
昨年観た「市川染五郎プレゼンツ 『歌舞伎座の秘密 ~忍入舞台裏染色~』(しのびいるうらはそめいろ)」がとても楽しかったので、「楽屋編」もぜひ観たいと思っていました。
とはいうものの、これ観るだけのために歌舞伎座まではなかなか出向けず、先日「義経千本桜」を通しで観た時にチャンス!とばかりに、一部と二部の間に5階まで駆け上がって観てきたのでした。
歌舞伎座ギャラリー特別映像
「歌舞伎座の秘密 楽屋編 ~定点観楽屋花菱~」
(さだめみるへやのはなびし)
2016年6月12日(日) 2:15pm 歌舞伎座ギャラリー
前回はたっつけを着て舞台裏や大道具を案内してくれた染五郎さんが今回はスーツ姿で楽屋のいろいろな場所を巡ります。
まずは楽屋口の着到板から。
あの着到板の並びってどういうふうに決められるのかしら。
この時は四月大歌舞伎の公演中で、染五郎さんと「幻想神空海」でコンビを組んだ松也くんの二人だけ独立した並びになっていました。
楽屋といっても役者さんの控室ばかりではなく、床山さんや衣装部屋や小道具部屋など、舞台には欠かせないいろんな部屋があって、そこでは様々な職人さんたちが、次の公演に向けて鬘を準備したり(ラスベガス公演の・・というものも)、小道具をつくったり、この公演で着用した衣装のお手入れをしたりしていらっしゃいました。
床山部屋が、立役用と女方用で部屋も別々になっているなんて、これを見るまで知らなかったな。
新しい歌舞伎座になってそれほど経っていないので建物内はどこも綺麗でしたが、廊下や階段にも今 舞台で演じられている音声がずっと聞えているのも興味深かったです。
歌舞伎座の舞台はとても広いですが、それと同じ広さの稽古場もありました。
名題下の役者さんたちの大部屋では、着替えやメイク途中の役者さんもいらして、「ちょっとギリギリの人もいますが・・」と染五郎さん(笑)。ま、半裸だったしね~。
名題下さんといえば、歌舞伎座の中にとんぼを練習する「とんぼ道場」があるのもオドロキ。
砂が敷き詰めてあるのですが、砂地が一番負担が少なくよい環境なのだそうです。
名題下さんがそこで実際にアクロバティックなとんぼも披露。
こちらにその画像が。
そしてハイライトは、染五郎さんの楽屋の「定点観測」。
染五郎さんの楽屋の1日を定点カメラで追うというものです。
まずは化粧前のご紹介。
鏡台はもちろん、鏡や化粧道具入れにも染五郎さんの花菱の紋が入っていて(まさに、定点観楽屋「花菱」ですね)、とても大切に使われいることが伺い知れます。化粧前がとても綺麗に整頓されていることにも驚きました。
「短い時間で化粧しながら片づけて、化粧が終わった時には道具も片付いているようにと教わってきた」
と染五郎さんはおっしゃっていました。見習わなくては

四月大歌舞伎公演中の撮影でしたので、「松寿操り三番叟」「不知火検校」「幻想神空海」のすべての役でメイクしたり楽屋に戻って着替えるところも。
「不知火検校」の生首の次郎では4回も衣装替えがあったということでしたが、楽屋に戻って姿見の前に立っても役のままの雰囲気を纏っているあたり、さすが役者さんだワと改めて。
そんなに忙しそうなのにこの役の時は少し時間に余裕もあったということで机の前で絵を描いたりしていらっしゃいました。
知っていることも知らないことも、みんな楽しくて20分あっという間でした。
まだまだ観ていたい感じ。
染五郎さんが案内するシリーズはこれが第2弾でしたが、ぜひ第3弾、第4弾と続けていただきたいです。
終演後、楽屋に挨拶にくる役者さんたちの中に爽やか笑顔の梅丸くん見つけたのもうれしかったな のごくらく度


