2016年01月27日

新春浅草歌舞伎 第2部

IMG_0604.jpg新春浅草歌舞伎。
チケット取る時に第1部から順番に取っていたら第2部はもうあまり食指の動く席がなくて、それならいっそのこと3階でいいやと三等席を取った(3,000円。安っ!)のですが、演目としては第2部の方が断然見応えありました。


新春浅草歌舞伎 第2部
2016年1月17日(日) 3:00pm 浅草公会堂 3階へ列センター



お年玉〈年始ご挨拶〉: 中村国生

2部のご挨拶は国生くん。
最年少で、おそらく浅草で年始ご挨拶をするのも初めてだと思いますが、ハキハキしっかり勤めていらっしゃいました。
この秋のお父様の芝翫襲名、ならびにご自身の橋之助、弟さんたちの襲名にもちゃんと言及してぬかりなし。


一、歌舞伎十八番の内 毛抜
出演: 坂東巳之助  坂東新悟  中村隼人  中村鶴松  中村国生  中村米吉  中村錦之助 ほか


御家騒動を背景に粂寺弾正が、姫の髪の毛が逆立つ奇病などの謎を暴いていく、成田屋十八番の荒事。楽しい演目です。

頭が良くて腕も立つ、豪放磊落で、腰元にも見目麗しい若衆にも色目をつかう、男女両刀づかい?のヒーロー 粂寺弾正に挑むのは坂東巳之助くん。
もともと声のよい人ですが、さらに声を張って堂々の台詞。
いく分、力入り過ぎな感じも否めませんが、愛嬌もあって、表情豊か。
のびのび楽しそうに見えるのはすばらしいことと思います。
ずいぶん前に三津五郎さんの弾正を観たことが思い出されてうったらーっ(汗)となりそうでしたが、巳之助くんの明るさに救われた思い。
歳を重ねて、ここに色気が加わるようになることを楽しみにしたいです。

その弾正にちょっかい出される(笑)秀太郎は米吉くん。
お稚児さんのように可愛らしい若衆ぶりで、そり弾正でなくても・・と思いました(違)。
言い寄る弾正に怒って、プイッと横を向いて去っていく姿も何とも言えずキュートでした。

もう一人言い寄られる腰元巻絹の新悟くん。
新悟くんはここでもよかったな。
クールビューティ。「ビビビビ」の台詞もキマっていました。

髪の毛が逆立つお姫様 錦の前が誰だろう、誰だろうと思いながら観ていたのですが、後で鶴松くんだと知りました。
どおりで台詞しっかりしていたはずです。
もう一人、悪役の八剱玄蕃の人がうまいなぁと思っていたら、橋吾さんだったのですね。
そりゃ達者なはずですワ。二、義経千本桜 川連法眼館の場
出演: 尾上松也  中村隼人  中村国生  坂東巳之助  坂東新悟 ほか


初音の鼓の皮となった親を恋い慕う狐の子が、源義経の家臣 佐藤忠信に化けて鼓を預かる静御前につき従い、やがて正体が知れて、兄に見捨てられた義経が狐の情愛に心を動かされて・・・というお話。

通称「四の切」。
佐藤忠信・源九郎狐という大役に挑むのは尾上松也くん。
音羽屋型の狐忠信です。


大好きな演目で、音羽屋型はもちろん、澤瀉屋型も、中村屋さんでも文楽でも、と何度も観ているので自然と点数が辛くなってしまうのですが、松也くんはじめ皆さん大健闘だったと思います。

松也くんは凛々しく重厚な忠信から、初音の鼓を一途に慕い、母への情愛を見せる子狐、義経からその鼓を賜って体中で喜びを表す姿まで、細やかに演じ分けていました。
元より声も台詞もよい人で、狐言葉も自然にこなしていて感心。
ただ、動きとなるとまだ鍛錬が必要のようにお見受けしました。
猿之助さんや勘九郎さんと比べるのは酷というものですが、もっと軽さが欲しいところ。
百回りなんて、スローモーションのように見えちゃったもの。

隼人くんの義経、新悟くんの静御前は二人とも美しく、並びのバランスもよくて、声もよく通り、まとまっていました。
これは最初に登場した巳之助くん亀井六郎、国生くん駿河次郎にもあてはまって、全員でこの幕を盛り立てた印象です。


IMG_9358.jpg米吉くんは出ていませんでしたが、このメンバーだけで「四の切」を演じきったことは彼らにとって自信にも今後の糧にもなったと思います。
心から拍手を贈りたいです。



いろいろ足らないことも含めて浅草歌舞伎 のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1506 わーい(嬉しい顔) vs 1507 ふらふら)
posted by スキップ at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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