2014年08月14日

こんな終わりでいいの? 月組「THE KINGDOM」

kingdom.jpg昨年の月組大劇場公演「ルパン -ARSÈNE LUPIN-」のスピンオフ。
あの時、ルパンの友人として登場したドナルド・ドースンとヘアフォール伯爵の若かりし頃の物語です。

宝塚歌劇 月組公演 「THE KINGDOM」
作・演出: 正塚 晴彦
出演:  凪七瑠海  美弥るりか  早乙女わかば  海乃美月  鳳月杏  紫門ゆりや  憧花ゆりの  暁千星 ほか

2014年8月7日(木) 6:30pm シアター・ドラマシティ 
6列センター


物語: ある舞踏会で男にからまれていたロシア人留学生サーシャ(早乙女わかば)を助けたことがきっかけで知り合うヘアフォール伯爵家の次男・パーシバル(美弥るりか)とドナルド・ドースン(凪七瑠海)。二人にとって学生最後の夏でしたが、二人はそれぞれ、軍人と情報部員となった後も友情は続いていました。
折しもロンドンでは、ジョージ5世の戴冠式を前に反王政派の活動が活発になったり、ロシアのニコライ2世がイギリスに亡命するという情報や戴冠式に使われるダイヤモンドが何者かに狙われているという情報が舞い込み、ドースンとヘアフォールは協力して・・・。

「スピンオフって言われても去年観た『ルパン』自体あまり覚えてないしなぁ~」と思っていたのですが、それはあまりカンケイなかった(笑)。

「The Kingdom」はもちろん大英帝国のことで、ドースンもヘアフォールも進む道は違っていても、祖国イギリスを誇りに思い、祖国のために働こうとしている、というのがまずあります。

そこに、
・ジョージ5世の戴冠式
・ニコライ2世の亡命
・反王政派の活動
  ・・・ジョージ5世は反王政派の反発を恐れて簡単に亡命を受け容れられない
・政治犯として国を追われたロシア人
・謎の病に倒れたヘアフォールの兄とその秘密の任務
・狙われている戴冠式に使用されるダイヤモンド「カリナン1世」
・謎の女

という色んなエピソードが散りばめられていて、一幕はかなり盛りだくさんで進む・・・目これで終わりexclamation&questionな二幕。

え~っとですねあせあせ(飛び散る汗)

謎の女のご主人(仮名でしか出てきませんが)がルパンだということは、いくら私がぼ~っと観てても前作忘れていても、すぐにわかります。
ま、その女(憧花ゆりの)がヴィクトワールと名乗った時点では前作に出てきたルパンの乳母の名前だとは気づかなかったのですが。

それより、憧花ゆりのさんがドラマシティ組だったことに驚きましたワ(そっち?)
てっきり博多座行ったものとばかり。ドーラ社長いなかったらマギーさん寂しがってたことでしょう(違)。


話し戻る。

だからね、シャーロック・ホームズとかわざわざ出てきてくれなくていいし。
さらに、シャーロック・ホームズが訪ねて来た時に、ちゃんと本人かどうか確かめもしないで届いた手紙のこととかペラペラしゃべる情報部員(ドースンのことね)、とかあり得ないし。

そして、あれやこれや広げた風呂敷、一気に畳んで、フィナーレ突入!って、正塚先生、時間切れでしたかね?


とまぁ、脚本に不満はビッグベンほどありますが、役者さんたちは皆好演。
・・・宝塚歌劇ってこのパターン多いよなぁ、と改めて思います。不肖スキップ、基本的に生徒さんたちには寛容なのだけど、作家・演出家にはキビシイのです。

凪七瑠海さんも美弥るりかさんも、姿も美しく、歌もお上手。同期生で息もぴったりでした。
特に凪七さんの黒燕尾の美しさが際だっていました。小顔で脚長ーい。

男役で他に印象に残ったのは、情報部長ラトヴィッジ役の鳳月杏さん。
「月雲の皇子」や「TAKARAZUKA 花詩集100!!」のよさこいの場面で、珠城りょうさんとともに「たまちな」「ちなたま」と皆さんがおっしゃっていた「ちなつさん」をようやく認識できました(遅)。
髭をつけた中年役でしたが、押し出しも立派だし、声はいいし、飄々としてコメディタッチかと思えば取調室で「黙秘権すらないんだ」と凄む時の冷酷さ・・・ステキでした。

サーシャのボディガード・アレクセイは若手のホープ・暁千星さん。フィナーレのダンスで相変わらす見事なピルエットを見せてくれました。
「千星くんといえばもれなくピルエットがついてきます」的な?(笑)

今回はサーシャと情報部員のジェニファーがダブルヒロインという位置づけだと思いますが、サーシャはこれが月組デビューの早乙女わかばさん。
華のある容姿で本当に綺麗。
声や話し方に特徴があるのですが、私はそれほど嫌いじゃないかな。歌もずい分安定していたと思います。

勝気で男勝りの情報部員ジェニファーは海乃美月さん。
最初誰だかわからなかった(笑)。
美人さんですがお顔立ちが大人っぽいので、いかにもな娘役よりこんな役の方がお似合いと感じました。
ですが、このタイプの役は宝塚の正統派ヒロインではないので難しいところでしょうか。


珍しく平日ソワレ18:30開演で梅田だし、会社帰りにタカラヅカ観るというのが新鮮でうれしかったです(そんなほめ方?(^^ゞ)


紫門ゆりやさんは本編でもこちらでも泥棒役(笑) の地獄度 わーい(嬉しい顔) (total 1233 わーい(嬉しい顔) vs 1238 ふらふら)
posted by スキップ at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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