2015年04月16日

新生花組誕生 「カリスタの海に抱かれて/宝塚幻想曲」

karista.jpg明日海りおさんの相手役に花乃まりあさんを迎えて、新しいトップコンビ大劇場お披露目となった花組公演。
二番手・芹香斗亜、三番手・柚香光 という体制も明確になって、新生花組誕生という趣き。

宝塚歌劇 花組公演
ミュージカル 「カリスタの海に抱かれて」 
作: 大石静 
演出: 石田昌也

レヴューロマン 「宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)」
作・演出: 稲葉太地
出演: 明日海りお  花乃まりあ  芹香斗亜  柚香光  
瀬戸かずや  鳳真由  伝真みちる  鳳月杏  桜咲彩花  仙名彩世  水美舞斗/美穂圭子 ほか

2015年4月5日(日) 11:00am  宝塚大劇場 1階8列センター
   


「カリスタの海に抱かれて」 

脚本家の大石静さんが花組のために書き下ろしたオリジナルミュージカル。
大石さんが宝塚歌劇の脚本を書くのは2011年 宙組の「美しき生涯」以来2本目。
あの時も演出は石田先生で、併演のショーは稲葉太地先生だったなぁ。


舞台は18世紀後半 フランス革命でナポレオンが台頭した頃の地中海の架空の島 カリスタ島。
独立運動の機運が高まるこの島で、島の英雄 アルドが処刑された日に生まれた二人の青年カルロ(明日海りお)とロベルト(芹香斗亜)。
ロベルトは英雄の跡を継ぐものという重圧と闘いながら、島のレジスタンス運動のリーダーとして若者たちを束ねていました。
一方、アルドを裏切った男エンリコの息子カルロは両親とともにフランスに渡り、フランス軍将校シャルルとなって、20年ぶりにカリスタ島へ帰ってきました。
ロベルトの許嫁アリシア(花乃まりあ)はカルロと出会い・・・。

独立運動あり、「親友の彼女好きになっちまったよ」な三角関係あり、男の友情あり、のよくできたドラマで、登場人物は多いけれどストーリーはわかりやすくて楽しめました。
以下の2点を除けば。・急展開のラスト:
 あまりに急転直下のめでたしめでたしには、あれ!?時間なくなっちゃったの?と思いました。 
 「カルロを殺せ!」で一致したロベルト&仲間たちが、カルロ火刑の場でいきなり「今助けるぞ、
カルロ!」になったり、
 愛より友情を取ると固く決心したはずのカルロが「やっぱり諦めきれない」と急に言い出したり、
 あまりの急展開に、ワタシ途中何か見逃したかな?と思いました。
 それに、ハッピーエンドと言っても、お気楽にハッピーなのはカルロとアリシアだけなのでは?
 ナポレオンが「いずれ私の庭になる」と意味深なことを言い残していましたから、独立運動を
勝ち取ったとはいえ、大統領になるロベルトも、カリスタ島も未来は決して
明るくないように思えます。

・アリシア勝手すぎ:
 アリシアが身勝手な自己チュー女にしか見えません。
 情熱的で恋に一途といえばそうですが。
 恋に一途なあまりほかの人の気持ち全く考えてないよね。
 悩むロベルトが早く帰ろうとするのに、「おー・ねー・がー・いー」と強引にワルツ教えてもらおうとしたり。
 カルロがアリシアへの愛よりロベルトとの友情を取る、アリシアのことは「同志として」と言った時、多分アリシアは傷ついたと思いますが、その後に同じ言葉でロベルトを傷つけるあたりは全く共感できません。
 「どうして私の幸せの邪魔するの?(怒)」と言い放ったのには、目と思いました。
このあたり、さすが大石静さん、なテイストです。


冒頭、せり上がって登場するシャルル(カルロ)こと明日海りおさん。
きりりと軍服がよく似合う華やかなビジュアル。歌もさすがののびやかさ。
カリスタ島では裏切者の息子とさげすまれ、パリの士官学校では本当の貴族ではないと仲間はずれにされたという過酷な環境だったのに、何とまぁ、まっすぐに育ったことでしょう。
頭がよくて正義感も行動力もあって、王子様キャラ。
彼に惹かれない女の子はいないんじゃない?というカルロを、みりおちゃんに惹かれないヅカファンはいないんじゃない?という魅力たっぷりに見せてくれました。

これがトップ娘役として大劇場デビューの花乃まりあさん。
アリシアは上述したように、個人的には女性として人間として好きになれないキャラクターですが、男まさりで情熱的な島の女の子を熱演でした。
力入り過ぎて台詞が時々がなるように一本調子になるのは新人さんにありがちで今後の課題かな。
カルロが武器を横流しした罪で捕らえられた時、仲間に知らせに来たアリシアが「カルロを助けて!」と大声でまくし立てるので「うるさいワ」と思っちゃいました(笑)。
可愛いし、歌もお芝居もお上手ですが、明日海さんと並ぶとやはり少し大きく感じてしまうなぁ。

そのアリシアに許嫁でありカルロの幼なじみでもあるロベルトはこの公演から正二番手の芹香斗亜さん。
いや~、立派になって(笑)。
星組の下級生だった頃から見ているので、あのキキちゃんがこんなに堂々と男っぽい役をできるようになったとは感無量です。
仲間たちの前では独立運動のリーダーとしてツッパっているけれど、実は「英雄アルドを継ぐもの」という周囲の期待をプレッシャーにも感じている、というところもうまく見せていました。
フェアリー系のベイビー・フェイスだと思っていましたが、精悍さも増し、華も押し出しもあって、ほんと、立派になって(2回め)。

花組の誇る若手イケメン柚香光さんは若い時代のナポレオン・ボナパルト。
出番は多くありませんが、登場すると客席の目を惹きつけずにはおかない華と存在感。
若いころから自信家のナポレオンをうまく造形していました。
歌、がんばってね。

歌といえば美穂圭子さん。
カリスタの英雄・アルドの恋人で、フランス軍に拷問を受けた過去を持つ女性アニータ。
黒い眼帯、黒いドレスで凄い存在感・・・というかラスボス感ハンパない。
フランス軍の大砲を「私には当たらないよ」と平然としているのもめちゃ説得力あります。
そして歌声の迫力たるや。

もう一人。
カルロ/シャルルの部下ベルトラムを演じた鳳月杏さん。
いかにも軍人というキリッとした佇まい。
「あれ?どうして花組にちなっちゃんが?」と思ったくらいまだ月組の印象が強くて、花男たちの中では異色の光を放っていました。



「宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)」

IMG_9500.jpg


初日からtwitterでいろんな人が投下しているこの画像(これは私が撮ったものですが)を何度も見ていたので、ショーのタイトル「ファンタジア」だと思い込んでいました。
今年8月の第2回台湾公演で上演予定ということで、オリエンタルな要素も多分に加味した、モダンとクラシカルを融合したような和洋折衷ショーでした。
皆さんもおっしゃっているように、♪ファンタージア どこどん という太鼓の響きが、
星組の前公演 ♪パッショネイト ダカダン とよく似ていてちょっと笑っちゃいました。
稲葉先生、前回の好評に気をよくしたのかしら(笑)。

華やかで楽しくて、あっという間に終わってしまうのですが、印象的なシーンをいくつか。

「籠球男子 アオイハナ」
芹香さんのバスケットボールのシーンはウワサ通り楽しかったです。
まず、寝ぐせ頭のサエない高校生芹香さん可愛いし
キキちゃんを振る城妃美怜ちゃん筆頭にチアリーダー女子はキラキラだし
仙名彩世さんはじめ勝利の女神のお姉様方は色っぽいくて強そうだし
極めつけが強敵ライバルのちょっと不良っぽい柚香さん、カッコよすぎ
オンナはちょっとキケンな香りのするオトコに弱いのよ、な法則通りの結末(笑)。

「祝祭 百花繚乱」
これまた話題の明日海さんの花魁はワタシ的にはいささかビミョー。
次の場面のために仕方ないとはいえ、着物の下にハイネックは(今そんな着こなしが流行っているとはいえ)受け容れがたい。
ですが、ここからパッと男役のスーツ姿への早替りは目の覚めるようなカッコよさ。
きっと海外でもウケるんじゃないかな。

「さくら幻想曲」
このシーン、とてもテンション上がって好き。
娘役さんたちが桜色のドレスでひらひらと踊る華やかなダンスに続いて
ロックアレンジの津軽三味線に乗せた黒燕尾の男役群舞。
振付はKAZUMI‐BOY先生。フォーメーションもカッコよくていつまでも観ていたい感じ。


芹香さんが二番手の羽根背負って階段降り。一気に若返った印象の花組。
明日海-芹香-柚香 の並びは揃って美形ですが、3人それぞれ個性が違っていて、
観ていて楽しいし、いろんな可能性を感じました。

新生花組誕生 おめでとう! 



それにしてもみりおちゃん、中日も過ぎてるのに台詞カミカミっだったけど調子悪かったのかな? の地獄度度 ふらふら (total 1355 わーい(嬉しい顔) vs 1357 ふらふら)
posted by スキップ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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