2016年09月25日

肉体の限りない可能性 「トーテム」


totem1.jpgシルク・ドゥ・ソレイユ「トーテム」は2010年の初演。
オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、オランダ、イギリス、アメリカ、シンガポールの7カ国33都市で400万人以上動員してきたのだそうです。
ありがたいことにご招待いただいて観てきました。
シルク・ドゥ・ソレイユ観るなんて、「サルティンバンコ」以来だわぁ~と調べてみたら2000年でした。
もう16年も前なの?
あの時もチケットいただいて当時は南港にできた特設会場に観に行ったなぁ。


シルク・ドゥ・ソレイユ 「トーテム」
2016年9月22日(木) 12:30pm 中之島ビッグトップ Dブロック11列



ラスベガスで大ヒット中の「KÀ」の演出家 ロベール・ルパージュの作品。
「トーテム」は「トーテムポール」から取った言葉で、人の好奇心・欲望・情熱を追い求め、人類の誕生から現在、そして未来へと数億年の旅を続ける、"不可能を可能にする人類の進化"をテーマにした壮大な物語なのだそうです。


開演前から客席にキャストが出てきて、話しかけたり握手したり写真撮ったり
ポップコーンばらまいたり(笑)
ステージの真ん中には大きな亀の甲羅のようなものがドーンとあります。
会場入口でも大きな亀が私たちを出迎えてくれましたが、亀は、地球上の
「生命の起源」の象徴なのだそうです。

IMG_8368.jpg


開演すると覆っていた布が取り払われて枠だけのスケルトンになり、これを使って体操の鉄棒のようなアトラクションが始まります。

「動物がいないサーカス」と言われるシルク・ドゥ・ソレイユ。
身体能力のずば抜けた高さはあるとしても、人間の肉体って鍛練すれはこんなこともできるようになるんだ、と、その限りない可能性にただただ感嘆する思いでした。


プロジェクションマッピングをふんだんに使い、森や水を表わしていて、その中で展開する物語。
先住民やビジネスマンが出てたり、カエルや魚たちになったり。

公式サイトにプログラムが画像つきで解説されていますので詳細は省きますが、特に印象に残ったシーンをいくつかピックアップ。


CARAPACE
カラペースとは、ステージ中央の大きな亀の甲羅のことで、これを鉄棒にして隙間を交差しながら飛び移るパフォーマンス。
2人が向かい合ってぐるんぐるん回りながら一方へ飛び移るとか、いきなり度肝を抜かれました。


FIXED TRAPEZE DUO
黄色いコスチュームを着た女性が舞台奥からザッブ~ンと急流すべりみたいに船で降りてきて(プロジェクションマッピングなのですが本当に急流すべりみたいに見える)、空中ブランコに乗った男の人とともに繰り広げるスリリングな空中技。
空中ブランコってシルク・ドゥ・ソレイユの得意技だと思いますが、かなりエロティック&ドラマティックでオトナな空中ブランコでした。


UNICYCLES WITH BOWLS
高さ2mの一輪車に乗った5人の女性が、一輪車をこいで動きながら金属製ボウルをジャグリングし、頭で受けるというもの。
足でボウルを投げ、手を使わず頭でキャッチするのですが、全員が一斉にやったり、一人のところへ集中して投げたり、一人が一度に4枚を投げて自分で受けたり。
少し取りこぼしもありましたが、全員がほぼ同じハイレベルでできないと成り立たないパフォーマンス。お見事でした。


RINGS TRIO
男性2人と女性1人による天井から降りるリング(体操のつり輪のようなもの)を使ってのパフォーマンス。
パフォーマンスそのものもすばらしかったですが、3人の鍛え上げられた筋肉が力強くて美しいこと。
3人とも地面に向かって頭から急降下する場面が何度かあったのですが、先日の「ピーターパン」での唯月ふうかちゃんの事故を思い出して、これって自分たちのスキルはもちろん、テクニカルの人たちのことも最大限に信頼していないとできないよなぁ、と思いました。


ROLLER SKATES
ローラー・スケートを履いた男女が、直径1.8メートルの小さな台座の上を超高速でスピードで回転、旋回します。
男性の首につけた輪っかのようなものに女性がつかまってぐるんぐるん回るやつ、凄かったです。


RUSSIAN BARS
平均台くらいの幅のしなる長いバー3本を使って、その上でまるで無重力空間を浮遊する宇宙飛行士のように軽々と宙を舞い、飛んだり跳ねたり飛び移ったり。
これは本当にオドロキの連続。
バーのしなりを利用してビューンと高く飛び上がってくるくる回転したかと思えばまたそのバーに正確に降りてくる(しかもそのバーは他のメンバーが持っている)って、人間 鍛えれば本当にあんなことができるようになるの?という思いでした。



鍛え抜かれたパフォーマーの肉体の美しさ。
幻想的でアーティスティックなステージ。
オリンピックの体操競技などとはまた違う、「魅せる」ことに重点を置いたエンターテインメント。
人間の限界に挑戦するかのような究極のアクロバット。
その肉体の躍動にとても感動しました。


IMG_6511.jpg

外から見たテントはこんな感じ。
サーカスっぽくってウキウキしちゃいます のごくらく度 (total 1635 vs 1640 )


posted by スキップ at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
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