただ一つ感じたことは、この作品はよくも悪くもリリーが主役で、もちろん真彩さんはすばらしかったけれど、それを男役中心の宝塚で、オスカーを主役にして、というところに些か苦しさがあったかなぁ、と。
そのリリーの真彩希帆さん。
溌剌としてエネルギッシュでパワフル。
気が強くて自信家で、宝塚によくある寄り添うタイプの娘役ではないけれど、コケティッシュな可愛らしさもあって、とてもよくハマっていました。
最初にサエないピアノ弾きとして登場した時の友近み(笑)。
そこからパッと鮮やかなミニのドレスに変わってのレビュー。
ブルースとシュシュポッポするバカップルぶり。
どれも本当に活き活き。
こんな勝気な役がとてもよくお似合いで、これまで真彩さんが演じた役の中で一番好きかも。
これ、真彩さん主演で宝塚ではなく外部の公演で観てみたいなと思いました(そんな風に感じた人多くて賛否両論あったようですが)。
冒頭のシカゴのシーンで別役(アル・カポネ)で登場から客席を湧かせてくれた望海風斗さん。
シリアスで最後は死ぬ、という役が多いイメージの望海さんのコメディ、とても新鮮でした。
オスカーはスーツも髭もよく似合うイケオジ。
落ち目の大物プロデューサーという中年男?なのだけど少年の心も忘れずにいて、結構熱くなったりするところが母性本能くすぐるタイプ。
歌や芝居が上手いのはもちろん、笑いの間も絶妙。力量を見せつけてくれました。
通路側の席でしたので、薔薇の花束持ったオスカーが真横を通って行ったのですが、その横顔の美しさに見惚れました。
リリーの恋人ブルースは彩風咲奈さん。
ちょっと頼りなくてナルシストなブルース。リリーはどこに惚れたのか(笑)。
あんなにピンクのスーツ似合う人いる?っていう王子様キャラの彩風さんの体張った演技に散々笑わせていただきました。
冒頭、列車の中、二幕のはじめと要所要所に出てくるポーターのカルテット(橘幸・諏訪さき・眞ノ宮るい・星加梨杏)。制服もカワイくていつも揃ってタップ踏んでいて楽しい♪中でも星加梨杏さんの端正な美形が目を惹きました。
そのポーターたちの長ともいうべき車掌フラナガンは彩凪翔さん。
ちょっともったいないような配役でしたが、さすがの存在感でタップダンスも鮮やか。
オスカーの2人の部下は真那春人さんと朝美絢さん。
本当なら彩風さん、彩凪さんがキャスティングされそうな役どころですが、リリーが主演の物語をオスカー主演にするため、オスカーに比重を置いて際立たせるためにあえて二番手三番手をはずして・・・といった見解を後で読んで、なるほどなぁ~と思いました。いろいろ苦労があるのね。
口ではいがみ合っていても、最後はそうなるよね~な単純で明るいハッピーエンド。
望海風斗率いる雪組の総合力を堪能して、人気組なのも納得。
著作権の関係で映像化はできないということで、やっぱり無理して観に行ってよかったです。
予定割り込んで入れたのでフィナーレまで観られなかったのがザンネン の地獄度


