2015年04月04日

君とならばそれはLovely Day 宙組 「TOP HAT」

TOP_HAT2.jpg昨年8月 梅芸から始まる全国ツアー公演「ベルサイユのばら」にフェルゼン役で主演した朝夏まなとさん。
あの時のレポに「宙組の次期トップスター・・になるんじゃないかな?」と書いた通りトップスターとなって、プレお披露目公演として半年ぶりにまた梅芸に戻ってきました。

宝塚歌劇宙組公演 ミュージカル 「TOP HAT」
Music & Lyrics by Irving Berlin
Book by Matthew White & Howard Jacques
脚本・演出: 齋藤吉正
出演: 朝夏まなと  実咲凛音  寿つかさ  大海亜呼  
純矢ちとせ  七海ひろき  愛月ひかる  春瀬央季 ほか

2015年3月29日(日) 12:00pm  梅田芸術劇場メインホール  
1階15列センター



「TOP HAT」は、映画史上最高のダンスペアとされるフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが共演した名作ミュージカル映画で1935年公開。ハリウッド黄金時代の香りを漂わせる作品ということですが未見。
2011年にイギリスで初めて舞台化されて大ヒット。
今回、日本で初めて宝塚歌劇が上演することになったそうです。

ストーリー: 
英国人プロデューサー・ホレス(七海ひろき)の招きでロンドンの舞台に立つことになったブロードウェイの人気ミュージカルスター・ジェリー(朝夏まなと)が滞在先のホテルで出逢ったモデル・デイル(実咲凜音)に一目惚れ。
互いに想いを寄せあうようになりますが、デイルがジェリーのことを親友マッジ(純矢ちとせ)の夫(ホレス)と勘違いしてしまい、激怒の末、あてつけに自分のパトロンであるデザイナー・ベディーニ(愛月ひかる)と結婚してしまいます・・・。


楽しかったムード

他愛のないドタバタコメディで、観ている私たちにはわかっているデイルの勘違いがじれったく感じることもあるのですが、いろいろありつつお決まりのハッピーエンドで、とても明るい気分になれるミュージカルでした。映像を使ったまるで映画のようなオープニング。
スクリーンから飛び出すように登場した金色の帽子にタキシードのジェリー(朝夏)。
大勢のダンサーたちを従えてタップダンス。
出演しているブロードウェイのショーのフィナーレという華やかな場面です。
この場面ばかりでなく、随所にタップダンスが盛り込まれていて、朝夏さんはじめ出演者が見事なタップを踏んでいます。
さすがに人気ミュージカルということで音楽もどれもよかったです。


TOP_HAT1.jpg


朝夏まなとさんは、華やか容姿、長い手足を活かした美しいダンス、軽やかなステップ、表情豊かな歌唱も安定していて、ブロードウェイの人気スターそのもの。
何より、「大抵の女の子はみんな僕に夢中になるのになぁ」と思っているちょっと自信家でチャラい(笑)キャラクターのジェリーがぴったりハマっていました。

実咲凛音さんは「ベルばら」の感想の時にも書いたのですが、凰稀かなめさんの相手役時代、あまり役に恵まれたとは言い難かったのですが、アントワネット、そして今回のデイルと本来の実力発揮。ご本人も気持ちよさそうに伸び伸び演じていらっしゃいました。

♪Heaven I'm in Heaven とジェリーが歌う、有名な♪Cheek to Cheek のデュエットダンスはじめ、二人の場面はどれも楽しく美しくかったですが、中でも、
乗馬クラブへ行くデイルを御者になりすましたジェリーが馬車で送るシーンが特にお気に入り。
♪数多の恋 それは罪色の歴史 けどすべて変わる
 I'm putting all my eggs in one basket
とジェリーが歌う曲もステキだし、ついテンション上がって馬車の上でタップ踏んでしまってデイルにバレてしまう、なんてところもカワイイ。
この場面、デイルが娘役っぽいドレスではなく乗馬服というのもよかったです。


二人の周りを彩る人たちもみなさんハマり役。
ホレスの七海ひろきさん、ベディーニの愛月ひかるさんはどちらも端正な二枚目の殻を打ち破る(?)熱演でした。
たくさん笑いを取りながら品を失わず、愛おしいと感じさせるところはさすがタカラジェンヌ。

一幕終わりで客席から登場した七海さんホレス。
私の目の前に立ったのですが、立ち姿の美しさとあまりのイケメンぶりに頭くらくらしました(笑)。

私が観た日は愛月さんベディーニ、ハネムーンスイートで鍵を指でくるくる回しながら「ここは私の部屋だ」と言う時、鍵が飛んでいってしまって、床に落ちたのを慌てて拾いながら「Oh!Happening!」って言ったら、その後の朝夏さんジェリー、わざと鍵飛ばして同じように「「Oh!Happening!」とおっしゃっていました。お茶目かわいい
あ、ちなみにこの回のベディーニのパジャマは赤い闘牛士みたいなやつでした。

二幕からの登場ですが、純矢ちとせさんのマジーもよかったな。
いかにもハリウッド映画に出てきそうな女の人で。
マジーと七海さんホレスが、「あなたのあんなとこ、こんなとこもキライ、でもそれ以外は I love you~」と互いの悪口を言い合いながら結局好き~ムードとなる掛け合いの歌、楽しくて好きでした。

そして、忘れちゃならない寿つかささんの執事ベイツ。
カタブツで笑わない、「主人より頭がキレて、主人より威張っている」執事。サイコーです。
ラスト、一気に持って行っちゃいました。
しかも、ショー場面やフィナーレの男役群舞ではカッコよくキメて踊ってるのですから、すっしー組長、やってくれます。


元々1時間半の映画を2時間30分の舞台にしたということでフィナーレもたっぷり。
朝夏さんと実咲さんのデュエダンでは美しくて長いリフトも。
何だかもう、長年コンビ組んでたみたいに安定感たっぷり。
客席降りもあって、通路側席だった私はたくさんハイタッチしていただいてテンション上がり、多分ずっとヘラヘラ笑いながら拍手していたと思います。


朝夏さんカーテンコールのご挨拶
「今日は生憎の雨ですが、TOP HATをご観劇くださった皆さまの1日が Lovely Day でありますように」と右手を胸にあてた端正な佇まいで、ちゃんと劇中の歌にちなんで挨拶される朝夏さん、さすがのセンスです。

♪どしゃぶり雨でも 嵐の夜でも構わない
君とならば それは Lovely Day



で、外に出たら晴れてて、ほんとにLovely Dayでした のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1349 わーい(嬉しい顔) vs 1351 ふらふら)
posted by スキップ at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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