

1998年に宙組が誕生して今年で20周年。
その宙組 八代目のトップスターとなる真風涼帆さん。
1月 東京国際フォーラム「WEST SIDE STORY」でのプレお披露目を経て、いよいよ本拠地・大劇場お披露目です。
新トップコンビお披露目と宙組20周年の両方をお祝いする公演となりました。
宝塚歌劇 宙組公演
ミュージカル・オリエント 「天(そら)は赤い河のほとり」
原作: 篠原千絵
脚本・演出: 小柳奈穂子
ロマンチック・レビュー 「シトラスの風-Sunrise-」
~Special Version for 20th Anniversary~
作・演出: 岡田敬二
出演: 真風涼帆 星風まどか 芹香斗亜 愛月ひかる
寿つかさ 純矢ちとせ 澄輝さやと 凛城きら 蒼羽りく
桜木みなと 和希そら 留依蒔世 瑠風輝/星条海斗 ほか
2018年3月18日(日) 11:00am 宝塚大劇場 1階12列センター
(上演時間: 3時間/休憩: 30分)
「天は赤い河のほとり」
物語の舞台は紀元前14世紀 古代オリエントのヒッタイト帝国。
優れた才能と血筋で世継ぎと目される第3皇子カイル(真風涼帆)は、奇妙な服装をした少女ユーリ(星風まどか)と出会います。彼女は、皇妃ナキア(純矢ちとせ)が自分の息子である第6皇子ジュダを王位に就かせるため、邪魔な兄皇子達を呪い殺す生贄として現代の日本から呼び寄せた女子高生でした。事情を知ったカイルはユーリの身を守るため側室として傍に置きますが、正義感に溢れ、現代的な感覚で物事を捉えるユーリは、次第に民衆の心を掴み、戦いの女神イシュタルとして崇拝されるようになります・・・。
原作は28巻からなる少女マンガということですが、読んだことなくてストーリーも全く知らず、衣装から古代エジプトあたりの話かな、くらいの気分で観ました。
衣装といえば、今回のポスター(左の画像)とてもステキですが、それに先立って先行画像(右)が公開された時、大劇場作品としては久々にテンション上がって前のめりになったよね。
真風くんがまどかちゃんの頭に置く左手がたまらん。・・・その前の月組「カンパニー」のポスターがアレだったしね(以下自粛))
最初の印象は「王家の紋章」に似ている、ということ。
時代設定も、タイムスリップしてきた現代の女の子が現代的感覚でヒロインに祀り上げられるところも、敵対するイケメン2人に愛されるところも・・・どっちが先か知らないけれどこんなに似てていいのか?
原作知らなくてもわからないということはなくおもしろく拝見しましたが、物語が盛りだくさんで台詞も多く、展開がかなり駆け足で、いささかダイジェスト版っぽい印象。
カイルが地獄の地下牢から脱出して以降が全く描かれていないのはともかく、愛月ひかるさん扮するミタンニ王国の黒太子マッティワザが黒づくめの衣装で顔にも傷があって悪の匂いぷんぷんでカッコいい~

と思っていたら、次に出てきた時はカイルの味方になっていて、「どゆこと?!」と思ったり、途中で挿入される若い男女の悲恋が後になって「あー、あれ、ナキア様とウルヒだったのね」とわかったり、後半にいきなり出てくるエジプト王太后ネフェルティティのくだりが難しかったり。
やはり28巻を1時間35分で一気に見せるのはハードルが高くて、全てを描こうとしないでどこかの部分に絞るか、花組の「ポーの一族」のように1本立てにしたらよかったのではないかと思います。
とはいうものの、タカラヅカお得意のコスチュームもので華やかでいかにも少女マンガなストーリー。
「壁ドン」あり「お姫様だっこ」あり、立ち回りもたっぷり。真風さん筆頭に宙組の誇る長身イケメン揃い男役たちを観ているだけでもとても楽しい。
真風涼帆さん。
ビジュアル完璧。長身にマントもよく映えて、輝くような王子様っぷりです。
カイルはユーリよりかなり年上の設定なのかな?ユーリが何言っても余裕たっぷりでいつも見守っているような大人のオトコな雰囲気もステキ。
モテモテで女の扱いにも慣れていて、ユーリが「スケベ!エッチ!へんたぁ~い!」と暴れても「そんなに喜ぶな」と笑ってみせたり、「何もしないよ・・・今は、な」とか、シビれる。
滑舌の甘さもほとんど気にならなくなって、センターに立つオーラ輝くトップぶりです。
星組の下級生時代から観てきましたので、真風くん、本当に立派になって、と胸がいっぱい。
星風まどかさんもトップ娘役おめでとう

ユーリはちょっとキャンキャンしすぎかなぁとも思いますが、ま、女子高生設定ですものね。
可愛くて明るく元気なキャラクターをのびのび。歌も立ち回りもと八面六腑の活躍です。
エジプトの将軍 ラムセスは芹香斗亜さん。これが宙組生として大劇場デビューです。
芹香さんはどちらかといえば童顔の甘いマスクなので正統派の王子様がお似合いかと思いきや、こんな男っぽい役がよくハマります。「WSS」のベルナルドも素敵だったし、花組時代「邪馬台国の風」のクコチヒコもあの作品の中にあって(←)とても印象的だった役の一つ。
「女神さまから目を離すなよ。俺が貰っちまうぜ」なんて台詞もキキちゃんラムセスが言うなら許す(笑)。
愛月ひかるさんのマッティワザがカッコよかったのは前述したとおり。
以前、朝夏まなと・真風涼帆・愛月ひかるの長身123並びがとても好きだったのですが、今度の123並びも夢が見られる素敵な並びです。
愛月さん、3にステイだけどどうかめげずにがんばってほしい。夏の「WSS」のベルナルド、期待しています。
ピンクが似合う王子様でカイルが信頼を寄せる弟 ザナンザの桜木みなとさん、ダンスでも立ち回りでも、相変わらずキレッキレの動きを見せてくれるカイルの部下 ルサファの蒼羽りくさんとカッシュの和希そらさん、ティトに抜擢の愛海ひかるさん・・・ほんと、1回では見切れませんワ。
そんな中、「あれ?家臣たちの中に澄輝さんいないよね。エジプト軍やミタンニ軍にもいなかったし、どこ?」と思っていたら、ネフェルティティ王太后様でした。女役とは。
「神々の土地」の凛城きらさんアレクサンドラといい、宙組プロデューサーさんは男役に位の高い女役をやらせるのがお好き?
→ 長くなったのでショーの感想は別記事につづく(お芝居の感想もまだ書くかも)