
専科として出演するのはこの作品が最後になるのかな?
宝塚歌劇花組公演
OH! Edo Night Show
「風の次郎吉 ―大江戸夜飛翔―」
作・演出: 齋藤吉正
出演: 北翔海莉 花野じゅりあ 華耀きらり 瀬戸かずや 鳳真由 天真みちる 桜咲彩花 仙名彩世 華雅りりか 水美舞斗 柚香光/夏美よう ほか
2015年1月11日(日) 4:00pm シアター・ドラマシティ 12列上手
楽しかった

このポスターのイメージ通り、キッチュでガチャガチャした雰囲気なのですが、それを含めて全編とても楽しめました。
弁士が登場して「鼠小僧」のサイレント映画が映し出され、屋根の上に追い詰められたところでスクリーンが飛んでそのまま実物が現れるというオープニングから、「~でごぜぇやす」と劇中の口調そのままの開演アナウンス、登場人物を写真入りアニメーションで紹介して、最後に「制作 宝塚歌劇団」という文字が出る昔の時代劇映画のようなエンディングまで、随所に齋藤先生のこだわりが感じられました。
幕間のスクリーンにも出演者のアニメーションつき写真やこんな画像まで
私腹を肥やす武士や商家から金を盗み、貧しい町人たちに分け与える、ご存知 江戸時代の義賊 鼠小僧の物語。
そこに親子の葛藤あり、陰謀あり、仇討ちあり、恋バナあり、男同士の友情ありという筋立てで、そこに立ち回りも、三味線の生演奏も、さらには入浴シーンも(笑)と盛りだくさん。
男役はもちろん、娘役もみんなキャラが立って見せ場があり、とてもイキイキ楽しそう。
それが観ている私たちにも伝わって、明るい気分になる舞台でした。歌・ダンス・お芝居と「三拍子揃った」と言われる北翔さんですが、まさに縦横無尽の活躍。
鳶の拵えがよく似合って、いなせで気風のいい江戸っ子の台詞まわしや目線、見得もピタリと決まって、いかにも時代劇のスターといった雰囲気。
殺陣はキレッキレ。側転まで披露してくれていました。
それに、何ていうのかしら。月組の「Merry Widow」に主演した時にも感じたのですが、カンパニーをまとめてグイグイ引っ張る求心力のようなものを北翔さんさんには感じます。
花組の皆さんが北翔さんの情熱に巻き込まれて負けじと力を発揮して、それが相乗効果となって舞台をより熱く、パワーアップさせている感じ。
センターに立つ人としてすばらしい資質だと思います。これなら星組トップ任せても安心・・かな?(笑)
次郎吉を幼い頃亡くした父の仇と誤解して命を狙う手妻の幸・仙名彩世さんと、自分こそが次郎吉を捕らえると鼻息荒い男まさりの目明しあやめ・桜咲彩花さんがダブルヒロインといった趣きですが、どちらもイキイキ大活躍。
この二人はどちらも次郎吉Love

さらには、事件のカギともいえる吉原の花魁・花咲の花野じゅりあさん。
花咲さんってば、北翔さんの忘れられない初恋の相手で、今は水美さんとラブラブな上に超美形の柚香さんに「一緒に足抜けしよう」とか誘われて、鳳真由さんに横恋慕されて、ってこれ以上ないくらいモテモテじゃん(役名で言いなさい)。
元気のいい娘さんたちとは一線を画したしっとりした役づくりも映えて、さすがじゅりあさんです。
他にも、三味線の師匠・鞠花ゆめのさん、居酒屋かぐ庵の看板娘・華雅りりかさん、と娘役がこんなに活躍する演目は大劇場でもあまり記憶にないくらい。
「Ernest in Love」と分かれていることを感じさせない花組娘役の層の厚さ、華やかさです。
もちろん華やかさは男役だって負けていなくて、
着流しでちょっとチャラい浪人から「遠山金四郎」となってキリリとした青天まで見せてくれる瀬戸かずやさん。
花咲さんへの想いから悪に加担し利用される勇人の柚香光さん。
・・・勇人くんはねー、プロローグのダンスの時から、舞台に出ていると必ず目が吸い寄せられます。あのマフラー?みたいなの巻いた姿もカッコいいんだ。
あやめさんとの立ち回りでは、大きく開いた着物からおみ足がかなりのところまで見えて、思わず二度見

悪者たちの企みで濡れ衣を着せられ拷問される三郎太・水美舞斗さん。
端正なお顔に青天がよく似合って、台詞がとてもしっかりしているのが印象的でした。
ナドナド。
多彩な登場人物一人ひとりにちゃんとエピソードを盛り込んで、最後はスッキリと勧善懲悪の大団円。
ついでに何となくツッパっていた育ての親・甚八さん(夏美よう)との仲もスッキリして、いよっ!千両役者!!と声もかかりそうな次郎吉さん。
フィナーレで

北翔さんカーテンコールのご挨拶:
明日は千秋楽となりました。最後まで進化し続ける舞台を、そして体力の限界に挑戦したいと思います」と言って、まわりのみんなに「ねっ!」って大声で念を押していました。
みんなも「イェーイ!」と笑顔で応えて。
緞帳下りる直前、大ジャンプしてたよ、北翔さん。何て元気なんだ のごくらく度


