
2003年に星組の湖月わたるさん主演で上演されて以来、12年ぶりの再演です。
6月5日の初日に先立って、前夜祭が開催されました。
宝塚の公演で前夜祭が開催されるのは、2011年星組「ノバ・ボザ・ノバ」以来なのだそうです。
有り難くも友の会先行に当選して、張り切って行ってきました。
宝塚歌劇宙組公演
「王家に捧ぐ歌」 -オペラ「アイーダ」より- 前夜祭
脚本・演出: 木村信司
出演: 朝夏まなと 実咲凛音 真風涼帆 寿つかさ 澄輝さやと 愛月ひかる
蒼羽りく 桜木みなと 伶美うらら/一樹千尋 箙かおる
<ゲスト> 湖月わたる 安蘭けい 檀れい
2015年5月18日(月) 6:30pm 宝塚大劇場 1階18列下手
劇場ロビーには小川理事長はじめ歌劇団幹部と思しきスーツ姿の人たちが多数お出迎え。
いつもとはちょっと違った雰囲気。
座席には、カッコイイ朝夏さんラダメスのクリアファイルに入ったプログラムが置かれていました。
1.王家ダイジェスト
幕が上がると一人せり上がってくる長髪の人物。
「朝夏さんかな」と思ってオペラ上げると真風涼帆くんでした。
「愚かなのは俺だった・・」というウバルドの言葉で始まった前夜祭。
5月10日まで星組公演に出ていた真風くん。
1週間前に組替えになって
5日前からお稽古に合流して
もう立派に宙組の二番手として存在感を示していて
それがとても頼もしくて 誇らしくて
だけどちょっぴり寂しくもあって
時は確かに流れているのだなぁと感じた幕開き。「蘇る魂」を全員で歌って、二幕冒頭のアムネリスとラダメスのシーンから「月の満ちる頃まで」を現役出演者全員のダイジェストで。
緊張のためか、まだお稽古途上のためか、歌は不安定な人もいましたが、本番さながらの衣装とセット。ゴージャスでした。
朝夏さんラダメスは、初演の湖月わたるさんの漢ラダメスと比べるとソフトで都会的な印象。
繊細で、とてもやさしそうです。
実咲さんのアイーダは、伶美うららさんのアムネリスは・・・
と、それぞれの役については思うところもありますが、ネタバレにもなりますので本番開幕のお楽しみということで。
2.ゲストトーク
寿つかさ組長の司会で、初演のラダメス(湖月わたる)、アイーダ(安蘭けい)、アムネリス(檀れい)の3人をゲストに迎えてのトークコーナー。
すっしー組長、黒のジャケットの襟と袖口にカラフルなラインストーンで縁取りがしてあって可愛いお洋服だったな。
幕が上がるとズラリと並ぶ全出演者。
ブルー系のブラウスに白いパンツをパイソン柄ブーツにインした湖月さん、スリットの入った大人っぽいスレンダーな白いドレスの安蘭さん、濃いローズピンクのベアトップのプリンセスラインドレスの檀れいさん。
いずれも華やかで艶やか。わたるさんなんて、今も現役感バリバリです。
まずはお一人ずつ自己紹介を兼ねたご挨拶。
この内容は、公式サイトにアップされています。 → こちら
トークはOG3人が楽しそうによくしゃべって盛り上げてくれました。
フリーダムに話しているようで、朝夏さんに話を振ったり、気遣いを忘れないわたるさん。
最後まで「楽しかったね~」と言って本当に楽しく幸せそうだった檀ちゃん。
そんな二人に一歩引いてる風で、ときどき雑な(笑)ツッコミを入れるトウコさん。
それにしても湖月わたるさんのオトコマエっぷりが際立っていました。
何かにつけて朝夏さんに話を振ったり、自分の歌の後、銀橋から舞台に戻ってまず朝夏さんに近寄って肩組んだり、最後のご挨拶も「ほら、あなた話して」と朝夏さんを立てて、ご自分のご挨拶でも「何よりも宙組の王家よろしくお願いします」と頭下げて・・・
本当にステキな先輩っぷりに涙出そうでした。
「アレよかったよね、アレ!」とラダメスがアムネリスに迫られるシーンを再現したがるわたるさんに、檀ちゃんもノリノリで立ち上がって迫るポーズをキメていました。
「あの時、いい匂いがしたのよ。何かつけてた?」と、当時のことを本当に楽しそうに話すわたるさん。
ここ、朝夏さんは舞台前方にしゃがみ込んで、前からガン見していました。
伶美さんにも「見てみ」みたいな感じで手招きしたり。
その伶美さんも立ち上がって覗き込んでいて可愛いかったな。
わたるさん、安蘭けいさんには、「アレやってアレ!さっき袖でやったじゃん!」と。
トウコさん、「恥ずかしい」と散々照れながら、「それだけの男を愛したのか、あなたは」というラダメスの言葉に銀橋走って近づいて首をブンブン振るところを。
可愛いかったぁ~。
初演時にわたるさんラダメスが使っていた剣が出てきて、
「こんなに大きかったんだねぇ」と改めて驚くわたるさんと朝夏さん。
その剣をシャキーン!と振り上げてポーズ決めるわたるさんがホント、
今すぐまたラダメスやれるんじゃない?というくらいカッコよくてね。
そこに、「それ船のアレでしょ?」と、櫂みたいだとボソッとツッコむとうこさん(笑)。
朝夏さんも同じようにキメて、「フレッシュ!フレッシュ!」とわたるさんに拍手されていました。
そしてその後は「初めての共同作業」とかチャチャ入れられながら、わたるさんの持つ鞘に剣を収める朝夏さん。
衣装も重くて体力が必要という話から、
檀れいさんは500グラム位ずつ痩せていったので、毎日すみれキッチンで卵かけごはん食べていたそうです。
伶美さんに、「パンじゃダメよ。ごはん!」とキッパリおっしゃっていました。
わたるさんは、「ラダメスは朝から肉でお願いします」と(笑)。
安蘭けいさんが「パパたちが全然変わらなくて」と繰り返しおっしゃっていたのも印象的。
12年前と同じ役をやる一樹千尋さんアモナスロと箙かおるさんファラオ。
あの人たちに時間軸はないな。
一樹さんなんて自己紹介の時、「鳩ちゃんと戻ってまいりましたぁ~」ってハイテンションだったもん。
箙さんが12年前に使っていた金の粉が出てきて、「それをゆうり(伶美さん)にバァーッと振りかけた」とおっしゃると、「腐ってなかった?」とツッコむトウコさん(笑)。
12年前の星組は湖月わたるさんのトップお披露目公演。
「エジプトとエチオピアに分かれていても、組として一つにまとまってどんどん熱気が上がって行った」という檀ちゃん。
「今回もお披露目だから、状況は似てるよね」と朝夏さんに温かくおっしゃるわたるさん。
3.卒業生歌唱披露
まずは真風さん中心に、澄輝・愛月・蒼羽・桜木で「お前は奴隷」フィナーレバージョンから。
衣装も着替えていて、フィナーレ こんなふうになるのね。
ここでも真風がしっかりセンターで立派な二番手で(涙)。
黒塗りのメイクもさすが星組出身だけあって一番映えてました。
その後はそれぞれソロで、
檀れい 「ファラオの娘だから」
安蘭けい 「アイーダの信念」
湖月わたる 「世界に求む」
トウコさんの歌唱がすばらしいのはもちろん、
わたるさんも檀ちゃんも現役の時よりずっと声が出ている印象。
檀ちゃんはトークの時よりゴージャスな金のネックレスと腕輪をプラスして
アムネリス風にしてきた娘役の心意気。
4.フィナーレ
最後は全員で「世界に求む」を歌い上げ、ラストのアムネリスのセリフを、
アムネリス→ウバルド→アイーダ→ラダメス→全員 と言い継いで幕。
カーテンコールの後も拍手は鳴り止まず、
朝夏さん先頭にOG3人が再度幕前に出て来てくださいました。
約1時間の前夜祭でしたが、とても楽しく充実。
12年の時を紡ぎ、星組から宙組へと受け継がれる「王家に捧ぐ歌」。
宝塚はひとつだなぁと改めて感じました。
6月5日の開幕が待ち遠しい のごくらく度


