2014年01月20日

レット・バトラー完成形 月組 「風と共に去りぬ」

gonewith.jpg昨年観た宙組が「バトラー編」だとすると、こちらは「スカーレット編」ということになるのかな。
いや、でも私がはるか昔に観た汀夏子さん主演のスカーレット編はスカーレットⅡなんて出てこなかったゾ・・・。
え、何?「総集編」ですって!?

宝塚歌劇 月組公演
宝塚グランドロマン 「風と共に去りぬ」
原作: マーガレット・ミッチェル
脚本・演出: 植田紳爾    演出: 谷正純
出演: 龍真咲  星条海斗  沙央くらま  光月るう  
凪七瑠海  美翔かずき  紫門ゆりや  愛希れいか/
轟 悠  汝鳥伶  ほか

2014年1月18日(土) 12:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階3列下手


上演時間は休憩含めて3時間15分。
大劇場では少し長めのフィナーレつきで3時間ぴったりだったことを思うとやはり物語の要素がたっぷり。
スカーレットがすでに未亡人となってアトランタにやって来るとことから始まったバトラー編に対して、今回は、樫の木屋敷のアシュレの家の園遊会から。
そこでアシュレ(沙央くらま)がメラニー(愛希れいか)と婚約発表することを知ったスカーレット(龍真咲)がアシュレに愛を告白してフラれるところをバトラー(轟悠)が偶然聞いている・・・という映画と同じ始まり。
スカーレットが金策のために自分の家のカーテンを切ってドレスをつくり、牢獄にいるバトラーに会いに行く場面や、バトラーと結婚する前のスカーレットの二度目の結婚、その夫・フランクやアシュレのKKKとの関わりなど、映画や原作にかなり忠実な構成で流れがよりわかりやすい印象でした。その半面、ミード博士の息子・フィルの出征や、戦争で目が不自由になったルネのくだりなどはカットされていましたが。

しかーし、何と言っても轟悠さんのレット・バトラーに尽きます。
轟さんがバトラーを演じるのは4回目ということですが、私は初見。
多分ステキだろうなぁ~とは思っていましたが、はるかに上を行っていました。何でしょ?
大人。
余裕たっぷり。
色っぽい。
・・・そして男(笑)。

スカーレットを手のひらの上で転がしてるっていう感じで、必死にあれこれ言うスカーレットを少し離れてにやにや笑いながら眺めている表情や姿がほんと、余裕たっぷりでカッコいいんだ揺れるハート しかもキケンな男の色気も放って。
野性味も粗野な雰囲気もあるのにダンディで、下品にならないところもすばらしい。笑顔、手の動かし方、歩き方、スーツの着こなし、すべてがまさにレット・バトラーの完成形だと思いました。
メインホールに響きわたる♪さよならは夕映えの中での歌唱はもちろん、南軍とともに戦うシーンのダンスもシャープだったな。

龍真咲さんのスカーレットは、喪服を着たままのバザーのダンスがぴょんぴょん弾むようでとっても可愛かったです。
娘役と言っても違和感ない美しさで、自信たっぷりで勝ち気で意志の強さが感じられるスカーレットでした。
スカーレットってわがままで自己チューで、一つ間違えばイヤな女の部類だと思うのですが、それでもレットに愛され、メラニーに慕われ、周りの男たちがほっておかないのは、強さの中に秘めたやさしさ、育ちのよさ、そしてそこらの女にはない別格感があるからだと思うのですが、そのあたりがもうひと息といったところでしょうか。

今回、スカーレットⅡも男役の凪七瑠海さんでしたが、凪七さんの方がさらに違和感なかったです。元々娘役やってもよさそうなスリムな美人で、「エリザベート」や「ME AND MY GIRL」などで娘役の経験もありますし。そして凪七さんの個性が本音を語るスカーレットⅡによくハマっていたと思います。

もう一人のヒロイン・メラニーは愛希れいかさん。
多分ちゃぴちゃんの個性とは違うところにある役だと思うのですが、とてもやわらかいやさしい笑顔がステキでした。
ただこの役は宙組の実咲凛音さんがすばらしかったので、ちゃぴちゃんはちょっと分が悪かったかもしれません。

そのメラニーの夫でスカーレットの初恋の人・アシュレは沙央くらまさん。
端正なビジュアルで、ソロの歌唱も聴かせてくれましたが、メラニーを失った後の喪失感、絶望感とそれまでとの落差があまり感じらなかったかなぁ。
ここ、スカーレットがその姿を見て目が覚めるのだからとても重要だと思うのです。

他に印象に残ったのはミード博士の星条海斗さんとベル・ワットリングの光月るうさん、そして、美翔かずきさんのメリーウェザー夫人!

ミード博士は「メリー・ウィドウ」のツェータ男爵をちょっと思い出しちゃったけど、押し出し立派でお髭もお似合い。いかにもアメリカンな男の人でした。白衣姿もカッコよかった!

光月るうさんのベルは、同じく男役がやった宙組(誰とは言いませんが緒月遠麻さんですがわーい(嬉しい顔))よりかなりナチュラル女役だという印象。でもちゃんとベルでした。台詞が明瞭だったのもよかったです。

そしてメリーウェザー夫人。
ご婦人がたの中に超美人がいる目 と思ってよくよく見たら、美翔かずきさんでした。いやいや、男役の時ももちろん美形ですが、あの美しさぴかぴか(新しい) 南部の上流階級の夫人らしい気品もあって、何だか周りのホンモノの(笑)娘役さんが霞んでしまうような、輝くばかりの美しさでございました。


轟さんにオドロキ(ダジャレかいっ!) のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1127 わーい(嬉しい顔) vs 1132 ふらふら)
posted by スキップ at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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