2014年03月06日

お帰り~♪ 近鉄アート館② 「升毅とおかしな大阪人たち」

mas.jpg升毅さんが座長を務め、2002年に解散した劇団MOTHER。
そのホームグラウンドだった近鉄アート館。

近鉄アート館復活祭 第3夜はあの頃のMOTHERの仲間が集い、思い出話に花を咲かせるステージ。
私もちょっぴり同窓会に混ぜていただいた気分。


近鉄アート館復活祭 三夜
「升毅とおかしな大阪人たち ~アート館があった頃、
そして再びアート館~」

構成: 東野博昭
演出: G2
出演: 升毅  わかぎゑふ  川下大洋  コング桑田  
G2  東野ひろあき ほか

2014年3月2日(日) 5:00pm 近鉄アート館 J列


このイベントは自由席・・・だけどチケットに整理番号があって、多分番号順に入場して好きな座席に座ったものと思われます。
タカラヅカトーク&ライブが思いのほか盛りだくさんで、20分ほど遅刻してしまったので入場時の様子はよくわかりませんが。
「今からだと入りやすいお席にしかご案内できませんが」と言われて案内された席は2階バルコニー席でした。正面で前を遮るものはなく、元々キャパの小さな劇場なので見易かったです。

四面客席。
舞台はなくて、四方を取り囲まれた客席の床がそのままステージ。
そうそう、MOTHERの舞台ってこうだったよなぁ、と、まるでタイムスリップしたよう。
そこに4脚椅子を置いて、升毅さん、わかぎゑふさん、川下大洋さん、コング桑田さんが真ん中を囲んでトークする形。私が入った時は、「12人のおかしな大阪人」のお話で盛り上がっていました。
その後、懐かしい映像も。
映画「12人の怒れる男」がベースで、三谷幸喜さんの「12人の優しい日本人」とか、蜷川幸雄さん演出・中井貴一さん主演の舞台もありましたが、この作品、G2プロデュースで、生瀬勝久さん演出で、MOTHERから升さん、牧野エミさん、川下大洋さん、そとばこまちから生瀬勝久さん、山西惇さん、M.O.Pからキムラ緑子さん、三上市朗さん、そしてリリパットアーミーからわかぎゑふさんとコング桑田さん、と、今から思えばキセキのような関西小劇場オールスターキャスト。
(概要はこちら)また観たいなぁ。

この作品がアート館で上演されたのは1995年1月。
阪神淡路大震災の直後で、チケット完売だったのに空席が多かったり、被災して家が全半壊したにもかかわらず観に来てくれた人がいたり。
そんな中、生瀬勝久さんはいっぱいいっぱいになってしまって、劇中、隣に座るゑふさん(小学生役)の落書きノートに「俺、あかん」と書いた → ゑふさんはその走り書きを演技として三上市朗さんに見せた → 「台詞忘れたら俺が言う」と書き返し、生瀬さんが劇中食べるはずだった吉野家の牛丼(特盛り)も代わりに食べ切ったという三上艦長オトコマエ伝説を披露してくれました。
義捐金を集めるために出演者が毎日色紙にサインを寄せ書きして売り、キムラ緑子さんなんて、最初は「サインなんてない」と楷書で名前書いていたのに、結局期間中1万枚くらい書いたので、すらすらサイン書けるようになったのだとか。

この後、MOTHERのロープを使ったダンス、そのロープに洗濯ものを干す一場面を実際に升さんたちがやってくれて、またその公演の映像を観たり。
このロープの演出、「どうせ四方囲みだから、絶対に見えないものが出てくる。だったらわざと見えないものをつくってやろうじゃないか」「こっちのお客さんだけ笑ってる、とかね」というお話や、東野博昭さんとG2さんも加わって、「あかんゆーてもどうしても客席とからみたがる、というか絶対からむから、それやったらからむばっかりの芝居つくったろ思て脚本書きました」といったお話は、舞台演出の裏話としてもとても興味深かったです。

次回公演「一郎ちゃんがいく。」
今回は、G2さんがスケジュールの都合で演出できず、脚本のゑふさんが演出も担当されたのだとか。「ちょっと可愛い雰囲気になったのではないかと思います」とおっしゃっていました。
先日終わったばかりの青山円形劇場での東京公演では、粟根まことさんが千秋楽にはついにドア壊しちゃったらしいです。
あるドアから出て円形劇場の外のロビーを声をあげなから半周(客席には声だけが聞こえている)して別のドアから入って来る、という演出だったそうで、「ここでもやってみる?」「コングやってみてよ」みたいな流れで、コングさんが実際上手のドアから出て「ああぁ~」と叫びながら走って下手のドアから入ってくる、というのもやってくれました。

こんな感じで、裏話トーク炸裂しつつ、昔の映像も流しつつ、残っていた小道具を実際に使いつつ、ダンスも披露しつつ・・・な、懐かしくて楽しくて温かい時間が過ぎていきました。

後半は、「今までがこれまでのアート館なら、ここからはこれからのアート館ということで」という升さんの紹介で、今後連続して公演される作品・劇団の代表5組が登場。
その中に元劇団☆新感線のフランキー仲村さんがいらしてこれまた懐かしさアップグッド(上向き矢印)
フランキーさん、「家が富田林やからここは電車一本で来れてほんまうれしい」って(笑)。いや、それは私もです。

そして最後のダンサー紹介で、升さんが檀上の若いダンサーたちを見上げて、「エミが一番喜んでると思う。ありがとう」と静かにつぶやいた言葉を聞いて泣きそうになりました。
MOTHERのダンスの振付をほぼ一人で担当していらしたという牧野エミさん。「プラシーボ・デパート」の映像にも出演されていて、爆笑してしまいましたが、空の上からアート館の復活を見守っていてくださるかな。いや、あの時、升さんの隣で笑っていらしたのではないかしら。


IMG_8149.jpg終演後ロビーでは、G2さんが事務所片付けてたら出てきたという「プラシーボ・デパート」「ジャンキースクエア」「シャイバン」のDVD各10本をコング桑田さんが手売り。「ダンサーたちの今日の飲み代にするから」って。
「写真OKだからっ!」とカメラ目線くれるコングさん、オットコマエ~。
そして瞬く間に売り切れて謝りながら、「これで飲みに行ける。ありがとう」と去って行かれたのでした。


自分で思ってた以上にアート館復活を私は喜んでいる のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1141 わーい(嬉しい顔) vs 1150 ふらふら)
posted by スキップ at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
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