「ベルばらはもうおなかいっぱい」と思いながらも、組や演じる人が違ったらつい観たくなるという歌劇団の策略にマンマとはまって観に行きました。
チケットを取った時にはまだ発表されていませんでしたが、次期雪組トップスター&トップ娘役に決まった早霧せいなさん・咲妃みゆさんが揃って、プレお披露目のような趣き。
宝塚歌劇 雪組 全国ツアー公演
宝塚グランドロマン 「ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-」
原作: 池田理代子
脚本・演出: 植田紳爾 演出: 谷 正純
出演: 早霧せいな 夢乃聖夏 夏美よう 梨花ますみ 奏乃はると 鳳翔大 蓮城まこと 彩凪翔 彩風咲奈 咲妃みゆ ほか
2014年3月8日(土) 4:30pm 梅田芸術劇場メインホール 1階11列上手
宝塚のベルばらにもいろいろありますが、今回は「オスカルとアンドレ編」ということで、昨年上演された月組版と脚本・構成はほぼ同じです。
ガラスの馬車のような大がかりな舞台装置はなく、人数も少ないので戦闘や民衆の群舞の場面などの迫力不足は否めませんが、これはこれでよくまとまっていてアリな感じ。元々、セリとか盆といった宝塚大劇場ならではの舞台機構を駆使するという演出ではありませんし。カーテンあれば何とかなるっていう・・・(苦笑)。
印象的だったのは、オスカル(早霧せいな)とアンドレ(夢乃聖夏)、そしてジェローデル(鳳翔大)のバランスのよさ。
それぞれの芝居の雰囲気はもちろん、長身脚長のアンドレ、ジェローデルが、少し小柄で華奢なオスカルを包み込む、というバランスもなかなか萌えポイントでした。早霧せいなさんは元々オスカルのイメージを持った美しい男役さんで、昨年の雪組「フェルゼン編」でオスカルを演じた時にも感じたのですが、ちょっと硬質な雰囲気が女性でありながら男として生きてきたオスカルによくハマっています。
凛として肩肘張っていて激しくて、だけど熱い思いも切なさも胸に秘めた、あまり女っぽ過ぎない、私の好きなタイプのオスカルです。
女っぽ過ぎないと言えば、「今宵一夜」で、「あなたの妻と呼ばれたいのです」ではなく、「お前の妻と呼ばれたいのだ」と言ってて、オスカル-アンドレの関係性がよく表れていてよかったです。脚本手直ししたのかな?
プロローグで白い軍服着て颯爽と登場して♪愛 それは~と歌い始めた時、音程ハズしててと思いましたが、全体的には歌もそれほど心配ではなかったです。ベルばらマジックか?
これに対する夢乃聖夏アンドレがまたよかったな。
同期ということもあってか、とてもオスカルに近く、オスカルに寄り添うアンドレでした。そう、ふたご座のカストルとポルックスのように。
夢乃さんの芸風(というのか?)からして、もっと暑苦しい(←失礼)アンドレを予想していたのですが、もちろん情熱的ではあるものの、台詞もそれほど力が入っていなくて自然体で、本当にオスカルのことを思っていて包容力もあって、そして身分の差という切なさも感じられるステキなアンドレでした。
パリへ進軍するとなった前日のアランはじめ衛兵隊たちとの「ほふく前進」のシーンでは思わず落涙(ここで泣いたのは壮さんのアンドレ以来だ)。
そしてフィナーレの「小雨降る径」のザ・男役なダンスのカッコよさ、色っぽさには目が釘づけになりました
それにしても超絶足長さん。オスカルと剣の練習をしながら登場した時、あまりの脚の長さに開いた口がふさがらない思いでした。
足長さんといえば鳳翔大さんのジェローデル。
これくらい端正でビジュアル完璧だとオスカルの結婚相手としてアンドレが絶望しちゃうのもむべなるかなの説得力。
ひたすらオスカルを思う熱い夢乃アンドレに対して何ごとにもあまり必死にならない(ほめてます)ところもバランスよかったです。ほんとに貴族で紳士。
そういえば、ジェローデルがバスティーユの場面で「君はなんということをっ!」とオスカルを平手打ちするところもなかったな。これも脚本改良点かしら。
これが雪組デビューの咲妃みゆちゃんは完全トップ娘役ポジション。
ロザリー役はもちろん、オープニングもフィナーレも綺麗なドレス着てソロ。子ども時代のオスカルとして出てきた時はびっくりしましたが、後で調べたら去年の月組の時にもやっていたのね。フィナーレのロケットにも出ててさらにびっくり。次期トップ娘役とはいえさすが年功序列厳しきタカラヅカでございます。
やはり華あるし可愛いです、みゆちゃん。お芝居も上手だし歌ものびやかで聴きやすい声。ビジュアルは時々蒼乃夕妃さんに似てるなぁと感じることがありました。
フィナーレのお辞儀の時には北翔海莉さんみたいに「ありがとうございました」って口パクしてました。
奏乃はるとさんのブイエ将軍もよかったな。「Shall we ダンス?」では探偵さんだったのに、ほんとに何をやってもお上手です。
会場でいただいたカードにはオスカル・アンドレと今回の全ツ公演で訪れる土地の出身者のメッセージとサイン入り。
今回大阪では、梨花ますみ組長に紹介された人たち「おおきに~」「まいど~」と元気よく叫ぶ中、雛月乙葉さん「あべのハルカスおめでとー!」って言ってました。ちなみに彩凪翔くんは「また観に来てや~」(笑)。
客席には前雪組トップの音月桂さん。
ワインレッドのふわりとしたトップスにスリムパンツ、肩にかかるロングヘアの綺麗なお姉さんで、もうすっかり女優さんだな。
幕間に出入りする時も終演後も、相変わらずキュートな笑顔をふりまいていらっしゃいました。通路側だった私の席のすぐ横を行き来されたので、通られるたびにガン見です
でもやっぱりベルばらはおなかいっぱい。星組の全ツがベルばらではありませんように のごくらく地獄度 (total 1144 vs 1153 )
2014年03月12日
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