2017年11月10日

舞台もトークも絶好調 「花形トーク いま輝いて 中村米吉」


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本日は午後からNHK文化センターの花形トークへ。
葛西聖司アナウンサーが進行を勤めるこのトークは、葛西さんの上手なインタビューと歌舞伎への造詣の深さもあって、毎回大変楽しいですが、今回は中村米吉くん登場。
かねてよりトークが達者という噂を耳にしていて、とても楽しみにしていました。


花形トーク いま輝いて
講師:  中村 米吉
聞き手: 葛西聖司
2017年11月10日(金) 2:00pm NHK文化センター梅田教室
(講演時間 1時間30分)



image1 (2).jpg午後2時からの講座で、午前9時30分より整理券配布・・・以前の私なら張り切って整理券に並んだところですが、近ごろでは「そんな早く行っても間あくしなぁ」とのんびり。
梅田で買い物もあったので少しだけ早めに出て12:00過ぎに到着したら整理券番号42番でした。実際に講座が始まると80人強ぐらいの参加でしたので真ん中あたりといったところでしょうか。
集合時間までに買い物3件済ませてカフェでひと休みしてから教室へ。


米吉くんは11月1日から中村獅童さん座頭の巡業中で、8日に札幌公演を終え、明日(11/11)の日田を皮切りに九州の都市を回るため福岡入りしたところからこのためだけに大阪にいらしたのだとか。「博多に全部置いてこの身ひとつで来ました」とおっしゃっていました。
濃紺の三つ揃えのスーツでご登場です。


まずは巡業について葛西さんが「獅童さんはお元気ですか?」と尋ねると、「毎日腹ついて死にかかっていますけど元気です」と。(「すし屋」の権太で)

米吉くんの宣材写真は18歳の時に撮ったものだそうで、「あんまり変わってないね」と葛西さん。
歌舞伎役者さんはあまり写真を変えないそうで、「変えるとしたら襲名の時や、まわりからいい加減で変えろよと言われた時」だとか。
チラシの下に並んだ役者さんの顔写真 「ずい分若い時のだ」「これも若い」と、葛西さんと一緒に散々いじっていらっしゃいました。

スクリーンに今年米吉くんが出演した歌舞伎のチラシやその時のお役の扮装をした米吉くんの写真が映し出されて、それにまつわるお話を進める形。
東京や巡業ばかりだったので、全部は観ていないのですが、お話を聞いて印象に残ったことをいくつか。


若手の中でも大活躍で、今年は8月の1ヵ月間だけしかお休みがなかったそうです。
その8月も従兄弟の歌昇くん、種之助くんの勉強会「双蝶会」に出演したので、「今年は化粧をしない月はなかった」のだとか。


明治座五月花形歌舞伎「南総里見八犬伝」では犬塚信乃を演じた米吉くん。
ちょうどお母様のご実家にいらした時にお父様の歌六さんから電話が入り「お前、信乃をやることになった」と言われて、「毛野でしょ?」「信乃」「毛野でしょ?」「信乃」というやり取りがあったとか。
大屋根の上の立ち回りもある立役で、「足は意識しないと内向きになってしまう」と。

毎日ビデオに撮ったものを見ながら「今日の芳流閣」とお父様からダメ出しがあったそうです。
そんなお父様も昼の部「月形半平太」の舞妓歌菊(米吉さん曰く、どうってことない役)はとてもほめてくださって「お前はずっとあれやってろ」とおっしゃったとか。
京都の舞妓さんの役で、簪は親しくしている宮川町の芸妓さんからいただいた本物をつけていたのだそうです。
「愛之助さんや鴈治郎さん、壱太郎さんが出てるから京都からたくさん観にくる訳です。本物の舞妓さんの前でやり難いったらありゃしない」ですって(笑)。

六月は歌舞伎座で「昼夜で人間国宝に殺されております」が合言葉だったとか。
昼は吉右衛門さん、夜は仁左衛門さんに殺される役で、特に夜の部では仁左衛門さんの目の前で対峙する役で「世の奥様方を敵にまわしたのでは?」と。
仁左衛門さんの胸にとりついて台詞を言う役で、「我ながらよく言えんな」と思ったそうです。

夏の巡業は雀右衛門さん襲名披露で口上もあって、珍しい立役の裃姿も。
「歌六茶」という色の裃。歌六家は代々、口上の時は立役の姿でやる決まりなのだそうです。


最も印象的だったお話は、十月大歌舞伎 「沓手鳥孤城落月」で、玉三郎さん淀の方で千姫をやった時のこと。
9月終わりに児太郎くんと2人 玉三郎さんに呼び出されて9:00からお稽古したそうです。
淀君と千姫の心情やまわりを取り囲む人たち気持ち、状況などを色々話してくださって、「母になるから娘になってちょうだい」と言われたそうです。

淀の方が千姫の髪持って引っ張り回すところでいつもより激しくグイグイやられた時があって、梅枝くんが「コワかったな、今日。お前、何かやったか?」と言いに来たらしいです。
玉三郎さんはお稽古を見にいらしていた歌六さんに、「今回は胸ぐらつかんだりするつもり」と言ったら歌六パパは「殺さなきゃ何してもいいよ」と了解していらしたとか。

今回は玉三郎さんの考えで鬘の下をより自然に見える「網」にしたことや、紙ばさみという懐紙をはさんでおく袱紗のようなものの画像も見せてくださって、これも玉三郎さんが選んでくださったものなのだそうです。
玉三郎さんの役や演目に対する強い思い、若い役者を育てようとする心が伝わるエピソードで聞いていて胸が熱くなりました。
十月は歌舞伎座行かなかったので、やっぱり観ておきたかったなと思いました。


国立劇場の次の研修発表会で八重垣姫をやることになった米吉くん。
昨日聞いたばかりだとおっしゃっていました。
雀右衛門さんに教えていただくということですが、研修発表会のお稽古は吉右衛門さん真ん中に雀右衛門さん、魁春さん、梅玉さんと並んで「さぁやって」という感じなので緊張なんてものではない、と。
でも1日だけの公演に向けて稽古、勉強させて頂くけるのが有り難い、と真摯なお言葉でした。

誰に教えていただくかを決めるのはその時によって違いますが、その役をやったことのある人に習うのが基本ですが、自分であの役をやるんだったらあの人に教えていただきたい、とお願いすることもあったり、父にも相談します、と。

お話を伺うにつけ、立役と女方の違いはあっても、歌六さんが父親としても歌舞伎役者の先輩としても、米吉くんにとってかけがえのない人であり、とても良好は先輩後輩関係、親子関係が伝わってくるようでした。

最後は来年の新春浅草歌舞伎のチラシ。
「昼夜とも大きなお役をやらせていただきますので、皆さん昼夜4回ずつ観てくださいねっ!」とニッコリ。安定の米子スマイルでした。


時折イマドキの若者ふうの言葉も発しながらテンポよく楽しく話す米吉くん。
絶妙な質問やツッコミで話を盛り上げる葛西さん。
1時間30分があっという間で、とても楽しい花形トークでした。


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葛西さんの宣伝に乗って「僕らの歌舞伎」 買っちゃいました。
葛西さんと米吉くんのサイン入り 限定20冊で即完売でした。




米吉くん、来年は関西でも歌舞伎に出演してくれますように のごくらく地獄度 (total 1836 vs 1838 )


posted by スキップ at 22:32| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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