2014年02月14日

二月花形歌舞伎 夜の部 「青砥稿花紅彩画」

IMG_7438.jpg歌舞伎座 昼の部終演してロビーに出ると「外は吹雪いていますので地下鉄ご利用の方はこちらの出口からどうぞ」と係の方が案内してくださるくらいの吹雪。
昼の部で偶然ご一緒だった雪樹さんがお茶につき合ってくださることになり、お隣の文明堂さんで楽しくおしゃべり(幕間にも散々おしゃべりしたのですがわーい(嬉しい顔))。
あの細い道を一本横切るだけなのに傘をさして足元にも気をつけて恐る恐る、という感じ。
画像はバンバン降る雪にまみれながら撮ったもの。雪に煙る歌舞伎座というのもめったに見られない貴重な光景でした。

そして夜の部。

歌舞伎座新開場柿葺落 二月花形歌舞伎 夜の部
通し狂言 「青砥稿花紅彩画」 (あおとぞうしはなのにしきえ)
白浪五人男
序幕 初瀬寺花見の場から大詰 滑川土橋の場まで

出演: 尾上菊之助  尾上松緑  中村七之助  坂東亀三郎  中村梅枝  尾上右近  
藤間大河  市川團蔵  市川染五郎 ほか

2014年2月8日(土) 4:30pm 歌舞伎座 3階1列下手


見取りで上演されることの多い浜松屋見世先の場や稲瀬川勢揃の場は何度も観たことがあるのですが、通しで観るのは実は初めて。
いろんな事情や人間関係がよくわかって、やっぱり面白い。
浜松屋幸兵衛と弁天小僧、浜松屋倅宗之助と日本駄右衛門の関係も今回初めて知って「ほへ~目」となった次第。

幕開きは満開の桜の下で千寿姫(梅枝)が許婚の小太郎・・・になりすました弁天小僧(菊之助)と結ばれる場面ですが、「これ、前に観たぞ」と思いながら思い出せず、帰ってから調べたら九月に観た「新薄雪物語」でした。違う演目じゃんあせあせ(飛び散る汗)お姫様がどちらも梅枝くんだったから混乱したのかな。建物の設えといい、本人たちが恥ずかしがるところ、奴と腰元が取り持つところといい、似ていませんか?この後の展開はもちろん違っていて、弁天が自分の正体を明かし、嘆き悲しむ千寿姫が身投げするのも冷酷に見捨てる弁天小僧・・・悪~っ。
そして弁天は日本駄右衛門(染五郎と出会い、赤星十三郎(七之助)と忠信利平(亀三郎)の因縁が描かれ、となかなか深い物語。
ふんふん、ナルホド、そういういきさつがあって五人が集まっていったのか、と興味シンシンでした。それにしても亀三郎さん、相変わらずよく通るよいお声です。

ご存知「浜松屋の場」は、まず、大家のお嬢様に扮した菊之助弁天の美しさ。
あの美しさがあって、 「知らざぁ言って聞かせやしょう」という見顕しとの対比がより際立つなぁと思いました。
また、菊之助さんがお父様の菊五郎さんにとても似てきたとも感じました。これまではそんなふうにはあまり思わなかったのに。
去年四月に菊五郎さんの弁天小僧を観た残像がまだ目に心に焼きついているせいがあるのかもしれません。あの四月の時も「極楽寺屋根上の場」があって、かなり傾斜のついた屋根の上での菊五郎さんの大立ち回りに目を見張ったものですが、菊之助弁天は若くて見目麗しい上に身体能力も高くてたっぷり楽しめました。
ただ、最後のがんどう返しは、私の観た座席位置からの見え方がそうだったのかもしれませんが、屋根が返っていくぎりぎりまで客席に向かって見得をキメ続けた菊五郎パパの勝ち(笑)。

南郷力丸は松緑さん。菊之助さんとは共演も多く、気心知れた感じがぴったりでした。
昼の部でも感じましたが、松緑さん、ますます痩せたよね~。
松緑さんといえば、ご長男の大河くんが浜松屋の丁稚をしっかり勤めていてやんやの喝采を受けていました。「音羽屋っ!」の他に「たいがっ!」「たいがっ!」って大向うがかかっていました。

IMG_6275.jpg稲瀬川の勢揃いのツラネはいつも壮観ですが、花形の今月は特に華やか。若けれど口跡のよい人たちで花も実もある白浪五人男でした。
こちらの画像は木挽町広場に飾られていた五人男の傘。

染五郎さんの日本駄右衛門は、この役にしては些か若過ぎるとか線が細いといった観は否めませんが、他の四人をまとめる長としての大きさや華は存分に。
最後の山門の場面で染五郎さん駄右衛門に対して菊之助さんが青砥左衛門藤綱としてきりりと登場したのに驚いていたら、両脇に従う家臣が歌昇くんと萬太郎くんで、「何なの、最後にこのご馳走はムード」としっぽまであんこたっぷりのたい焼きのように楽しみました
(いやいや、帰りの新幹線を心配して早く切り上げて帰ったりしなくてよかったワ)



舞台写真入りの筋書が出たら送っていただけることを雪樹さんから教えていただいて、今回はそれをお願いしました。送料80円。ありがた~い♪ のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1135 わーい(嬉しい顔) vs 1143 ふらふら)
posted by スキップ at 23:14| Comment(4) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
参考になりました。
Posted by ケンボウ at 2014年02月15日 21:13
♪ケンボウさま

いやいやいや、ご参考にはならないと思いますよ(笑)。
もっとちゃんとした観想をお書きの歌舞伎通の方がたくさん
いらっしゃいますのでそちらをご参考になさってくださいね~。
Posted by スキップ at 2014年02月16日 19:42
ご観劇が1週間後だったら、さらに大変なことになってましたね。
それにしても、雪の中の日帰り歌舞伎座、お疲れ様でした。思い返しても、手に汗握る、ですわ。
実は「行ってきた そして帰ってきた」の項にコメントしたつもりが、できてなくて(確認だけして書き込みクリックをしなかったらしい)、こんな間抜けなことになってしまいました。

スキップさまの後に、私も夜の部を2回見まして、時間とお金さえあればまだまだ見たい、って気分です。花形の奮闘に、なんだかジーンとしたりして。昼夜ともにほんと満足!でした。
来月は久しぶりに南座遠征の予定です。
Posted by きびだんご at 2014年02月23日 23:10
♪きびだんごさま

ほんとですね~。
あの時は「何でこんな日に・・」と思いましたが、1週間後だと
もっと「何で何でこんな日に」と感じたことでしょう。
でも多分行ってたと思いますが(笑)。

菊之助さん弁天小僧、ステキでしたね~。
きびだんごさまが何度もご覧になりたいっていうお気持ち、
わかります。歌舞伎座で、花形だけで、こんな演目できるように
なったなんて、ほんとに感慨深いです。

三月の南座はまた菊之助さん松緑さんコンビがのびのびと
楽しませてくれそうですね♪
Posted by スキップ at 2014年02月23日 23:58
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