2014年04月07日
「夢の祭典」 はほんとにドリームでした その1 (4月4日)
1914年4月1日に第1回公演を行った宝塚歌劇団。
今年は創立100周年の記念の年でメモリアルイベントや公演が色々予定されていますが、そのメインとなる3日間。
4月5日の100周年記念式典をはさんで、4月4日と6日にOG・現役総出演の「夢の祭典」がいずれも宝塚大劇場で開催されました。
式典は関係者以外原則非公開でしたが、「夢の祭典」は大劇場のチケットは取れないまでも、全国の映画館でライブ中継されたお陰で、私も観ることができました。本当は3公演全部観たいところですが、さすがに日曜夜は自粛して、出演者のあまり重なっていない2公演をチョイス。
歴代トップスターが出演して各時代の名曲や想い出話を織り交ぜながら宝塚歌劇100年の歴史を華やかにたどる・現役トップコンビによるダンス・宝塚歌劇の始まりとなった第1回公演「ドンブラコ」の上演と盛りだくさん。
これがとんでもなく楽しかったのよ
宝塚歌劇100周年 夢の祭典 「時を奏でるスミレの花たち」 ライブ中継
総指揮: 小林公一
監修: 植田紳爾
構成・演出: 石田昌也 中村暁 中村一徳 木村信司
出演:
<卒業生> 八千草薫 寿美花代 有馬稲子 眞帆志ぶき 朝丘雪路 加茂さくら 八汐路まり 甲にしき 古城都 郷ちぐさ 鳳蘭 大地真央 剣幸 日向薫 紫苑ゆう こだま愛 安寿ミラ 毬藻えり 黒木瞳 涼風真世 真矢みき 麻路さき 高嶺ふぶき 久世星佳 真琴つばさ 鮎ゆうき 白城あやか 花總まり 安蘭けい 春野寿美礼 朝海ひかる 貴城けい 大鳥れい 霧矢大夢 舞風りら ふづき美世 紫城るい
<現役生> 轟悠 北翔海莉 蘭寿とむ 蘭乃はな 明日海りお 望海風斗 龍真咲
愛希れいか 凪七瑠海 美弥るりか 壮一帆 愛加あゆ 早霧せいな 未涼亜希
柚希礼音 夢咲ねね 紅ゆずる 真風涼帆 凰稀かなめ 実咲凜音 朝夏まなと
緒月遠麻 ほか
2014年4月4日(金) 6:00pm 大阪ステーションシティシネマ シアター
緞帳が上がると舞台一面に並ぶ懐かしいスターさんたち。
これだけでテンションというものです。この日は歴代トップスター36名が出演。
以下、長いです。司会は真矢みきさん。
「実はワタクシ、この大役を仰せつかりましたので、新調しました」とアクセサリーをはずし、「いつ脱ぐの、今でしょ、って感じで」と言いながら上着を脱ぐと、黒のドレスの胸にゴールドで燦然と輝く100の文字が。さらには手に持ったストップウォッチもキラキラデコされていました。
この気合入ったミキさんの司会が絶妙で、先輩には敬意を持って接しながら臆することなく言いたいことはちゃんと言う、同時代に活躍した仲間や同期とは気のおけない会話、後輩やトークだけに参加した娘役のこともよく目配り、気配りが行き届いていて、ユーモアもありアドリブも入れつつ当意即妙なやり取りができる頭の回転のよさ・・・ほんとに感心。今回の公演の成功の半分以上はミキさんの司会によるものではないかしら。
「楽屋が大変なことになっています。どこを向いてもスターさんばかりで。皆さんのパワーがすごくて。きっと来年ぐらいには世界三大パワースポットの一つになっていると思います」って。
プログラムは、直近(つまり下級生順)から時代を遡って、一曲ずつ歌い、同時代の人たちが何人かまとまってトークする方式。
トップバッターは霧矢大夢さんが「退位の歌」(エドワード8世)。
ロングヘアですっかり女らしくなった霧矢さんですが、パワフルな歌声は相変わらず。
貴城けい・朝海ひかる・花總まり・春野寿美礼・安蘭けい と続いたこのコーナーでは、朝海さんのとてもチャーミングな笑顔が印象的だったのと、花總さんの現役時代と変わらない「私だけに」(エリザベート)、春野寿美礼さんの「ボンソワール・マルセイユ」(アデュー・マルセイユ)の歌唱がすばらしかったです。いや~、オサさん、現役時代から歌ウマさんだったけど、全然衰えていませんワ。
安蘭けいさんの「ひとかけらの勇気」(スカーレット・ピンパーネル)もよかったけど、こちらは4/6の方が断然迫力ありました。
トークでは、春野・朝海・安蘭・花總が「同期です」と楽しそうにしていたのが印象的。男役3人はこれまでも見かる機会ありましたが、ここに花總さんが入るのはちょっと新鮮でした。
つづいて、真琴つばさ・久世星佳・麻路さき・高嶺ふぶきの面々。
ここのグループは率直にいうと歌は高嶺さんだけかな(笑)。高嶺さんは現役時代より10㎏太ったそうですが「年とって痩せるとシワシワになるから」と豪快に笑っていらっしゃいまjした。
久世さんなんて「緊張してマイク持つ手が震えた、しかも今、足つってる」とおっしゃっていました。
銀橋を渡るのも緊張する、という話になって、真矢さんが、「現役の頃、(舞台や銀橋を)何であんなに家のリビングみたいに歩いてたんだろ」とおっしゃったのには笑っちゃいました。
今もオスカルみたいなクルフワのロングヘアで登場した涼風真世さんの「我が名はオスカル」と安寿ミラさんの「かわらぬ思い」。
涼風さんは、「昔妖精、今妖怪」と自虐ネタで自己紹介。
涼風さんと真矢さんは同期で、安寿さんは一期先輩で本科・予科の間柄、さらには花組でヤンミキコンビとして活躍されていたので、気心が知れた雰囲気でした。
真矢さんたちにとって安寿さんはあこがれの本科生で、安寿さんの学年からは一期下は美人揃い。「かなめ(涼風さん)とかショーコ(黒木瞳)とか。あ、ミキ(真矢みき)は別よ。おさげでタレ目で(笑)」
続いて現役トップコンビ5組によるデュエットダンス。
月組→花組→雪組→宙組→星組と登場して、全員揃ったところで、星組コンビがセンターに。
このメンバーでこの舞台で、ちえねねセンターだよとちょっと泣きそうになりました。
一幕最後は宝塚歌劇団が最初に上演した演目「ドンブラコ」の再演。
主演の桃太郎は轟悠さんで、家来になる犬・雉・猿が、明日海りお・早霧せいな・紅ゆずる という豪華版。
雉の早霧さん、ずっと手をバタバタさせてつま先立ちでチョコチョコ歩いて可愛いすぎます。
向かった鬼ヶ島がまたビジュアル系揃いの豪華鬼軍団。
歌舞伎の隈取風メイクの北翔海莉鬼王と朝夏まなと副王が歌いながらセリ上がってきた時には「カッコイイ~」と思いました。
後ろに続く鬼たちも、各組No.2 No.3のイケメン揃いで目が忙しいのですが、中継だと自分の観たいところにフォーカスできないのはちょっともどかしいです。
こうして一幕終了。ドンブラコ」終わりの幕は定式幕でした。
二幕スタートは、紫苑ゆう・白城あやかの「うたかたの恋」から。
シメさんの現役時代そのまま、まるでルドルフな白い軍服に白いブーツは自前なのだとか。あやかさんのドレスも自前で、「私が軍服着るからあなたもドレスで来て、って言いました」とシメさん。「さっき鼻くっついちゃったからヒデっち(あやかさんの旦那サマの中山秀征さん)に怒られちゃうかも」なんていたずらっぽくおっしゃっていました。
今すぐこのまま宝塚の本公演舞台に立てそうなお二人でした。
こだま愛さんと剣幸さん「ミー&マイガール」メドレーもよかったな。
娘役でソロがあったのは、花總まりさんとこだま愛さん、そして最後に加茂さくらさんの3人だけでした。
大地真央さんと黒木瞳さんはゴールデンカップルということで、2人だけ特別コーナーが設けられていました。
「ガイズ&ドールズ」からデュエットした後は、真矢さんも「あとはお二人でどうぞ」という感じで引っ込んで2人のトークとなりました。
2人が舞台で共演するのは宝塚卒業以来なので29年ぶりなのだとか。
すっかり大女優になった黒木瞳さんですが、真央さんの前では、こんな顔見たことない、っていうくらい初々しい笑顔を見せていたのが印象的でした。
真央ちゃんは、うーん、どうだろ?
相変わらず本気なのかどうかわからないポーカーフェイス(笑)。
ファッションセンスも独特だし、やっぱりエポックメイキングなスターさんだなと思いました。
次に登場した郷ちぐささんと古城都さんはとてもパワフル。
もちろんお年は召しているのですが、歌もキザるポーズも男役時代の雰囲気を彷彿とさせて、「あ~、この人たちの現役時代観たかったなぁ」と思いました。
総じて、最近卒業された方たちは髪ものばしてオンナっぽくなられた方が多く、昔の卒業生は短髪で男役のイメージそのままの方が多いという印象でした。
ここで轟さん+現役トップ5人へのインタビューが入ります。
この時の5人の下級生っぷりはなかなか見ものでした。ミキさんの前を通る時のみんなの頭下げっぷりとかw、
真矢さんが柚希さんに「あなた、すばらしかったわ。燕尾の裾が跳ねるのを初めて見たわ」とおっしゃると、「ありがとうございます。魚が跳ねているようだと言っていただいて・・・」と柚希さん。
「違うわよ。私はマティスの絵のことを言ったのに」と若干怒られ気味?(笑)
この後、「タカラジェンヌに栄光あれ」を歌う轟さんのバックをつとめたのは、明日海りお・早霧せいな・紅ゆずる・朝夏まなと。
花組と雪組の次期トップスターの2人含めて、次の時代の4組のトップスターが透けて見えるようでした。
さらに、映像で活躍する大御所の4人の女優さんたち・・朝丘雪路さん・有馬稲子さん・寿美花代さん・八千草薫さんのインタビュー。
これはカオス
どこまで本気なのかほんとに記憶が遠くへ行ってらっしゃるのかわかりませんが、ミキさん大変だったと思います。
「宝塚観て、父にここに入りたいと言ったの。そしたらすぐ、裏口入学」と朝丘雪路さんの爆弾発言には、「そんなことここで言っていいんですか」と大アセリでした。
中では有馬稲子さんが一番キリリとしっかりしてらしたかな。
「自分は4年で辞めたので下級生の気分だったけど、ここへ来たら上の方で」と・・・いやいや迫力あり過ぎですから。「宝塚を辞めてからの方が長いのでそこをどう生きるかが大切」とおっしゃっていたのも印象的でした。
八千草薫さんがとても穏やかな笑顔で、「宝塚は年を重ねれば重ねるほど懐かしく、慕わしい場所」とおっしゃっていたのを聴いてとても温かい気持ちになりました。
最後のコーナーは、鳳蘭さん・加茂さくらさん・眞帆志ぶきさん。
この3人はもう魔物の領域です(笑)。
鳳さん、眞帆さんの変わらぬショーマンシップぶりはもちろん、加茂さんのソプラノ美声っぷりにオドロキ あの人、魔法使えるじゃない?というレベルでした。
最後は全員で「すみれの花咲く頃」の合唱。
みんな笑顔で銀橋渡って。
公式HPには予定上演時間150分と書いてあったのに、ほぼ4時間。
しっかし、すばらしかったです。
昔とイメージ変わらない人も、すっかり変貌してしまった人も、歌もお上手な方もいればそうでない方もいらっしゃいますが、現役時代を知っている人も知らない人のも全部楽しめました。いやむしろ、この人の現役時代観たかったと思えたくらい。
そしてみんな宝塚を本当に愛していて、また大劇場の舞台に戻って来られたことをとても喜んでいらっしゃることが、画面を通じてもひしひしと伝わってきました。
その笑顔を観られる幸せ。100周年のこの年にファンでいてよかった、この瞬間に立ち会えてよかったと心から思ったのでした。
今期スタートの部の飲み会ブッチして行った甲斐ありました のごくらく度 (total 1160 vs 1165 )ሯ
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
この記事へのトラックバック