2014年03月30日

やっぱり楽し! 俳優祭 -演目編-

37haiyusai.jpg前回から2年ぶり。
新しい歌舞伎座になってからは初めての俳優祭。
平日だし期末だしチケ取り大変だし高いし・・・と行き難いことこの上ないあせあせ(飛び散る汗)
けれど、いつまでこんなふうにお気楽な観劇生活続けられるかわからないし、そんなことは考えたくないけれど、次、と言っていたらお目にかかることができなくなる役者さんもいらっしゃるかもしれないことを思えば、行ける時は必ず行っておきましょう、高いチケット代は、ご多忙の中準備してくださったり、当日もたくさんがんばってくださる役者さんへのご祝儀代含むと考えればぜーんぜんOK、と行ってきました俳優祭。

第37回 俳優祭
2014年3月27日(木) 11:30am 歌舞伎座 1階6列センター


まずは演目編。
一、舞踊二題  担当:尾上松緑  尾上菊之助
「六歌仙容彩」  竹本連中 清元連中 長唄囃子連中
遍照: 尾上松緑/遍照  中村芝雀/小町
文屋: 中村勘九郎/文屋 
業平: 尾上菊之助/業平  中村七之助/小町
喜撰: 市川染五郎/喜撰  中村時蔵/お梶
黒主: 市川海老蔵/黒主  坂東玉三郎/小町


平安期の和歌の名人・六歌仙(僧正遍照・文屋康秀・在原業平・喜撰法師・大伴黒主・小野小町)を題材とした五変化の舞踊。五人の男たちがそれぞれ美女として名高い小町に言い寄るが、結局誰の恋も実らないというストーリー。
いくつかは観たことがあるのですが、こうしてまとまって観るのは初めて。
しかも、これぞ俳優祭!という豪華キャストです。

五人の色男+小野小町を踊るのは6人の花形と坂東玉三郎さん。
これがそれぞれキャラクターにハマっていて、このまま本公演に持って行ってもいいくらい(豪華すぎて実現不可能かしら)。一番印象に残ったのは、中村勘九郎さんの文屋。
小野小町のもとへ行こうとする文屋を制する官女が橘太郎さんや山左衛門さんや、何だかみんな年増で(笑)ちょっと妹背山の意地悪官女みたいでした。
そこをすり抜けようとする文屋のユーモラスな踊りなのですが、多分超絶技巧が必要で、それを軽々と見せるのは勘九郎さんならでは。

平安時代のイケメンの代名詞・在原業平の菊之助さん&小野小町の七之助さんは錦絵から抜け出てきたような溜息が出る美しさ。
同じ小野小町でも坂東玉三郎さんは美しいだけではない強さがあって、ぶっかえりの黒主・海老蔵さんと迫力競演という感じでした。

喜撰の染五郎さんはちょっとお痩せになったように見えました。ますます小顔で、そのためか所化さんに見えなくもなかったような(笑)。

傳左衛門さんが真ん中にで~んと構える囃子方さんや三味線さんたちも場面が変わるたびに裃着替えて出ていらしたのも印象的でした。


素踊 「楠公」 長唄囃子連中
出演: 中村又五郎  中村橋之助  中村錦之助  中村扇雀  片岡孝太郎  中村梅枝  中村歌昇 ほか


南北朝時代。太平記でおなじみの「桜井の別れ」「湊川の合戦」を題材とした舞踊。
前半では楠木正成(楠公)・正行親子の情愛が、後半では足利尊氏軍との激闘が描かれます。
・・・ということですが、踊りに疎い私にはあまりその意味はわかりませんでした(笑)。
が、総勢三十名の素踊りは見どころ満載。
特に歌昇くんが左右に壱太郎くん、萬太郎くんを従えて出て来た時にはテンション上がりました。
この場面は御曹司祭りで、周りを見れば巳之助くんいるし米吉くんいるし隼人くんいるし、あれ、梅枝くん?新悟くんも右近くんも・・・って、なにしろ戦ですからスピード感たっぷりの舞で、疾風怒濤のごとく出ては入り入っては出て。
歌昇くんのキビキビした踊りは観たいし他の人たちも、と目がいくつあっても足りないくらいでした。

若者に負けじと踏ん張る又五郎さん、橋之助さん、錦之助さんの中年次男ズ(笑)の踊りはさすがの高値安定っぷり。

壱太郎くんが何だか日焼けしていて「黒いね~。きっとどこか行ってきたんだねぇ」と言っていたら、後から出てきた叔父様(扇雀さん)も黒かったのでちょっと笑ってしまいました。


IMG_0756.jpg



三、鈴ヶ森錦繍雲駕  一幕
出演: 松本金太郎  藤間大河  尾上菊五郎  中村吉右衛門  松本幸四郎  市川左團次  中村梅玉  片岡秀太郎  中村歌六  坂東三津五郎  市川染五郎  尾上松緑  くまモン ほか  


模擬店を間にはさんで、毎回お楽しみのオールスター爆笑お芝居。今回は「鈴ヶ森」。
東海道品川にほど近い刑場、鈴ヶ森でおたずね者の白井権八をとらえようと賞金目当ての雲助たちがあの手この手でからんでくる。そこへ通りかかる幡随長兵衛・・・というお話。
今回は白井権八に9歳のお誕生日を迎えた松本金太郎くん、幡随長兵衛に8歳の藤間大河くんというフレッシュ(すぎるくらいの)顔合わせ。

小さくてお人形さんのように綺麗でカワイイ白井権八に群がる雲助たち。
中でも飛脚早助の市川左團次さんが持って行っちゃったかな。
飛脚として登場して、雲助に寄ってたかって身ぐるみはがされて現れた姿は、黒のスッケスケのメイドエプロンに黒Tバック。お尻を舞台上の他の人たちに向けたり、はたまた客席に見せつけたり。真後ろにいた彌十郎さんなんて素で笑ってましたもん。もちろん客席爆笑わーい(嬉しい顔)
俳優祭の模様は5/31にNHK Eテレで放映されるそうですが、あれは放送コード的にどうなるのでしょう。
おまけに左團次さん、金太郎ちゃん紹介するのに「市川・・」と言いかけて、「松本、松本」と亀蔵さんにマジ注意されてました。

いつも色っぽいおばちゃまの秀太郎さんの小汚い雲助とか、梅玉さん vs 魁春さん(いずれも雲助)のヘルメットじゃんけんとか、翫雀さん雲助は頭に大きな赤いリボンをつけて女の子口調、なぜに?と思ったらその後、キティちゃん持って登場など、俳優祭ならではの姿もたくさん見られてほんとに楽しムード

幸四郎さんは雲助だけど北海の熊六でちょっとカッコよかったな。
俳優協会理事長と専務理事の人間国宝お二人はコスプレで揃って登場。
菊五郎さんは背番号19番のヤンキースのユニフォーム。まーくんですね。全然似ていませんでしたが(笑)。
吉右衛門さんはお相撲さんの着ぐるみ着てザンバ髪で「遠藤」と書いてありました。
何だか恥ずかしそうで舞台上手の隅っこで壁に向かって一人突っ張り稽古していらっしゃる姿が何とも可愛かったです。
親戚になったコスプレ好きのまーくんに無理やり付き合わされたのかしら?

主役二人のパパたち(染五郎さんと松緑さん)は権八を乗せてくるかごかき。
自分たちの演技もしながら息子たちを見守りながら、なかなか忙しそう。
最後はスッパリ権八に斬られていました。

そんな大人たちのはしゃぎっぷりはどこ吹く風と、至ってクールに淡々とお芝居を進める主役二人。あんな姿目の前で見せられてよくポーカーフェイスでいられるなぁ。
おっとりして品よい美少年・金太郎くんの白井権八、江戸前の親分の雰囲気がすごく出ていて感心した大河クンの幡随院長兵衛。二人ともお見事でした。
大河くん長兵衛が「お若ぇの、お待ちなせぇやし」とか言った日には「あんたどんだけ若いんだよ」とちょっと笑っちゃいましたが。

金太郎くんはちょうどこの日がお誕生日だったので、下座の三味線で♪Happy Birthday の曲が流れ、錦吾さん雲助が頭にバースデーケーキを乗せて登場という趣向。
一方の大河くんは、秀調さん雲助が腹に巻いたさらしをくるくるほどく「六月左近襲名」裏には「おめでとう」と書かれていました。


カーテンコールでは役者さん総出でくまモンも一緒に手拭い撒きがありました。
私たちの席は6列目の真ん中で結構いいポジションだったのだけど、残念ながら飛んで来ずバッド(下向き矢印)
haiyutenu.jpg首尾よくゲットできた方に送っていただいた画像がこちら。
刀を構えた権八と駕籠に乗った長兵衛がシルエットで左右に描かれ、中央には赤でHAIYUSAIの文字が入ったステキなデザイン。ほしかったな。


しっかしこれだけでも長いよレポ のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1155 わーい(嬉しい顔) vs 1160 ふらふら)
posted by スキップ at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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