2013年12月26日

當る午歳 吉例顔見世興行 昼の部

kaomise13.jpgチケット代は高いし演目多くて時間長いし・・とは思っても、これを観ないとやっぱり年を越せる気がしません。

當る午歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 昼の部
二代目市川猿翁
四代目市川猿之助
九代目市川中車    襲名披露


2013年12月21日(土) 10:30am 京都南座 1階2列下手


昼の部は毎年貸切公演にご招待いただいていて、今年もありがたいことに、おいしいお弁当と番附つきで拝見してきました。


一、 厳島招檜扇
出演: 片岡我當  坂東亀寿  中村亀鶴  中村萬太郎  中村壱太郎  
市川月乃助  市川笑三郎  片岡進之介 ほか


厳島神社造営の祝宴にて祇王(壱太郎)とともに舞を舞った仏御前(笑三郎)は親の仇と清盛(我當)に斬りかかりますが、実は彼女は源義朝の娘・九重姫でした。清盛は首を刎ねようとする瀬尾(亀鶴)を止めて、仏御前を許し、さらには、大経堂の建築が間に合わないので、夕方にならないよう檜扇で夕日を招き返す、という、清盛の大きさを物語る・・・というストーリーはともかく(笑)、我當中心の松嶋屋さんの舞台に、月乃助さん、笑三郎さんという澤瀉屋の面々が主要な役で連座し、さらによく見れば、ひな壇に座っているのは萬太郎くんじゃない!と、いかにも 「東西合同」の顔見世らしい演目で眼福。
笑三郎さんも月乃助さんもきりりと美しく、口跡爽やか。西の舞台でオモダカーズの底力と存在感を存分に発揮していました。二、 仮名手本忠臣蔵 道行旅路の嫁入
出演: 中村時蔵  中村梅枝  中村翫雀


父親である加古川本蔵が松の廊下で判官を制止したため図らずも敵同士のような関係になってしまったいいなずけの力弥の嫁にしてもらおうと、母の戸無瀬(時蔵)が娘小浪(梅枝)と二人で鎌倉から由良之助の住む山科へと向う旅路。「仮名手本忠臣蔵」の八段目にあたり、当月、先月の歌舞伎座の通しでは上演されなかった段なので、個人的には補完できてよかったです。

時蔵さんと梅枝くん。実の親子でもあるお二人が扮するのは、とても美しい母娘。
時蔵さん戸無瀬の細やかで娘を包み込むようなやさしさ。梅枝くん小浪の控えめで可憐な風情。
男性であることを忘れて見入ってしまいます。二人の旅に合わせて、富士山から琵琶湖の浮御堂へと背景が変わっていき、土地の名前を織り込んだ語りを聞いていると、女二人だけのその旅路の遠さ、大変さんが思いやられました。
翫雀さんはいかにも奴という感じだったのに、花道に来て倒れた時、お香のすごくいい香りがしました(ちょうど花道七三の真横の席だったので)。


三、ぢいさんばあさん
出演: 市川中車  市川右近  市川月乃助  市川春猿  市川猿弥  中村扇雀 ほか


この演目を初めて観たのが2008年の顔見世で、仁左衛門さんの伊織と玉三郎さんのるんという、これ以上ないという顔合わせで、それはそれは可愛っくて素敵で、とても印象に残っているので(しかも下嶋は海老蔵さんという豪華版)、それ以降は誰がやるのを観てもワタシ的にはアウェイ感漂いますので、さすがの中車さんも分が悪い(笑)。

けれど、上質の舞台になっていたと思います。
中車さん・扇雀さんのカップルはどちらも年をとってからの方がよかったな。
老人になった中車さん伊織は、終始腰を曲げ、手の仕草や足の運び、老眼になったことを感じさせるなど、細かい演技で老齢を表現していて、さすが演技はの本領発揮でした。若い時代、最初に登場した時のお顔が少しやつれたように見えたので、「颯爽とした若づくり」が今後の課題かな。

逆に、猿弥さんの久右衛門は、見た目も口調もとても若々しくて、いかにも弟キャラ。血気盛んでいかにも"若気の至り”で過ちを犯し、それを悔やんでいる様子が好青年でした。
それをたしなめる扇雀さんるんは、若い頃は少し落ち着き過ぎかなぁ、と思いましたが、年をとってからはとても品よく、しかも大家に重用されていた上臈といった格のある雰囲気もよく出ていて、そんな人が二人の子供を亡くしてしまったことをとても悔いて伊織に詫びる場面は切なかったです。

二人の運命を狂わせることになる下嶋の右近さんがとてもよかったです。
鬱屈していて嫌味だけれどやり過ぎず、泥酔して乱入してくるところもすごく上手かったな。あと、最初に登場した時の着流し?の裾さばきがカッコよかったのも印象的。

月乃助さん、春猿さんの甥夫婦は、桜の場面ということもあって、本当に華やかで美しい並び。
二人とも美しいばかりでなく台詞もしっかり、でここでも澤瀉屋さんの実力を存分に。春猿さんが武家の奥様というより綺麗な芸妓さんに見えたのはご愛嬌かな。


四、二人椀久
出演: 片岡孝太郎  片岡愛之助


仁左衛門さん休演のため、椀屋久兵衛を踊るのは愛之助さん。
花道七三に狂おしい感じで倒れ込んだ時、翫雀さんとはまた違ったいい香りがしました。
そして、幻想的な舞踊そのままに、ワタシも夢の世界へ・・・すまんっあせあせ(飛び散る汗)
孝太郎さん松山太夫のくるくる回る引込み?はちゃんと観ました。


五、三代猿之助四十八撰の内 義経千本桜
川連法眼館の場 市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候

出演: 市川猿之助  尾上松緑  片岡愛之助  坂東竹三郎  市川寿猿  片岡秀太郎  坂田藤十郎 ほか


猿之助さんの狐忠信を観るのは4回目。
最初に観た2011年5月明治座が本興行では初演で、この12月7日 顔見世興行中に200回を迎えたということですが、もうすっかり「四代目 猿之助の狐忠信」がもうすっかり出来上がった観があります。

最初に登場する本物の忠信との演じ分けもメリハリくっきりで、狐は本当に可愛くて愛おしくて切ない。何度観てもまた観たくなります。
狐ことばには相変わらず少し笑いが起こる場面もありましたが、とても自然に聞こえます。身体能力の高さは言わずもがな。いろんな場面で拍手もどよめきも起こっていました。
ラストの宙乗りは、今回の座席からだと真下から見上げる形だったのですが、貴重な経験でした。大丈夫かしらと心配になるくらい、空中でも弾むように動いている狐でした。

亀井六郎が松緑さん、駿河次郎が愛之助さんという顔見世ならではの豪華配役。
さすがに華やかで場も締ります。松緑さんご出演を知らなくて、「あれ松緑さん?松緑さん出てるの?!」と驚いた次第です。
松緑さん、夜の部も最後の演目にちょこっとだけご出演。贅沢な配役です。

藤十郎さんの義経と秀太郎さん静は演舞場の襲名披露興行の時と同じ配役ですが、品も情も大きさもあってすばらしいです。
秀太郎さんが立ち上がる時に手すりに手をついていたりして少し辛そうだったのが心配でした。


sakura.jpg位置情報 貸切公演のご招待のため、客席には普段歌舞伎を見慣れていない方も多かったと思われ、狐忠信の最初の登場で、揚幕のシャリ~ンという音につられてみんな振り返って、階段からの登場にどよめく、という反応が新鮮でした。

こちらの画像は狐くんが空へと去った後、桜の花びらに覆われた花道。


最後に桜の花びらいっぱいあびてゴキゲンムード のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1114 わーい(嬉しい顔) vs 1117 ふらふら)
posted by スキップ at 23:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。すみません突然に。
「坂東亀寿」さんが「市川」になっていたので
かわいそうに思って・・・
Posted by yamamoto at 2014年01月08日 12:22
♪yamamotoさま

ご指摘ありがとうございます。
早速訂正させていただきました。
お恥ずかしい & 亀寿さんに申し訳ないです。
固有名詞、特に人名には気をつけているつもりなのですが、
もしまたこのようなことをお気づきの際は、ぜひお知らせ
いただければ幸いです。
本当にありがとうございました。
Posted by スキップ at 2014年01月08日 23:11
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