2017年01月11日

ハッピーじゃないとエンドじゃない 星組 「オーム・シャンティ・オーム」


oso.jpg星組新トップ 紅ゆずるさんプレお披露目公演。
2007年に大ヒットしたインド映画の初舞台化。
そしてこれが2017年 私の初観劇。

こんなハッピーな作品が初観劇だなんて、幸先のよいスタートです。


宝塚歌劇 星組公演
マサラ・ミュージカル 
「オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-」

脚本・演出: 小柳奈穂子
出演: 紅ゆずる  綺咲愛里  礼真琴  美稀千種  
壱城あずさ  如月蓮  白砂なつ  夏樹れい  
十碧れいや  瀬央ゆりあ 他

2017年1月7日(土) 11:00am 東京国際フォーラム ホールC 1階9列上手



物語の舞台は1970年代のインド。
オーム・プラカーシュ・マキージャー(紅ゆずる)は売れない脇役俳優。人気女優のシャンティ(綺咲愛里)に憧れています。
ある日、炎に巻かれるシーンの撮影中の事故で逃げ遅れたシャンティをオームが助けたことで2人は友人となり、オームは恋心を募らせますが、シャンティは敏腕映画プロデューサーのムケーシュ(礼真琴)と秘密裏に結婚していました。妊娠し2人の結婚を公表したがるシャンティに対し、映画界での成功を目論むムケーシュは彼女を疎ましく感じ、遂にはシャンティを事故に見せかけて焼き殺そうとします。その場に駆けつけたオームは彼女を助けようとしますが自動車事故で命を落としてしまいます。
オームが運び込まれた病院で、同じ日に人気スター ラージェシュ・カプール(壱城あずさ)の子供が生まれ、オームと名付けられました。
それから30年後。
成長し大人気スターとなったオーム・カブール(紅ゆずる)のもとへ、べラ・マキージャー(美稀千種)が現れ、「あなたは行方不明になった私の息子だ」と告げます。やがて真実にたどり着いたオームは、シャンティそっくりなサンディ(綺咲愛里)ととにムケーシュの悪事を暴こうと・・・。


冒頭 スクリーンに「Bollywood」の文字が映し出された時、「ボリウッドって何?ハリウッド?あれ、Bに見えるけどHなの?」と思っていたくらい、インド映画のこともマサラ・ミュージカルのことも全く知らず、事前にあらすじも読まないでほぼ白紙の状態で観ました。
一幕終盤にオームが死に、彼が生前話していた夢がそのままオーム・カブールの今と重なり、バルコニーからファンに向かって手を振る時になって、「『恋する輪廻』ってそういうこと!!」と思い至った次第です。

失礼ながらバカ騒ぎのミュージカルといったイメージを持っていましたが、いろいろツッコミどころありつつ、切ない展開あり、シリアスあり、勧善懲悪ありでドラマチック。
歌って踊って最後は明るいハッピーエンド。
新生星組 上々のスタートです。


「宝塚歌劇団星組の紅ゆずるです」という開演アナウンスに拍手が起こる客席。
全体的を通して紅ゆずるさんお披露目お祝い感満載。
唐突に踊り出す場面含めて歌も踊りもたっぷりで、ショーを観ているような感覚も。
いかにもインドっぽいダンスの振付も可愛かったです。

「オーシャンズ11」で柚希礼音さんが着たダニーの囚人服(左胸に611のナンバー入り)を着ている人がいたり、星組ファンなら見たことがある衣装がたくさん出てきてキュンとしたり、オームの父の遺影が夏美ようさんだったり(Twitterで見かけた「はっちさん特出」の意味がわかった)、生まれ変わったスターオームのポスターが、「メイちゃんの執事」から始まるこれまでの紅さんの主演作のアレンジだったり、愛情たっぷりの細かい小ネタも挟み込まれていて楽しい。
オームのママ べラのアドリブ感たっぷりの演技指導あったり、上手下手の通路へ大挙して客席降りあったり(私の席のすぐそばには小桜ほのかちゃん来た)。

オームが親友のパップーと公園で子どもたちの前で、映画賞をもらったテイで受賞スピーチをして、「心から何かを望めば世界中が味方して欲しい物が手に入る。皆さんが後押ししてくれた。感謝しています。王様になった気分です」とステキなスピーチをして、それが後半にもう一度、今度はオーム・カブールが本当に賞をとって同じスピーチをして、というのもとてもよいシーンでした。
紅さんがトップスターになるまでの道のりとも少し重なって、聴いていてウルウル。

「ハッピーじゃないとエンドじゃない」
「幸せじゃないと映画は終わらない・・・つづくだ」
「友だちにはごめんなさいもありがとうもなし」
といったステキな台詞も散りばめられていて、インド映画 侮りがたし。


IMG_8930.jpg


紅ゆずるさん 何より、トップ就任おめでとうございます。
前半のオームのちょっと頼りなげでひょうきんだけど寂しさも漂わせる感じと、生まれ変わったオームの生まれながらの坊っちゃんでスターの傲慢な雰囲気との演じ分け鮮やか。
どちらかといえば、後半の派手な服着てサングラスかけてるオームの方が紅さんっぽいかしら(笑)。
歌も、以前のがなるような歌い方は影をひそめて、とても丁寧に歌っている印象でした。

綺咲愛里さんも二役をきっちり演じ分けていました。
特に前半のシャンティでは、可愛らしいイメージのあーちゃんがちゃんと大人の女性役を演じていて感心。
タカスペの時にも感じましたが、歌もとても進化していると思います。

でもね。
この人が出て来て第一声を聴いただけで、「全然違う」と思っちゃいます。
礼真琴さん。
私が悪役フェチということもあって、イライラしながらタバコをくわえるところとか、傲慢に人を見下したような態度とか、もうムケーシュが好き過ぎる(笑)。
負のオーラプンプンで、これ、プレ ショーヴランじゃないかしら。
礼さんはダンスもお得意ですが、SPたち引き連れてスーツで踊るところ、礼さんだけ ワンテンポ遅れて入るのですが、一旦のけぞって前傾するところ(言葉では伝わりにくい)がいかにも ムケーシュが踊っている感じで得も言われるカッコよさ。
髭を蓄え白髪混じりの長髪を束ねた30年後のムケーシュがまた渋カッコよくてだな・・。

追い詰めるオームとそれを嘲笑うムケーシュ。
紅さんと礼さんの熱演で白熱の展開でした。

いつもオームとともにいる親友で脚本家のパップーは瀬央ゆりあさん。
瀬央さんがこんな大きな役をやるのは初めてではないかしら。
オームのことを温かく見守り、オームのママにもやさしく接するパップー、ステキでした。

スターオーラ振りまくラージェシュ・カプール 壱城あずささん、元祖・ぼんぼん傲慢スター リシ・ガイの十碧れいやさん、そのパパの映画監督 如月蓮さんなど、キャラクターの立った人たちがたくさん。
極彩天然色で目にも鮮やか、幸せな気分になれるミュージカル。
映画も観てみたくなりました。


「みんなかどうかわかりませんが、この後の休憩はカレー食べて次の公演もがんばり ます」
とカーテンコールの紅さん。
初日から2公演目でまだ緊張しているのか全体的におとなし目な印象でしたが、それがかえってトップスターとしての自覚の大きさにも感じられ好感。



白砂なつさん演じるレポーターのヴィミーが「皆さん ナマステ~」って客席に言ったので張り切って「ナマステ~」と声出したら周りみんな静かで恥ずかしかったワ のごくらく地獄度 (total 1690 vs 1693 )



posted by スキップ at 23:20| Comment(4) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
早速のアップありがとうございます!ステキなプレお披露目みたいですね。
私はスカステでしか拝見できませんでしたがキラキラ感が溢れでてました。
そうそう!礼真琴ちゃんかっこよかったですねー
Posted by sissy at 2017年01月13日 07:43
♪sissyさま

とても明るく楽しいミュージカルに仕上がっていました。
星組らしいキラキラした雰囲気もよかったです。

礼真琴さんはほんとに素敵でした~(^^)v
Posted by スキップ at 2017年01月14日 00:35
たった今知っ他ばかりで、嬉しすぎて!阿弖流為礼真琴さんでするんですね!絶対行きます‼︎
Posted by sissy at 2017年01月14日 11:22
♪sissyさま

「阿弖流為」 私も昨日夕刻知ってちょっと腰が浮きかけました(笑)。

梅芸で「オーム・シャンティ・オーム」再演するだろうということは
ウワサにのぼっていましたが、こちらの情報は全く入ってこなかった
ので、本当に驚いてうれしかったです。

私も絶対観に行くつもりです。
楽しみですね!
Posted by スキップ at 2017年01月14日 12:38
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