
お芝居、ショーともに台湾公演を意識した演出です。
宝塚歌劇 花組公演
宝塚グランドロマン 「ベルサイユのばら
—フェルゼンとマリー・アントワネット編—」
~池田理代子原作 「ベルサイユのばら」より~
脚本・演出: 植田紳爾
演出: 谷正純
レヴューロマン 「宝塚幻想曲」
(タカラヅカ ファンタジア)
作・演出: 稲葉太地
出演: 明日海りお 花乃まりあ 高翔みず希 瀬戸かずや 鳳真由
芹香斗亜 柚香光/汝鳥伶 美穂圭子 ほか
2015年7月12日(日) 12:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階26列下手
「ベルサイユのばら」
幕開き。
小公子、小公女が並ぶいつもの見慣れたセットに見慣れぬ漢字 「凡爾賽玫瑰」。
「ベルサイユのばら」と中国語で書かれているのでした。
♪ご覧なさい ご覧なさい ベルサイユのばぁぁぁら~ も最初のフレーズは中国語で歌っていました。
おー、台湾公演。
・・・という感じがしたのはここまで。
あとはフツーに「ベルサイユのばら」が展開。
「フェルゼンとマリー・アントワネット編」ということで、 昨年8月 同じ梅芸で観た宙組「ベルサイユのばら」が基本になっているのかなと思ったのですが、花組が先に中日劇場でやっていましたね(観ていないので忘れてた

「フェルゼン編・・」って「オスカルとアンドレ編」に比べたら些か地味になりがち。
な上に、通常1本立てで上演するものをフィナーレなしとはいえ1時間40分におさめているので、かなり端折っている印象。
にもかかわらず、メルシー伯爵がフェルゼンを訪ねて身を引くよう促す、動きが少ない二人の長い台詞の場面は延々カットなし(いや、大事な場面とはわかっていますけれども)。
台湾で「ベルサイユのばら」がどれくらい浸透しているのか知らないのですが、これ、楽しんでいただけるのかちょっぴり不安。明日海りおさんは、イメージとしてはオスカル役者だと思うのですが、フェルゼンも、品があって美しいし、静かな中に情熱を秘めている感じがとてもよかったです。
ベルサイユ宮のアントワネットとのボートの場面は夢見るように綺麗でした。歌もさすがに上手くて聴き応えあります。
花乃まりあさんもどちらかといえばニンではないアントワネットをよくがんばっていたと思います。
声もよく通るし、王妃としての矜持を自覚した後の凛とした佇まいはよかったです。
大劇場公演「カリスタ・・」の時にも感じたのですが、もう少し台詞、芝居に緩急というか、強く言うばかりでない部分も欲しいところではあります。
オスカルは柚香光さん。
あの髪型や軍服の似合いっぷり、美しさは申し分なく、それだけに、声や発声がどうしても残念な感じ。アンドレを失ってからのバスティーユの場面は迫力あってとてもよかったです。
アンドレは芹香斗亜さん。
この公演では「今宵一夜」をはじめ、オスカルとアンドレの場面はかなり省かれていますが、アンドレがオスカルのことをずっと思い続けているということがわかるシーン、台詞はあったかな?
ま、みんな知っていますが(笑)。台湾の人たちも知ってるのかな。フェルゼンがアンドレに「オスカルは君が守れ」みたいに言う場面はありましたね。
・・・というのはさておき、芹香さんアンドレの唯一の見せ場、銃弾に倒れるシーンはなかなかの迫力でした。
ベルナールの瀬戸かずやさんが、今回の配役の中では一番ハマっていたのではないかしら。
カッコよかったし、大人の分別が見えました。
寄り添うロザリーの城妃美伶さんはお芝居も歌もうまいし顔もかわいいのだけど・・・。
「宝塚幻想曲」(タカラヅカ ファンタジア)
4月に大劇場で上演されたショーをバウホール組を除いた39人で上演。
大劇場で観た時から楽しいショーでしたが、人数少なくなったとは思えなくらい華やかでシャープで心躍るショーでした。
目玉は後半の2シーン。
① 現在就是永遠(今こそ永遠)
芹香斗亜 瀬戸かずや 鳳真由 柚香光 の4人が台湾のアイドルユニット 五月天のヒット曲「OAOA」(オエオエ)を歌い踊ります。
曲がいかにもアイドルっぽくてノリノリな上に、4人が客席通路を縦横に行き来するものだから、盛り上がるなんてものではありません。
私の席なんて、梅芸自分史上最後列っていう後ろ(26列って席探してて、25列までしかないじゃん!と思ったら真ん中あたりだけ26列目があったというね)だったけれど、それでも瀬戸かずやさんがかなり近くまで来てくれた時には思わず手を振ったよね。
客席降りはこの他にも明日海さん単独や、中詰めでは男役娘役大挙して2つの通路で歌い踊ってくれたり、台湾でも盛り上がること必至です。
②望春風~さくら幻想曲
台湾のヒット曲(「望春風」というらしい)を明日海さんが中国語で。
こちらはしっとりと聴かせる感じ。
あとやっぱり 「さくら幻想曲」
津軽三味線と和太鼓でロックアレンジの♪さくらさくらに乗せた黒燕尾の男役群舞。
躍動感あふれる群舞でフォーメーション見せたり、一人ひとり飛んだりターンしたり違う動きを見せたり。
ほんとに目がいくつあっても足りないくらいで疾走感も高揚感もこれでもか、というくらい。
これは台湾のファンの方も盛り上がって喜んでいただけるのではないかしら。
ここまでかなり踊って消耗していると思うので、次のデュエダンのリフトではやっぱり手に汗にぎってしまう。
いや、ちゃんとできていますし綺麗なのですが、つい「みりおちゃん、大きなかのちゃんリフトして大丈夫かな」と思ってしまうのです。ごめんなさい。
この日、フィナーレで階段降りて正面でお辞儀した時、明日海さんちょっとバランス崩して右脚一歩出してました。お疲れでしょうか。
宝塚を代表して、暑い中の台湾公演。
心身ともにプレッシャーは大きいと思いますが、どうか皆さんお体に気をつけて、無事千秋楽を迎えられますように。
実は「ベルばら」でちょっと意識を失ったことはヒミツです の地獄度


