2014年09月19日

愛を求めるトート 花組 「エリザベート」 2回目


elisabeth3.jpg

完売で当日券を求める行列が大変なことになって、ついに徹夜禁止令まで出た宝塚大劇場。
宝塚友の会でキセキ的に当たった1枚が何とSS席それも1列。チケット握りしめて行ってきました2回目にしてmy 楽。

宝塚歌劇 花組公演  三井住友VISAカード ミュージカル 
「エリザベート-愛と死の輪舞-」
脚本・歌詞: ミヒャエル・クンツェ
音楽: シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション: ウィーン劇場協会
潤色・演出: 小池修一郎
出演: 明日海りお  蘭乃はな  北翔海莉  桜一花  花野じゅりあ   望海風斗  
瀬戸かずや   芹香斗亜  大河凜  水美舞斗  柚香光 ほか

2014年9月14日(日) 3:00pm 宝塚大劇場 1階1列上手



前回観た時、開幕2日目とは思えぬ完成度だったのですが、ハイクオリティを保ったまま進化し、客席の熱気が舞台を底上げしているような部分もあって、2時間半一気に見せる加速度がますます高まりを見せているよう。
トート、フランツ、ルキーニ、ゾフィ、シシィ・・・主要な役が揃って歌えるということがこのすばらしい楽曲揃いのミュージカルにとってとても重要でしかも幸せなことだと改めて思いました。明日海りおさんのトート。
1回目の感想に「怒りや情熱がストレートに伝わってくる人間的なトートで、それは逆に言えば、トートの「人外のもの」感が若干薄められたなぁという感じ」と書きましたが、その印象は変わりません。
とても感情表現豊かで、シシィの愛を強く求めていることがよくわかるトート。
冒頭にトートが歌う「愛と死の輪舞」は、ウィーンオリジナル版にはなくて宝塚版のために加えられた曲ですが、♪お前の生命奪う替わり 生きたお前に愛されたいんだ というところがリアルに感じられる、ひたすらエリザベートの愛を求めるトートでした。
が、明日海さんトートはそのビジュアルこそ「人外のもの」。
至近距離で見ても陶器のように怜悧で圧倒的に美しいトートです。まさに“黄泉の帝王”。
歌はときどきブレス音が入るのが少し気になりますが、迫力のヴォーカル。
元々歌は上手い方だと思いますが、地位がそれを押し上げた感じです。

人間ではないトートが「永遠の若さ」を保つのに対して、だんだん老いていく周りの人たち。
中でも北翔海莉さんのフランツが際立って秀逸。
母親の言いなりでオドオドしていた若き頃から、思慮深い国王となり、苦悩の中息子と対立してしまうようになるまで、人間味あふれるフランツ。
ルドルフの棺に置く指先にまで悲しみの表情があふれていて、思わずもらい泣き。
北翔さんの歌は上手いのはもちろんですが、テクニックだけに頼らないハートや何ともいえない温かみがあります。だからフランツの苦悩がとても伝わってきますし、それだけにずっとすれ違ったまま寄り添うことのない二隻のボートが切ない。
このフランツの温かみある存在感とトートとの対比が鮮烈で、それこそがこの物語を成立させているといっても過言ではないと思います。
歌唱のすばらしさも一人別次元という感じ。

みっちゃん、専科行きが決まった時はバッド(下向き矢印)と思いましたが、専科に行かなければ「眠らない男 ナポレオン」のタレーランもこのフランツもなかったことを思えば、やはり専科入りは正解だったということでしょうか。

ダブルキャストのルドルフは今回は柚香光さん。
美しくはかなげなルドルフですが、ビジュアルがちょっとトート寄り?(笑)
明日海トートとのバランスはこちらの方がよかったですが、演技も歌も芹香さんが一歩リードかな。

「キッチュ」のアドリブが毎回Twitterに流れてくる望海さんのルキーニは、さらにこなれている上に、狂気じみた雰囲気がより色濃くなって、彼もまたトートに魅入られた一人なのだなと感じられました。

シシィの両親((悠真倫・花野ジュリア)もよかったし、華耀きらりさんのヘレネは、綺麗だけど、フランツがどうして姉のヘレネではなくシシィを選んだのか納得できる役づくり。
一場面ながらヴィンディッシュ嬢の仙名彩世さんも鮮やかな印象を残しました。

何かと話題の花乃まりあさん。
さすがに女官でも世界の美女(エジプト)でも目を引く可愛らしさ。
初日のエトワールは緊張のせいか声が出ていないと評判は散々でしたが、それほど悪くもなく。
ただ、今回のエトワールはやはり桜一花さんか仙名さんあたりが妥当だったのではないかと思います。
花乃さんは組替えで花組にやって来て、次期トップ娘役に抜擢されて新人公演も主役で並いる歌うまの先輩押しのけてエトワールで、明日海さんと並ぶには少し大柄な娘役でしかも96期というアウェイ感・・・ちょっと夢華あみさんをデジャヴしてしまいました。

IMG_9333.jpg少し上手の座席だったので、フィナーレ銀橋に出演者が並んだ時、桜一花ちゃんが真正面だったのですが、あのコワイゾフィとは打って変わったやさしい微笑みを何度も投げかけてくれて感激。
望海ルキーニのキザな目線もいただきましたムード

最前列から観たハプスブルク家の紋章はこんな感じ。



最後にちょっぴりお遊び。
私は柚希礼音さんのトートを観たいと思っていた一人ですが、星組で「エリザベート」をやったらどうなるかしら、他の組では?と妄想してみました。

         星        月         雪          宙  
トート:   柚希礼音    龍真咲      早霧せいな    凰稀かなめ
シシィ:   夢咲ねね    愛希れいか   咲妃みゆ     実咲凛音
フランツ:  真風涼帆    星条海斗    夢乃聖夏     緒月遠麻
ルキーニ:  紅ゆずる   珠城りょう     彩凪翔      朝夏まなと 
ルドルフ   礼真琴     凪七瑠海    月城かなと    七海ひろき


う~ん。
星組は真風がフランツよりルキーニだけど紅もルキーニだし、とか月は凪七と珠城が学年からいえば逆なんだけど、とか、雪は彩風、鳳翔をどうしよう、などあって・・・

決定!公演中の花組も含めて、私の中で一番しっくりくる配役は宙組ぴかぴか(新しい)


どうせなら100周年記念で全組やればよかったのに(無理) のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) わーい(嬉しい顔) (total 1253 わーい(嬉しい顔) vs 1261 ふらふら)
posted by スキップ at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック