本日は宝塚歌劇「メリー・ウィドウ」東京公演千秋楽。おめでとうございました。
ツイッターのTLには楽しそうな大千秋楽のレポがたくさん上がっていました。私が観たのはもう10日も前ですが、ほんと、楽しかったなぁ。
宝塚歌劇月組 シアター・ドラマシティ公演
MUSICAL 「THE MERRY WIDOW」
~オペレッタ「メリー・ウィドウ」より~
原作: フランツ・レハール
脚本・演出: 谷 正純
出演: 北翔海莉 星条海斗 凪七瑠海 琴音和葉 紫門ゆりや 煌月爽矢 真愛涼歌 咲妃みゆ 暁千星 ほか
2013年12月1日(日) 11:00am シアター・ドラマシティ 3列下手
ウィーンでは年末に上演されることが恒例となっている美しいメロディに彩られた明るく楽しいオペレッタ。
5年位前に佐渡裕さん指揮の舞台を兵芸で観たことがあって、あの舞台もとても楽しかったのですが、今回の作品は、オペレッタの雰囲気はそのままに、宝塚流にうまくアレンジしたミュージカルになっていて、それを北翔さんと若手中心の月組メンバーが一丸となって熱く楽しいステージとして繰り広げてくれました。
舞台は20世紀初頭のパリ。
じゃがいもだけが特産品という小国ポンテヴェロ公国の国王は、未亡人ハンナ(咲妃みゆ)が相続した莫大な遺産の国外流出を防ぐため、彼女を自国の男性と結婚させようと画策し、公使館の書記官・ダニロ伯爵(北翔海莉)に白羽の矢を立てます。実は二人は若い頃、恋人同士だったのです。
一方、吟遊詩人のカミーユ(凪七瑠海)は自分を捨てて結婚してしまったヴァランシエンヌ(琴音和葉)をあきらめきれないでいますが、彼女の夫は、公使館の公使ツェータ男爵(星条海斗)でした。
この二組のカップルを中心に、周りの人たちを巻き込んで恋の駆け引きが繰り広げられる、笑いにあふれた華やかでお洒落でハッピーな大人のおとぎ話。「パリは仕事なんかするところじゃない」と豪語して、パリに赴任するやマキシムに直行するようなダニロは、生真面目な印象の北翔さんとは少しイメージが違うのでは?と思いましたが、何の何の。遊び人だけど男気があって誰からも慕われ、だけど好きな人には意地っ張りでなかなか本当の気持ちを言えない、というダニロを実に活き活きと演じていらっしゃいました。
元より、歌・ダンス・お芝居と三拍子揃ったスターさんですが、今回その実力を如何なく発揮した感じ。9曲も歌った歌はもちろん、カンカンの時の脚の上がりっぷりにも驚嘆
いつも全力投球で自分の最高を見せようとする姿勢は、共演した月組の皆さん、とても得るべきものが多かったのではないかな。
花組の「オーシャンズ11」に出演された時もアドリブで沸かせていらっしゃいましたが、今回も実に楽しそう。私が観た日は、一幕の酔っぱらう場面でシルクハットをパッと脱いだら客席に落ちてしまって、「夢の世界からあちらの世界へ行ってしまった」と大焦り。お客さんに拾ってもらって「すみません」とマジ謝りして、暁千星くんニエグシュに「何か次の台詞言え」って言ってたり(笑)。
ヒロイン・ハンナは咲妃みゆさん。
研4で、北翔さんとは11学年も差があるのですが、堂々と亘り合っていました。ソプラノの歌声も美しいし(少しブレス音が気になりましたが)、小顔で立ち姿も綺麗だし、華があってお芝居も上手。苦しい胸の内を話すダニロに、「あなたがそう思っているの?」と聞いて、意地っ張りのダニロが「いや、もちろん国家が」と答えた時、「かわいそうな国家」と言い返す、この二つの台詞の声の表情の違いが、上手いなぁ~と思いました。さすがに3作連続ヒロインに抜擢されるホープだけのことはあります。彼女に穴があるとすれば、96期ということでしょうか。お顔の雰囲気が遠野あすかさんや蒼乃夕妃さんに似た印象を受けました。
もう一人、がんばっていたのは、ダニロの執事・眼鏡のニエグシュ 暁千星くん。
こちらは研2なのでさらに学年差があって、亘り合えてはいませんでしたが(笑)、必死に喰らいついていました。カンカンの時には見事なピルエットも披露。そういえば今夏の大劇場公演「Fantastic Energy!」のロケットでも超絶テクのピルエット披露してかなり話題になっていましたね。
オッフェンバックの音楽を使ったマキシムでの2回のカンカンは本当に楽しい
特に二幕の、北翔さんも加わるカンカンは圧巻でした。
北翔さんが「アンコール!」って言って2回続けて踊りますが、ほんとによく揃っていて側転などのアクロバティックな振りもピタリと決まっていて、楽しくて何度でも観たいくらいです。カンカンダンサーズに拍手
私が観た日のソワレが大阪の千秋楽で、その時はさらにもう1回!と3回も踊ったそうですが、大丈夫だったかしら(笑)。
若手中心のキャストの中で組長的役割を果たした星条海斗さん。
新妻にメロメロのツェータ男爵 58歳(笑)。押し出しもあるし、コメディセンスも抜群でした。この作品がこんなに楽しい喜歌劇になったのは、マギーさんの熱演によるところも大きいと思います。
二の線を一手に引き受けたカミーユの凪七瑠海さん、その元恋人で美しい人妻ヴァランシエンヌの琴音和葉さん(歌もお上手)、♪金はないけど貴族 のチャラい二人・・紫門ゆりやさん・煌月爽矢さん、三枚目のカワイイおばあさん役に体当たりで熱演の真愛涼歌さん・・・月組は人材豊富でみんな芝居心あって上手いなぁ。しかも、笑わせても浮気な恋の話をしても、さらりと品がよいところも好ましいです。
カーテンコールの北翔さんご挨拶。
「皆様 本日はご観劇くださりありがとうございました。残すところあと1公演で千秋楽となります。みんなで力の限り、そしてニエグシュの滑舌をよく、がんばりたいと思います」(笑)。
これ聞いて、口を押さえて笑う千星くん
千星くんニエグシュ がんばれ~ のごくらく度 (total 1108 vs 1110 )
2013年12月11日
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