2015年02月12日

夢のよ〜ぉな〜 たから~づか~♪ 星組 「黒豹の如く/Dear DIAMOND!!」

kurohyo.jpgまだ感想を書いていない作品もたくさんあるのですが、2月6日に初日を迎えた柚希礼音さんのさよなら公演、もう3回も観ちゃったので(まだまだ観ますが)、取り急ぎ現時点のサクッとした感想を。

宝塚歌劇星組公演
ミュージカル・プレイ 「黒豹の如く」
作: 柴田侑宏
演出・振付: 謝珠栄

ダイナミック・ドリーム 「Dear DIAMOND!!」
-101カラットの永遠の輝き-

作・演出: 藤井大介

出演: 柚希礼音  夢咲ねね  紅ゆずる  真風涼帆  万里柚美  美稀千種   十輝 いりす  音花ゆり  鶴美舞夕  壱城あずさ  如月蓮  海隼人  天寿光希  十碧れいや  
麻央侑希  礼真琴  妃海風  綺咲愛里/英真なおき ほか

2015年2月7日(土) 11:00am 宝塚大劇場 2階2列上手/
2月8日(日) 3:00pm 2階12列センター/2月11日(水) 11:00am 2階11列上手
(3回観てまだ一度も1階で観たことないという・・涙)



「黒豹の如く」

柴田侑宏先生が柚希礼音さんのために書き下ろしたオリジナルミュージカル。
第一次大戦後のスペインを舞台に一度は別れた恋人の再会と周囲の人間模様を描きます。

「黒豹」の異名を持つ硬派のスペイン艦隊参謀長 アントニオ・デ・オダリス伯爵(柚希礼音)は、かつて恋人同士でありながら父侯爵の窮地を救うため富豪のラミレス侯爵と結婚し、夫が病死したため未亡人となったカテリーナ(夢咲ねね)と再会します。
大戦後の混沌としたヨーロッパ情勢の中、貴族で実業家のアラルコン公爵(紅ゆずる)は、アントニオにナチスの艦長となるよう打診し、また、カテリーナをわがものにしようと画策して・・・。


最初に観た後の感触は「あまりおもしろくない」(笑)。
言葉を変えて言うならば「ドラマチックでない」という印象かな。
何せ期待値が大き過ぎたので。アントニオとカテリーナの恋の再燃・・・とはいうものの、心ならずも結婚した時期も含めて、二人が互いを想う気持ちに変わりはなく、アントニオはずっと独身を貫き、カテリーナも今は未亡人ということであれば、二人の恋を遮るものは何もないように見えます。
この揺るがない二人の気持ちがあるので、アラルコン公爵がいくらカテリーナに横恋慕していても、思い通りになりそうにないのは誰の目にも明らか。
マルセリーノ(礼真琴)が早い段階で「カディスの祭りに帰る」と言った時点で、カーニバルの群衆の中ですれ違ったりはぐれたりしながら大団円を迎えるのだろうな、というストーリーの流れもたやすく想像がつきます。

1920年代ということで、衣装ももうひとつ華やかさないかなぁ。
アントニオはじめ海軍の人たちはほとんどいつも同じ軍服で、それもオスカルやアンドレが着るような派手なものではなく・・・それはそれでキリリとよく似合っていて私は好きですが。
アントニオとカテリーナが再会するパーティの貴婦人たちのちょっとトーン暗めのスモーキーな色合いのドレスも夢々しい宝塚とはまた別の雰囲気で好きでした。

物語は想像通りに進んだところで、最後にちょっとヤラレました。
事件が解決し、アントニオとカテリーナはまた二人でやり直そうとする矢先、アントニオにモロッコ行きの命令が下ります。

ここで、カテリーナや海軍の部下たちはもちろん、クラベス洋装店(万里柚美組長ね)まで出てきて、全員が舞台で見送る中、
「行ってきます」と旅立つアントニオ。

泣くよねたらーっ(汗)

さらに、上がった大セリの上にひとり凛と立ち、真っ直ぐ客席に視線を送ってきりりと敬礼し、
「じゃあ、行きます」とアントニオ。

さらに泣くよねたらーっ(汗)

それまであまりさよなら公演っぽい台詞が目立たなかっただけに、最後のこのシーンは・・・。

柴田先生の脚本は言葉が美しくて、
主要メンバーはそれぞれ柚希さんとからむ場面があったり、
十輝さんには 「信頼する同期だ」
夢咲さんには 「僕たちの絆は永遠だ」
といった台詞が用意されていたり
いかにもあて書きならでは。

台詞といえば、アントニオは大人の男で静かな佇まいで男らしい言葉遣いなのですが、
ちょっと「え!?」と思った言葉が3箇所。
・アロンソ叔父さま(英真なおき)に結婚のことを言われた時、「ちぇ~っ」
・カテリーナに「1日を24時間以上にする方法を知っている」と言って、「まいったかぁ~」
・すっとカテリーナを思っていたことを告げて、「こいつめ~」

いずれも、あら、アントニオさん急にどうしちゃったの?というカンジの浮きっぷりでしたが、
3回めに観た時は「ちぇ~っ」と「こいつめ~」は割りと溶けこんでいるようにも感じられたのでした。

個々の役者さんについての感想はまた改めて書きたいと思いますが、
柚希さんアントニオはとにかくカッコいい。
ピシッと撫でつけた髪も軍人らしくて。
オープニングは海賊ソルとなって登場するのですが、ここの群舞もめちゃカッコいい。
全く予習していない私はてっきり、「あれ?海賊が改心して海軍に入る話なのか」と思った次第ですあせあせ(飛び散る汗)
すぐその後、アロンソ叔父さんの説明でご先祖の海賊だとわかったけれど。


「Dear DIAMOND!!」-101カラットの永遠の輝き-

「宝石の中で最高級の輝きを放つ、宝石の王ダイヤモンド。
柚希礼音自身をダイヤモンドに見立て、“DIAMOND”の頭文字Dに始まる、柚希を形容する言葉―Dance、Delicate、Dramatic、Dynamicなどをモチーフにした場面で構成した、華やかで美しく、愛と夢に溢れたショー。」
ですと。

現在東京公演中の「PHOENIX 宝塚!! ―蘇る愛―」も同じ藤井大介先生が凰稀かなめさんのさよなら公演のために書いたショーですが、トップスターの個性、組の持ち味でこんなに雰囲気の違ったショーになるのか、という感じです。

ライトがつくといきなりシルバーグレイの衣装に身を包んだ柚希さんが銀橋に座ってポーズキメているオープニングから、安寿ミラさん振付のスタイリッシュでカッコいい「リベルタンゴ」へ。

研1で抜擢されたドアボーイあり、女装(?)した男役たちに囲まれたダンスあり、客席降りでは二階に登場あり、おみこしあり・・・でどの場面も楽しく55分があっという間。
そうそう、2/11は会総見でしたので、二階に来た柚希さん、私たちの席に向かって「会総見っ!!」と片手挙げたり、フィナーレ緞帳下りる前には投げキッスもしてくれました。

中でも特に印象に残ったシーンを三つ。
まず、柚希・紅・真風の男役3人と夢咲・礼・綺咲3人との変形トリプルデュエットダンス。
全員白の衣装で「オラララァ~」と掛け声も入り、次々とペアを変えて踊るアップテンポのダンス。
どのカップルもステキで目が忙しい。
決めポーズでは、男役が女役にキスするのですが、柚希さんは夢咲さんの首筋に、真風さんは綺咲さんの手首に、そして紅さんは礼さんの唇に(!)。

こちらが変形なら、フィナーレラストの柚希さん&夢咲さんは正統派の王道デュエットダンス。
衣装もシンプルでオーソドックスな黒燕尾と純白のロングドレス。
曲はショパンのバラード第1番かな? 静かなピアノの旋律が二人のダンスの美しさにとてもよく映えます。
ため息が出るくらいとてもとても美しいダンス。
超高速で回転するリフトは柚希さんのすばらしさはもちろん、リフトされる側の夢咲さんの姿勢の美しさも際立っています。
ラストの銀橋でのポーズは静謐な雰囲気さえ漂って、思わず涙が。
こんなに綺麗で愛にあふれたデュエダンがもう見られなくなると思うと・・・(泣)。

そして、柚希さんが作詞した「たからづか」。
柚希さんが1階客席をまわって歌う間、舞台では鶴美舞夕さんはじめ退団者5人が踊ります。
笑顔の音花ゆりさんにナミダ。
そこに重なる柚希さんの歌声。
「夢のよ〜ぉな〜 たから~づか~」

泣くよねたらーっ(汗)

それに先立つ場面で息絶えたようなダイヤモンドスター柚希さんに紅・真風・夢咲の3人が
「あなたに焦がれ」「あなたに育まれ」「あなたを愛し抜いた」と歌うシーンでも涙ボロボロなのですが、
この「たからづか」の歌唱は・・・たらーっ(汗)

そしてみんなが迎える舞台に戻り、振り向きも立ち止まりもせず、大階段を一段飛ばしで一気にてっぺんまで駆け上がって去っていく柚希さん。
この姿を、別れの日が迫ったころ、私はどんな思いで見つめるのでしょう。


毎回泣くけどだんだんクレッシェンド のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1326 わーい(嬉しい顔) vs 1329 ふらふら)
posted by スキップ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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