2016年04月25日

星宙の指定席で 星組 「こうもり」/「THE ENTERTAINER!」


hoshi1604.jpg本日は宝塚大劇場 星組公演千秋楽。
おめでとうございます。
十輝いりすさんが大劇場を去る日でもありました。
ショー「THE ENTERTAINER!」のテーマソングの歌詞
   花開く春の夜
   月に輝く雪のようなキミ
   星宙の指定席で
・・・って、宙組で育って星組で輝く北翔さんと同じく、
十輝さんのことでもあるよう。

102期生が初舞台を踏んだ公演。
来るもの去るもの、宝塚の宿命とはいえ、悲喜こもごもの春です。

宝塚歌劇 星組j公演
MUSICAL 「こうもり」 ・・・こうもり博士の愉快な復讐劇・・・
-ヨハン・シュトラウス二世 オペレッタ「こうもり」より-
脚本・演出: 谷正純

ショー・スペクタキュラー 「THE ENTERTAINER!」
作・演出: 野口幸作
出演: 北翔海莉  紅ゆずる  礼真琴  妃海風  万里柚美  美稀千種  十輝いりす  壱城あずさ  七海ひろき  如月蓮  綺咲愛里/汝鳥伶  星条海斗 ほか

2016年4月3日(日) 3:00pm 宝塚大劇場 1階9列センター/
4月23日(土) 11:00am 1階21列センター


MUSICAL 「こうもり」 

19世紀後半のウィーン。
パーティの帰りに泥酔したファルケ博士(北翔海莉)と親友のアイゼンシュタイン侯爵(紅ゆずる)。
アイゼンシュタイン侯爵は妻怖さのため、ファルケを公園の女神像に縛りつけ、こうもりの扮装をさせて置き去りにして家に帰ってしまいます。
一夜が明け、「こうもり博士」と街中の笑いものになったファルケ博士はアイゼンシュタインに復讐を、それも”愉快な”復讐を計画します。

原作はヨハン・シュトラウスの最高傑作とも言われるオペレッタ。
2011年に佐渡裕さん指揮で観ました。
あの時は開演前と幕間にもシャンパン飲んで、終演後には佐渡さんにサインしていただいてツーショットも撮って、もちろん舞台もとびきり楽しかったなぁ、と懐かしくも幸せな思い出。


基本的なストーリーや登場人物は原作通りながら、宝塚版はファルケ博士を主役に置いて、アイゼンシュタイン侯爵家の侍女 アデーレ(妃海風)をその恋のお相手に、アイゼンシュタイン夫人の元恋人アルフレード(礼真琴)をアイゼンシュタイン侯爵家の執事に設定。
ヨハン・シュトラウスの楽曲もふんだんに、華やかな舞踏会のシーンを中心に据えて、明るいミュージカルに仕上がっていました。

台詞が少なく、歌で綴られる場面が続きますが、北翔さんを筆頭に、礼さん、妃海さんと歌唱力に定評のあるキャストがステキな声を響かせ、紅さんも(こう言っては失礼ながら)驚くくらい歌が上手くなっていて、「シャンパンの歌」をはじめとするコーラスも星組全体でとてもがんばっていて、見応え聴き応えありました。

が、ファルケ博士を主役にしたために、物語としては些か中途半端な感じになっちゃったかなぁ。
アデーレとの恋も唐突感が否めませんし、何より「復讐劇」が最後バタバタでよくわからない感じです。
アイゼンシュタイン本人以外の周り全員がファルケ側の人間でみんなで騙したということなのだけれども、アイゼンシュタイン、そんなにギャフンと言わされたっけ?(笑)
ま、それを含めての祝祭劇ともいえますが。

まさにこの人のための企画かなと思われる北翔海莉さんはたくさんの楽曲をのびやかに歌って、
本当に聴き惚れます。
冒頭の酔っぱらい演技も紅さんともども楽しい。
ただ、ファルケ博士はどうしても狂言回し的な印象になってしまうので、このオペレッタの主役はやはりアイゼンシュタイン侯爵なのではないかと。

そのアイゼンシュタイン侯爵は紅ゆずるさん。
先述したように、歌の上達ぶりに目を見張りました。
酔っぱらいやコメディ的な演技は元々お得意で北翔さんと堂々渡り合っていますし、女ったらしで自分勝手でいい加減だけど憎めない可愛いらしさがあって、下品にもならずちゃんと侯爵に見えるところも◯。

アデーレの妃海風さんは歌唱力にますます磨きがかかり、女性のオペラ部門を一人で担っている感じ。
高音でもキンキンしない滑らかな声はとても耳に心地いい。
舞踏会でドレスアップした姿より最初のメイド服の方が可愛くてよく似合っていたのはご愛嬌かな。

そして、ワタシはやっぱりこの歌声が好きだ~と思わせてくれた礼真琴さん。
ドタバタ続きでちょっとウトッとなった時も(コラ!)、礼くんの歌声が聞こえてくるとパチッと目が覚めます。
本当にいい声で、緩急もあって歌うまいなと改めて思いました。
ご主人のことを思いながらもちょっと要領のいい執事で、そんな茶目っ気もイキイキ演じていました。

舞踏会までに主な役も役者さんたちも登場してしまったので、「オルロフスキー公爵って誰がやるの?まだ誰かいたっけ?」と思いながら観ていたら、星条海斗さんでした。あ、出てたのね(笑)。
元々目立つ風貌ですし、押し出しも立派。金髪に赤い軍服、似合い過ぎです。
いささか芝居がかり過ぎかなという演技もこの作品、この役にはよくハマっていました。

他に目立っていたのは、いい加減な(?)イケメン弁護士ブリントの七海ひろきさん、
ちょっとトボけた刑務所長フランクの十輝いりすさん、アイゼンシュタインとフランクがお熱を上げる踊り子イーダの綺咲愛里さん、といったところでしょうか。
今キャスト表見たら、「イーダ(アデーレの妹)」と書いてありましたが、そうだったの!?
あと、ファルケ博士の4人の助手(十碧れいや・麻央侑希・瀬央ゆりあ・紫藤りゅう)が揃って長身イケメンで、ファルケ博士が「銅像に縛り付けられて・・」というたびに瀬央くんアルゴンが「大理石ですっ!!」とキレるのが科学者らしいこだわりで面白かったです。


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ショー・スペクタキュラー 「THE ENTERTAINER!」

日常を忘れさせ、観客に最高の感動を与える者「ENTERTAINER」をテーマに、ジャズ・クラシック・ポップスなど様々な名曲を現代的にアレンジし、心躍る場面の数々で構成した新時代のエンターテインメント・ショー。
野口幸作先生 宝塚大劇場デビュー作です。

THE ENTERTAINER って北翔さんのこと?というくらい、ザ・北翔海莉なショーでした。
歌はもちろん、ダンス、タップ、ロケット、ピアノの弾き語り、紅い薔薇を客席に手渡し、コメディタッチの三変化まで、いろんな北翔海莉を存分に楽しませてくれます。

Entertainerという曲は、映画「スティング」のテーマにも使われた曲で、あの映画が大好きなワタシとしましては、タタ タタン タタンタタ~ン♪というイントロ流れるだけでもれなくポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの顔が浮かぶというね(笑)。
ゴンドラに乗って登場した北翔さんがこの曲歌うだけでテンション上がりますし、この曲で初舞台生ロケットなんて感涙モノでした。

そのロケットは、華やかなプロローグが終わった後。
紅ゆずるさんが一人銀橋に残って歌います。
初舞台生へのエールのような曲、紅さんの笑顔、ステキだったな。
そうしている間に大階段に102期生が「102」の人文字を描いて登場。
目一杯の笑顔で、精一杯脚を上げて・・・初舞台生のロケットは毎年のことながら感動でウルウル。

場面は一転して、ブロードウェイのスターを目指すミッチェル(北翔)がオーディションを受ける場面。
ここからメタモルフォーゼ、そしてスパニッシュに至る場面がこのショーの中で一番お気に入り。

まずオーディションの振付家カイルこと七海ひろきさんがクールでカッコイイ。
ここでタップ踏むミッチェルに怒ってオーディション中止して帰ってしまうカイル先生。
何とも・・なミッチェルの服装見て、「一つひとつは可愛いのになんで全部着ちゃったの」と言ってました。

自分にはやっぱり無理だと落ち込むミッチェル。
突然、トレーナーの胸についた星が輝き始めて、現れる大女(!)2人。流行りのドラァグクイーン?!って感じですかね(笑)
イリス・マーベラス(十輝)&マギー・ワンダフル(星条)←美脚。
心に☆を持つ者の前だけに現れる女神の導きで、レッスンを受けることになるミッチェル。

1時間目: クールダンサー・Ray(礼)のダンスレッスン
2時間目: シスター・ディーヴァ・Fu(妃海)のヴォーカルレッスン
3時間目: Benny・カメレオン(紅)の男の美学レッスン・・・ここ、ちょっとコント&アドリブのお遊びコーナー

そして見事エンタテインメント力を身につけたミッチェルが主演に抜擢されたショーへと雪崩れ込み、
それまでのダサダサとは一転 超クールなマタドールスタイルのミッチェル登場です。カッコイイ!
中詰のスパニッシュの場面では客席降り
1回目に観た時、私の席横に来て笑顔ふりまいてくれたのは如月蓮さん。
ロミジュリ、DDに続いて三度目。不思議とれんたくんとご縁があります。
2回目はマギーさんと万里組長でした。

後半の目玉はtailcoat ロケット。
男役は黒燕尾で、娘役も黒燕尾ダルマで、いろいろフォーメションを変えながら踊る103人のロケット。
圧巻です。
最後には横一列で脚を上げます。もちろん北翔さんも妃海さんも礼くんも。脚よく上がっていました。

北翔さんピアノ弾き語りで「わたしには翼があると教えてくれたのはあなたでした・・・」と歌った後、
紅さん中心に「BLUE ROSEの花言葉は"Dream Come True"」と歌う場面があって、
もう一つの目玉、アイドル場面(笑)。
ASYの「S.T.A.R.S.」をテクノっぽくアレンジした曲を瀬央ゆりあさん皮切りに男役スターユニット STARS11が歌い継ぎ踊る場面。
ここ、ラストに舞台奥から登場する礼真琴くんの大物感ときたら。
まだ前でみんな踊っている時に上手から出てきてスタンバイする、照明もあたっていないシルエットからすでにカッコイイもん。ますます男に磨きがかかりましたね。
そして何でしょ、礼くんが歌い出すととてつもない安心感(笑)。

お芝居、ショーを通じて北翔さんの縦横無尽ぶり、礼真琴さんの歌の上手さ、声のよさが際立っていたことと、そして、「何、あの人イケメン!」と思ってオペラ上げるとそこには必ず七海ひろきさんがいた、というのが印象に残っています。


正直言うとお2回目お芝居観た時はちょっぴり意識遠のきました の地獄度 (total 1554 vs 1559 )


posted by スキップ at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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