
2012年5月に初演された時から、「この作品を持って全国を回りたい」と思っていらしたそうです。
今回、その願いがかなって全国11都市での公演となりました。
他のお芝居に出演されている渡辺えりさんを拝見したことはありますが、3〇〇の舞台を観るは初めて。
えりさん作・演出の作品を観るのもこれが初めてでした。
オフィス3〇〇 「天使猫 ~宮澤賢治の生き方~」
作・演出: 渡辺えり
出演: 大沢健 大和田美帆 谷川昭一朗 土屋良太 宇梶剛士 渡辺えり ほか
2014年11月3日(月) 5:00pm 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 1階B列センター
宮沢賢治の生涯にその作品のストーリーと言葉を散りばめて、音楽劇として描いた作品。
不思議な雰囲気のお芝居でした。
賢治の作品世界と「宮沢賢治」が生きた実世界、二つの世界が時空を越えて行き来する舞台。
うさぎやきつねなど動物たちが奏でる寓話的なファンタジーの世界と、貧しく厳しい東北の農民の暮らしとの交錯。そして津波。
それらを包み込むように降り注ぐキラキラした星や雪に彩られた舞台。
蛍はすぐに死んじまうだろ?
しかし星はね、割かし長く生きられるから、僕は蛍を星の破片と言いたいんだ。
―君は泣いているのか?
どうしてさ
―頬が光ってる
なぜかは知らないが、僕の両目からも星が降るんだ宮沢賢治が主人公のお芝居といえば、ちょうど1年前に場所も同じ兵庫県立芸術文化センターで観た「イーハトーボの劇列車」がとても印象深い作品で大好きなのですが、
作品のタイプはずい分異なってはいるけれど、やはりこの「天使猫」でも、宮沢賢治という人の生き方には胸が詰まるような思いがこみ上げます。
人も動物も植物も、隔てない幸福を求めた宮沢賢治。
そんな彼の遺した言葉は今も強く私たちの心に響き、「言葉」の持つ力を改めて感じずにはいられませんでした。
ただ、ストーリーをちゃんと理解できたとは言い難かったなぁ(笑)。
「銀河鉄道の夜」をはじめとする挿入される宮沢賢治の作品も、知っているものもあれば全く気づかない作品もあったり。
「貝の火」のエピソードなんかは、そういうアプローチもあるのか!と思ったり。
えりさんは、「東北のことを書かなければいけない」と思ってこの作品をつくられたそうですが、宮沢賢治の生き方や言葉を通して、もっと普遍的な、人間の死生観や悲しみ、人はどう生きるか、といったことを伝えたかったのではないかな、と感じました。
役者さんたちは何役も兼ねていて、大沢健さんの白ネコのしなやかな佇まいと大和田美帆さんの4役?5役? 演じ分けの鮮やかさが印象的でした。
えりさんの太ったうさぎもキュートでしたが、宇梶剛士さんが岩手山で出てきた時には思わず笑っちゃいました。
そしてカーテンコールの渡辺えりさんのちょっとグダグダ気味のご挨拶に和みました。
10/19 盛岡に始まって11/30 山形の千秋楽まで、40人を引き連れての長丁場の全国公演。
思った以上に費用がかかるのでグッズのお買い上げをよろしく、ですって(笑)。
開演前の諸注意アナウンスもえりさんかな?
これで10日間で12作品観た舞台のレポ コンプリート。さすがに我ながら雑な感想で反省 の地獄度




目の前で繰り広げられる様々なシーンが印象的なお芝居でしたね。
えりさんのお芝居は難解なうえに、私はいまいちなコンディションでの観劇だったので、スキップさんの感想を読ませていただいて、また改めてちゃんと観たくなりました。
宇梶さんの岩手山のインパクトも凄かったし!(笑)
宮沢賢治の作品も読みなおしたくなりました。
私もよく理解できていなくて・・・(汗)。
えりさんがこの作品で本当に伝えたかったことをキャッチ
できたという自信はあまりありません。
ですが、作品の世界観は好きでした。
宮沢賢治作品もまだまだ知らないものが多いなぁと思って、
私もまた読んでみようと思っています。
宇梶さんのあの岩手山は反則ですよね(笑)。