2016年04月27日

SWITCHインタビュー 達人達 「柚希礼音×上野水香」


NHK Eテレの「SWITCHインタビュー 達人達」
異なる分野で活躍する2人の“達人”が出会い、語り合い、番組の前半と後半でゲストとインタビュアーを「スイッチ」しながら、それぞれの「仕事の極意」について語り合い、発見し合うクロス×インタビューです。
私はこの番組が好きでよく見ていて、以前にもこのブログで「藤原竜也 × 長谷川穂積」の回をご紹介したことがあります。

今回は柚希礼音さんと上野水香さんということで、さらに楽しみにしていて、録画はもちろんのこと、ちゃんと間に合うように帰宅してリアルタイムでも視聴しました。


SWITCHインタビュー 達人達
「柚希礼音×上野水香」

出演: 柚希礼音  上野水香  柄本弾/語り: 吉田羊  六角精児
2016年4月23日(土) 10:00pm NHK Eテレ


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元宝塚トップスター柚希礼音と世界的バレエダンサー上野水香
「宝塚のレジェンドとバレエ界の宝石のぶっちゃけ女子トーク!?」
とサブタイトルがつけられた番組

女子トークというにはあまりにもアーティスティックなお二人でしたが、同世代であり、柚希さんもかつては将来を嘱望されたバレエダンサーだったこともあって、初対面とは思えないほど意気投合した自然体のトークはとても聴き応えがあり、1時間テレビの前に釘づけ。折々に挟まれる映像も楽しくて、録画は「永久保存決定!」となった充実の内容でした。

上野水香さんが柚希さんを指名する形で実現した企画。
柚希さんは、バレリーナとしてコンクールに出ていたころ、いつも上野さんが上位入賞していらしたそうで、「そんな上野さんが私を認識してくださっていたなんて」と感激のご様子でした。

前半は、「REON JACK」の稽古場を上野さんが訪ねて柚希さんにインタビュー。
ちょうど「REON JACK」で新しい柚希さんに出会った後でしたので、あの公演に臨むにあたり、そんなことを感じていたんだ、そんなふうに考えていたんだという率直な言葉を聴くことができて、とても興味深かったです。

どのお話もとても心に残るものでしたが、特に印象的だったのは、
「お芝居をやるようになってダンスがもっと好きになった」というお話。
バレエをやっていた頃はテクニック先行で「ここ(ハートを押さえて)で踊っていなかった」
という柚希さん。
宝塚に入って、最初はいやだったお芝居を勉強するようになって、踊りにも心が必要だということがわかり、ドラマ性のあるダンスが好きになったそうです。
これにはドラマ性のあるバレエがお得意の上野さんも「そうですねぇ」と強くうなづいていらっしゃいました。

もうひとつ
「(退団して)変わってショック受けられるのもイヤだし、かと言って進化したところもお見せしたいし。
いろんな面を出して最終的には『結局よかったね』と言ってもらえるように」という柚希さんの発言。

私は柚希さんにずっと男役のイメージのままでいてほしい思う方ではありませんが、男役として絶大な人気を誇っていた分、「女性」に戻った姿に少なからず抵抗を覚えるファンがいるのもまた事実。
そのあたりのバランスで悩むのはいかにもファン思いの柚希さんらしいです。
「REON JACK」のタンゴの場面にもその心情が現れているように思いました。
が、もう自分のやりたいことを好きなようにやっていいと思う!
柚希さんが本当にやりたいことをのびのびやって、ハッピーな笑顔を見せてくれることが私たちファンの幸せでもあります。

そんな葛藤とは別に、柚希さんは背がこれ以上のびないように牛乳絶対飲まなかったけど小柄だった上野さんは逆だった、とか、メイクのこと(もみあげがないと寂しいとか・・笑)、10時間睡眠とか、目一杯踊った後の歌(心が折れたら終わりという柚希さんに「心の問題?」と驚く上野さん)とか、ともに過酷な舞台に立つお二人ならではの会話もとてもおもしろかったです。

折々に流れる初舞台のロケットをはじめ、宝塚時代映像はどれも今となっては懐かしく胸キュンです。
あの2015年5月10日 東京公演千秋楽の真っ白な楽屋入りの映像は、ちょうど私が並んでいた場所が映ったこともあって、見ていて涙でちゃいました。


後半はアメリカ公演「ドン・キホーテ」をお稽古中の上野さんを柚希さんが東京バレエ団に訪ねる形。
東京バレエ団の映像初めて見ましたが、とても重厚な雰囲気。
憧れの場所で飾ってあるチュチュを見て「私も昔こんなん着てた~」という柚希さんカワイイ

上野水香さんのバレエは東京バレエ団50周年祝祭ガラでギエムがボレロ踊った時の公演で拝見したことがあります(記事を検索したらあの時も相手役は柄本弾さんでした)。
ピケターンの美しさに目を見張ったものですが、今回の稽古場映像もすばらしかったな。
パ・ド・ドゥとか32回転のグランフェッテとか本番さながら。

そして、モーリス・ベジャールさん自ら指導するボレロの練習風景。何と貴重な映像でしょう。
上野水香さんは日本人でただ一人「ボレロ」を踊ることが許されたバレエダンサー。
「東京バレエ団に入団して2日目にギエムのボレロのビデオを渡されて、これ見て覚えなさいと言われ、お稽古しているところを撮影してベジャールさんに送ったらOKが出て踊れることになった」なんていう天才エピソードを持つ人です。
「ボレロはギエムのもの」と思っている私ですが、上野さんのボレロが俄然観たくなりました。

ギエムといえば、上野さんがインタビュー中に履いていた足を冷やさないためのシューズの話題から、「昔ギエムのドキュメント見てた~」「私も!バスケットシューズのやつ~」と盛り上がる二人、バレエ少女時代に戻ったようで可愛かったです。

15歳でローザンヌ国際バレエコンクールで優勝してモナコのダンス・アカデミーに2年間留学、首席で卒業した経歴を持つ上野さん。海外をフィールドにすることもできたのに、「日本でバレエをやる」ことにこだわり、後に続く人たちへの道を拓こうという強い意志を持つ上野さん。カッコいいです。


「バレエ」「同世代」という共通点の他にも、今の上野水香さんのダンスパートナー柄本弾さんのお姉様が宝塚で星組だったことも今回発覚して、何かとご縁のある二人。
収録後、「REON JACK」をご覧になって楽屋を訪ねた上野さんが、「いつか何か一緒にできたらいいですね」とおっしゃっていましたが、本当にそんな日が来ることを心から楽しみに待ちたいと思います。


こちらにかなり詳しいレポが。

あんまりおもしろくて、もう3回もリピ見しちゃった のごくらく度 (total 1555 vs 1560 )


posted by スキップ at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | 更新情報をチェックする
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