
映像含めて福田雄一さんの作品はワタシ的に当たり外れが大きいというところが唯一の気がかり。
シス・カンパニー公演 「才原警部の終わらない明日」
作・演出: 福田雄一
出演: 堤真一 勝地涼 清水富美加 鈴木浩介
上地春奈 池谷のぶえ 志賀廣太郎 小池栄子
2016年1月9日(土) 7:00pm シアター・ドラマシティ
3列センター
ある政府高官の令嬢が誘拐され、犯人から要求された身代金の期限は24時間。
警視庁の敏腕女性刑事 吉崎りえ(小池栄子)はインターポールから派遣された伝説の警部・才原章一郎(堤真一)とコンビを組んで捜査にあたることになります。才原は「サイバラズ5」というプロフェッショナル集団?を率いていました。
・・・というストーリーは一応あるのですが、物語そのものを楽しむというより、カリカチュアライズされたコントの積み重ねで笑いを取っていく、という・・コメディというよりコント集のような印象。
冒頭の登場から三代目の「R.Y.U.S.E.I.」のダンス踊ったり、終始イキイキ楽しそうな堤さんを目いっぱい楽しむことができます。事実楽しかったしよく笑いました。
だけど。
私は決してコメディが嫌いという訳ではありませんが、まずはストーリーありき。
「ドラマの中に散りばめられた笑い」は好きだけど「単なる笑いの羅列」は苦手と自覚した次第。
そんなこと言うと「七年ぶりの恋人」はどーなの?と言われそうですが、あれは最初からドラマを放棄しているし(笑)。
どの場面も笑わせよう、笑わせようという意図がてんこ盛り。
一見主筋に関係ないと思わせたオーディションの場面が最後のオチにつながるあたり、鮮やかなのですが、あまりにも盛り過ぎちゃったために埋もれてしまった観があります。
最後につながる場面としては「ブラックジャック」も。
あの飛行機の中で、ブラックジャックが登場すると同時にそれまで新聞を読むテイで顔を隠していた乗客がおもむろに新聞をおろすとピノコだというあたりもなかなかやってくれますし、その時の治療費「5億円」が最後になって効いてくるところもさすが緻密に計算されている感じ。いろいろなネタの中で私が一番笑ったのは、「わーはっはっ、わーはっはっ」と皆で肩を揺らして笑った時に犯人が「大阪の劇団みたいなギャグやめろ」と言った時。
某舞台のあの場面がありありと目に浮かんだものね~。
でも、これって、知らない人にはちっともおかしくない訳で、ミュージカルの演出家にまつわるあれこれ然り。内輪受けというか、「それを知っている人だけおもしろい」笑いが多かったなという印象も受けました。
堤真一さんはダンスで息を切らしながらも楽しそうだし、 美しい着物姿やCAや、ツッコミもボケも何でもござれで大活躍の小池栄子さん、ある時はただ見つめる家政婦、ある時は娘を誘拐されてうろたえる母とパワフルな池谷のぶえさんの女優2トップは鉄板だし、「イケメンとしてはビミョー」であろうが勝地涼くんは大好きだし、変幻自在な鈴木浩介さん、魅惑の低音ヴォイスの志賀廣太郎さん・・と役者は揃っています。
なのに何でしょう、「私が観たかったのはこんなのじゃ・・・」という感じ。
プログラム売場に掲示してあったの画像。珍しく撮影禁止ではありませんでした。
(かといってここにアップしていいものかどうかわかりませんが。しかもプログラム買ってないし。)


通路側の席だったのでフィナーレで勝地涼くんが横を通った時、ヅカの客席降りのノリでついハイタッチの手出しそうになって、危うく自制しましたっ


