1995年の第67回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞(トム・ハンクス)、監督賞(ロバート・ゼメキス)など6部門受賞した作品。
もちろん私も見ていて、好きな台詞、お気に入りのシーンがたくさんある映画です。
あの映画を舞台化。それも世界初。
どうなるのでしょう、と興味シンシンでした。
「フォレスト・ガンプ」
原作: ウィンストン・グルーム
演出・上演台本: G2
出演: 田口淳之介 前田亜季 大高洋夫 オレノグラフィティ 藤崎卓也 鹿野真央 横山敬 鈴木綜馬
高橋ひとみ 高嶋政宏
2014年6月25日(水) 森ノ宮ピロティホール K列(8列目)センター
客席まで突き出た長方形の舞台。
真ん中に白いベンチがひとつ。
大人になったフォレストがベンチに座っていた映画のファーストシーンが蘇ります。
開演ベルが鳴り、客電が落ちると舞台上はもちろん、客席にまで広がる降るような星空。
涙が出そうなくらい美しい星空でした。
「人生はチョコレートの箱のようなものよ。開けてみるまで中身はわからないわ」というフォレストのママの有名な台詞から始まった舞台は、いきなり出演者たちが舞台に並んで演奏を始めて驚く・・・音楽劇だということをこの時知りました(笑)。
けれど、フォレストが得意だったハーモニカを始め、バイオリン、ギター、ベース、キーボードやパーカッションなど折々に組み込まれる生演奏が劇にとてもよく溶け込んでいました。
歌を歌うのはジェニーだけだったかな。
前田亜季ちゃん。初めてお聞きしましたが歌もお上手でびっくり。
知的障害があるけれど、純粋で心やさしいフォレスト・ガンプ(田口淳之介)は、母(高橋ひとみ)の愛情をいっぱい受けて育ち、幼なじみのジェニー(前田亜季)の優しさに支えられて成長し、アメフトのスター選手になったり、ベトナム戦争の英雄になったり、宇宙飛行士になったり、亡き友・バーバ(オレノグラフィティ)と約束したエビ漁事業で大成功したり、カラフルな人生を歩んでいきます・・・。ストーリーは忠実に再現されていて、映画に出てきたエピソードは大体拾ってあります。
映画を、というより、原作を舞台化したと考えるべきだと思うのですが、原作を読んでいない私はどうしても映画の印象が強くて、「あ、フォレスト、脚が悪くないんだ」とか「こんなシーンあったっけ?」とかつい思ってしまいます。
アウトドアシーンの多い映画だったので、それを舞台化するのはかなり手強かったんじゃないかな、とも思いましたが、それも私が映画のイメージにとらわれ過ぎているせいかもしれません。
映像にとらわれずに舞台として表現されたG2さんの演出には好感。
四角いステージもフォレストが走ると、そこが広いグラウンドになったり。、
フォレストが飛行機の乗ったら、天井の網は揺れて風が流れているようだったり。
水色の布に風をあてて人力で(笑)波に見立てるエビ漁の場面とかね。
場面転換の時に、壁や床に貼ってある紙を出演者がベリベリッとはがして次の場面に移るのですが、ちょうどチョコレートの包み紙を剥がすみたいで、そんなイメージも重ねたのでしょうか。
ただ、あのワシントンのリンカーン・メモリアル前で演台に立つフォレストに、リフレクティングプールのはるか向こうからジェニーが「フォレスト!!」と呼びかけるシーン。
あの広がりや、濡れることも厭わずプールの中ら駆け寄ってくるジェニーとフォレストの再会の感動はさすがに表れていなくて残念でした。
あのプールが見たくて映画観た何年か後にワシントンまで行ったくらい印象的で好きなシーンでしたから。
物語がフォレストのモノローグで進むので田口淳之介くんは出ずっぱりで台詞量もハンパないですが、口跡よく自然な演技。
抑揚のないような語り口がフォレストらしさを表していました。
ビジュアル含めてあまり年齢の変化が感じられなかったのは、そういう演出プランなのかな?
綺麗な側転も見せてくれて、わぁジャニーズ!と思っちゃいました。
フォレスト、ジェニー、ママ以外は役者さんが何役も兼ねているのですが、やはりやはり印象的なのはダン中尉(高島政宏)。
自分が名誉の戦死を遂げられたなかったことでフォレストに助けられたことを恨みに思い、自分が生きいていることさえ憎んでいるようなダン中尉が、エビ漁の船の上で、「まだ言ってなかったな」と、フォレストに命を助けてくれたお礼を言うところ、その後の「ダン中尉はきっと神様と仲直りしたんだ」というフォレストのモノローグはやはり心に染みます。
ラストは映画と違って、
最愛のママを亡くした失意の中、リトルフォレストを抱いたジェニーと再会し、これから一緒に人生を歩んでいくんだろうなという幸せの予感のままるエンディング。
そこにまた降り注ぐ星空。
この日は大阪の初日だったようで、カーテンコールで田口淳之介くんがご挨拶。
「大阪の初日が無事に・・・というか、僕にとって最高の形で開いてほんとに嬉しいです。去年、東山さんと一緒にこの森ノ宮ピロティホールでやったんですが、今回は単独主演ということでこの『フォレスト・ガンプ』ができて感激です。東京で1ヶ月やってきてすごくいいカンパニーで、大阪は5日間できっとあっと言う間だろうけれどがんばります!」
田口くん、挨拶の時はシャキシャキ口調だったので、あれはやっぱり演技だったのね(→当たり前) のごくらく地獄度 (total 1205 vs 1209 )
2014年06月27日
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