
そして改めて、やっぱりこちらの方が断然好き!と思った次第であります。
キャストについてはどうしても贔屓目が入ってしまうので控えるとして、やはり脚本と演出が秀逸だと思うのです。
ブロードウェイ版を観たことがありませんので、今回のガブリエル・バリー演出版がどれくらいオリジナルに近いのかよくわかりませんが、オリジナルに王太子救出劇を書き加えて、「ひとかけらの勇気」という名曲を生み出して、宝塚らしい華やかな場面も加えて、人海戦術も、セリや盆といった宝塚大劇場ならではの舞台機構も駆使した演出・・・
小池修一郎先生 やはり天才だと思います。
私が特に感じたのは以下の2点。
★パーシーの正体に気づいたマルグリット
救出されマリーの部屋に匿われていた王太子ルイ・シャルルに、「パーシーはいい人だから愛してあげて」と言われ、「この歌を教えてくれたんだ」と♪ひとかけらの勇気 をルイ・シャルルが歌ったことがきっかけでパーシーがスカーレット・ピンパーネルだとマルグリットが気づく宝塚版。
この後、ショーヴランにコメディフランセーズでロベスピエールの前で歌うことを強要されたマルグリットは革命を讃える歌ではなく、この歌を、と恐怖政治に苦しむ民衆を勇気づけるため、「ひとかけらの勇気」を高らかに歌いあげます。
ロベスピエール、ショーヴランの隣にはグラパン(実はパーシー)がいて、それを聴いているのです(ここ、映像ではマルグリットの歌を何ともいえない表情で聴くグラパンがアップになる)。
マルグリットが歌うステージと客席が回り舞台になっていて、マルグリットの歌に激怒して桟敷席を立って出て行くロベスピエール一行が舞台裏にまわるところまで見える演出もすばらしかったな。
★パーシーがマルグリットの本心を知る場面
ミュージカル版では、プリンスオブウェールズの舞踏会の裏庭でマルグリットが「ピンパーネル」を待っている時にパーシーが現れ、「顔を見ないで」と扇で隠させて本心を聞き出す、というものでしたが、いくら顔が見えないとはいえ、女優で歌手でもあるマルグリットが夫のパーシーの声がわからないのはいかにも不自然。
これに対して宝塚版は、マルグリットがショーヴランと言い争っているそばにグラパンがいて、彼女がショーヴランに対して言い放つ言葉を聴いて彼女の本心を理解するという設定。とても自然です。
この時のショーヴランが、「俺のことをスカーレット・ピンパーネルだとか言うんだ」とパーシーを馬鹿にしてマルグリットに話しながら、その自分の言葉で「パーシーがピンパーネルだ!」と気づくところもとても好き。
他にも「上手いなぁ」と思う演出や潤色が多々。
衣装も格段に華やかでセンスよくて、宝塚だからできる、ということもあると思いますが、
宝塚版はまさに、小池修一郎版「スカーレット・ピンパーネル」。

DVD発売された頃には買っていなくて、欲しくなった時にはDVDは完売で後から出たBDしか手に入らなかったのです(今は両方とも廃番)。
映像はどちらも2008年7月4日に宝塚大劇場で収録されたものだそうです。
来年の星組による再演も本当に楽しみ のごくらく度



スキップ様がご観劇された日に私の知人も行ってたのですがとても良かったけれどやはり初演の星組よねー!と言っておりました。
ショーブランがまこっちゃんと言う事もありチエさんの魅力に引き込まれたあの役をどの様に演じてくれるのだろうかと期待しています。
お友だちと全く同感です。
やはり初演の星組ですよねー(笑)。
紅ゆずるさんはパーシーは新人公演で演じた役でもあり似合いそうですね。
この星組版でピンパーネル団の一員としてチラリと出てくるのを観ていると、
この人がトップになってパーシーを、と何だか感概深いです。
ショーヴランはぜひ礼真琴さんで、と願っていましたのでこれも本当に楽しみです。