
シリーズ全部観ていて、父と息子の葛藤をベースにしていた最初の作品「R2C2」がとても切なくて好きだったのですが、どんどん意味なくバカバカしい路線を突っ走るようになってるなぁ。
第1弾: メカロックオペラ 「R2C2」
第2弾: バカロックオペラバカ 「高校中パニック! 小激突!!」
パルコ・プロデュース 大パルコ人③
ステキロックオペラ 「サンバイザー兄弟」
作・演出: 宮藤官九郎
音楽: 上原子友康(怒髪天)
出演: 瑛太 増子直純(怒髪天) 三宅弘城 皆川猿時 清野菜名
少路勇介 よーかいくん 篠原悠伸 上川周作 宮藤官九郎 りょう
2016年12月9日(金) 7:00pm 森ノ宮ピロティホール H列下手
舞台は2033年の東京・池袋。
新しい年号が「素敵」と決まりその恩赦で、金目鯛次朗(増子直純)が釈放されることになり、舎弟の小鰭光(瑛太)が迎えにきます。光と一緒にやってきたセーラー服の少女
ぬめり(清野菜名)は、光が親代わりとなって育てた鯛次朗の娘でした・・・。
「東池袋の歌のうまいヤクザ サンバイザー兄弟の「兄弟愛」と「父娘愛」、そして西池袋の「ネオカラーギャング」との抗争を、怒髪天・上原子友康のオリジナル楽曲にのせて、賑やかに、楽しく、力いっぱいバカバカしく、描く」といううたい文句ですが、今となってはストーリーもすでに忘れ気味。
今回、音楽に怒髪天の上原子友康さん、主演に同じく怒髪天の増子直純さん(これが初舞台)を据えて、音楽重視?の布陣、とはいうものの、ロック方面に疎くて怒髪天も名前くらいしか知らない私にはふーん、そうなの、いう感じです。増子さんのヴォーカルが凄いのはわかりましたが。
上述したような物語はあるのですが、いろんな登場人物が入り乱れて、場面も寿司屋だったりボクシングリンクだったりバーだったり。
役者さんも特定の何人か以外は何役も兼ねていて、女装だったり裸だったり(笑)。
「頭空っぽにして、とりあえず迫力のライブ楽しんで、あとは笑え」と言われているような作品でした。
まぁ、楽しかったですけれど。
増子さんは台詞しゃべってるよる歌っている方が多かったんじゃない?という印象ですが、迫力の生演奏とヴォーカル。
ライブ1本聴いたくらいの重量感ありました。
あのスモーキーな歌声はクセになりそうです。
瑛太くんも歌いますが、意外にも・・と言っては失礼ながらとてもお上手でした。
瑛太くんはオープニングから一人幕外に出てきて小ネタやらされたり、客席降りして客いじりしたりで大奮闘。
これまで結構センシティブな役柄が多かったイメージでしたが、「え~、こんなことまで?」というようなことも飄々とやってのけて、明るい笑顔がひたすら可愛かったです。
りょうさんも1曲フルに歌っていました。
極妻ばりの拵えの龍野ウロ子。さすがの迫力でした。
ウロ子の台詞中に、「(チョメチョメを)いつかと楽しみにし過ぎて歌舞伎役者になった人もおる・・・いつかはチョメごろう」というのがあって爆笑したよね、(下ネタなんだけど)。
「マジかっ!」が口癖のちょっとおバカなぬめりちゃん 清野菜名さん。
「ライン(国境)の向こう」とあまりにも印象が違うので最初彼女だとわかりませんでした。
そんなおばかなぬめりちゃんがいきなり見せたカンフーばりのとび蹴りアクション、お見事でした。「髑髏城の七人 花」で沙霧にキャスティングされている清野さん。楽しみです。
そして、三宅弘城、皆川猿時の二人はもう、鉄板。
出てきただけで笑えるもん。
私が観た日は吉田メタルさんが客席にいらして、二幕冒頭の三宅マン(女装中)、そばまで行って 「Vamp Bamboo Burn おもしろかったよ」とかいじった挙句、「お姫様抱っこして」とせがんで抱っこしてもらっていました。
猿時さんは相変わらずホテルに風俗の人呼んだ話していましたが、地方に来るとそれってマストなのかな(笑)。
あと、脱ぎっぷりにしても何にしても、その徹底した潔さにはいつもながら感服。
客席には紙のサンバイザーが置いてあって、二幕で使うから組み立ててください、
と自分で組み立てる方式。
赤が兄、青が弟のでどちらかがランダムに置いてあるようでした。
そうだ、この感想を書いていてここまで来て「『サンバイザー』兄弟」だということを思い出しました の地獄度


