2017年10月15日

きっと ずっと 忘れない 「髑髏城の七人」 Season 鳥 


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「風」ではなく「鳥」です(^^ゞ

ライブビューイング含め4回観た「髑髏城の七人」 Season 鳥ですが、その折々に感想はアップしたものの、個々のキャストについては「また改めて・・」と「書く書く詐欺」みたいになってしまっていましたので、「風」の感想を書いた勢いで、この際書いてしまおう、と。


ONWARD presents
劇団☆新感線 「髑髏城の七人」 Season 鳥 Produced by TBS 
作: 中島かずき
演出: いのうえひでのり
出演: 阿部サダヲ  森山未来  早乙女太一  松雪泰子  粟根まこと  福田転球  
少路勇介  清水葉月  梶原善  池田成志  右近健一  山本カナコ  村木仁 ほか



これまでのレポ:
7月3日 1回目
7月31日 ライブビューイング
8月20日 天魔王バースデイ
9月1日 千穐楽


「『髑髏城の七人』を花鳥風月の4パターンで。それぞれ脚本もキャストも変えて上演」と最初に聞いた時、たとえば「捨之介編」「天魔王編」「蘭兵衛編」というように、視点も主役も変わるのかと思っていました。
でも基本的なプロットはそのままということで、まず「花」は2011年版「ワカドクロ」を踏襲する形で(主演も同じだし)、正統派な印象。
では次の「鳥」は・・・こう来たか、という感じでした。

捨之介のキャラクターも設定も大胆に変更。
これがまんまとハマって、それまで観る側の私たちが(もしかしたら演じる役者さんたちも)捉えられていた「捨之介はこうあるべき」というイメージを一気に払拭。
多分あて書きしたであろう脚本も演出もズバリとハマっていましたが、何よりも阿部サダヲという役者の力量あってこそです。


最初観た時は、未來くん太一くんの天蘭殺陣に目も心も奪われた私ですが、回を重ねるごとにサダヲ捨之介の凄さをヒシヒシと感じました。

ここぞという時の爆発力、笑いとシリアスの振り幅、華と愛嬌。
歴代最年長捨之介ということですが、最年少にも感じられてしまう可愛さもあり、やっぱり天才。
、舞台の真中に立つべき役者さんです。
ラスト 天魔王と一騎打ちという時に、「天魔王どこだ!ケリつけようじゃねぇかっ!」という声と表情、背中ゾクゾクするほどカッコよかったです。
役者さんが「声を張る」ってこういうことなんだと、改めて実感した思い。


森山未來天魔王と早乙女太一蘭兵衛。
個々でももちろんすばらしかったですが、何というか、この2人でひとつ、唯一無二感。
未來くんの天魔王に対峙できるのは太一くんの蘭兵衛だけだし、太一蘭兵衛の魅力をより際立たせるのは未來天魔王をおいて他にない。

天の人に憧れ、あんなにも愛されたかったのにその思いは届かず、無念と憤怒と嫉妬。
捨てたつもりの過去と天の人への思いに囚われ苛まれる、孤独と哀しさと葛藤。

無界屋襲撃で赤と黒の2人が並んだ時の無敵感。
そんな2人が命のやり取りをするシビれる殺陣。
未來天魔王の翻るマント、太一蘭兵衛の神速の太刀。

未來くんは今回 「Exactly!」など英語を多用したり澄ました顔して笑いを取ったりしていましたが、一瞬で冷酷でカッコいい天魔王にチェンジ。
太一くんはキレッキレの殺陣にますます磨きがかかった上に、色気や妖気、殺気もはらんでもはや神がかり。

蘭兵衛の最期は何度観ても泣いてしまったのですが、千穐楽は凄まじいほどでした。
倒れたまま全然立ち上がれず、「所詮、外道だ」も突っ伏したまま泣きそうな声。
やっと立ち上がって、ふらつく足で極楽太夫の方を向いて、「さぁ、来い」 「来い、太夫~っ!!」と絶叫。
そして最期に見せた微かな笑み。

蘭兵衛がどんな気持ちで天魔王に斬りかかり、殺しきれず、彼を庇って太夫に撃たれて死んでいったのか。
天魔王の首筋に刀の切っ先を突きつけて、なのに斬れない蘭兵衛の慟哭。
刀を持つ手を下ろし力を抜く天魔王。
天魔王は背中を向けていて、その表情は見えませんが、多分彼は、蘭兵衛が自分を斬ることができないとわかってたのだと思います。
そしてそれは蘭兵衛自身も。
「お主、俺をたばかったか」と怒りに燃え、絶望の淵に立つ蘭兵衛の切なさ哀しさ。

「鳥」の天蘭は後々語り継がれる2人になったと強く思います。


極楽太夫は松雪泰子さん。
近寄り難い美しさ、胎の座った度量、蘭兵衛への思い。
少し台詞つくりすぎかなと感じる面もありましたが、「生き地獄を見てきたという顔をしている」と狸穴二郎衛門に言われて「ご勘弁を」という台詞がこれほど似合う太夫はいません。

その極楽太夫とハッピーエンドを迎える兵庫は福田転球さん。
前回の感想に「この兵庫の改変は納得いかない」と書きましたが、その思いは変わっていないものの、芝居としては転球さんよかったです。
「てめえが雑魚だと思ってる連中の力、見せてやろうじゃねえかっ!」というのが兵庫が吐く台詞の中で最も胸熱なのですが、この言い方、カッコよかったな。

池田成志さん演じる贋鉄斎も、捨の頼みを素直に聞かないという、これまでと違った切り口でした。
それがなるし~のキャラによくハマっていてね。
サダヲ捨と2人の場面も、舞台で育ってきた2人ならではの間があって楽しかったです。
しっかし、すごく体張っていた成志さん、本当にお疲れさまでした。

梶原善さんの狸穴二郎衛門は仕草が少し滑稽に走る過ぎる感もありましたが、飄々とした人物でありながら時折油断ならぬ鋭さも見せてさすが。
贋鉄斎が古田新太→池田成志→橋本じゅんと盤石鉄板役者揃えなのに対して、狸穴は、近藤芳正→梶原善→生瀬勝久と芝居が上手い人枠みたいになっていますね。

「花」でも「鳥」でも次の「風」でも、沙霧についてほとんど触れていないのは、誰がやっても同じように感じてしまうから。
それは決して下手という意味ではなくて、みんなそれぞれ元気で軽やかなか沙霧です。
「鳥」の清水葉月ちゃんもよかった。

ただ脚本的に、アカドクロ、アオドクロ以前と比べると蘭兵衛と極楽太夫の恋情をより濃く織り込んだために、沙霧の存在感が少し薄くなって、結果として誰がやっても大差ない感じになっちゃったかなとも思います。


以前にも書いたのですが、 「鳥」は捨天を別の役者さんがやるバージョンの完成形だと思っています。
サダヲ捨之介、未來天魔王、太一蘭兵衛を、きっと ずっと 忘れることはありません。

歌も踊りも笑いもたっぷりあって、それなのに泣けるしカッコイイし、で、とても満足度の高い舞台。
あと何回でも観られそうな気分でしたが、千穐楽まで見届けられたこと、とても幸せでした。



ゲキXシネになったら絶対観に行く のごくらく度 (total 1825 vs 1829 )



posted by スキップ at 22:39| Comment(2) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スキップさん、こんにちは(^-^)
もうね、スキップさんの感想読むのがホントに
ホントに大好きです!!!
鳥髑髏、私はライビュで1回、遠征1回観たのですがいまだに鳥ロスな気持ちです。
(先日、風のライビュ観たから余計にかも(笑))
サダヲ捨のチャーミングな笑顔とカッコよさ、天蘭のしびれる相乗効果、ナルシさんの小劇場コーナー(笑)読みながらリアルに鳥髑髏が脳内に再生されて泣きそうになっちゃいましたよ~~~!
風蘭がね、お芝居からちっとも熱量を感じなくて、ものすごくがっかりしたんです。
マツケン捨が頑張ってたから余計に残念だったんですけど、遠征が千穐楽なのでそれまでに蘭が良くなってるといいなと薄い希望(^^;

太一くんの「来い、太夫~!!」の絶叫が忘れられないです。ライビュも生観劇もあの迫力と熱量で涙出る出る。
花髑髏、鳥髑髏、早くDVDにならないかな~ってそればかり考えてます。
極のキャスト発表もそろそろですかね?
いつも読ませていただいてるんですが、我慢できずにコメントしてしまいました。
またお邪魔させてくださいね(^^)


Posted by りんりん at 2017年10月18日 14:15
♪りんりんさま

こんにちは。
いつもお読みいただいてありがとうございます。

コメントからもりんりんさんの鳥髑髏への熱い思いが伝わってくるようで、
「わが同志よ!」とうれしく読ませていただきました。

キャストも脚本も、本当にすばらしかったですね。
太一くん蘭兵衛は2011年版でもよかったですが、6年という年月は
役者としても人間としても彼を大きくしたんだなと感じました。
あの「来い!太夫~っ!!」は耳から離れませんよね。
ゲキXシネもDVD化も楽しみです。
「極」のキャストは決まってるんなら早く発表しろよ、という感じです(^^ゞ

「風」は千穐楽ご観劇なのですね。うらやましい。
きっとそれまでには舞台も蘭の熱量も大幅アップしていることを
私も祈りつつ期待したいと思います。
楽しんでいらしてくださいね。

拙いブログですが、りんりんさんのようにおっしゃっていただくと
とてもうれしくて励みになります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
またぜひお越しくださいませ<(_ _)>

Posted by スキップ at 2017年10月18日 23:09
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