2013年06月19日

若さの迸りとあふれる涙と-星組「ロミオとジュリエット」 新人公演

0618shinko.jpg初主演の新人公演を終え、主演としてのご挨拶で皆に感謝を述べる中、絶句して、「泣かないって決めていたんですけど・・」と声を震わせる礼真琴さんにもらい泣きたらーっ(汗)

宝塚歌劇 星組 新人公演 「ロミオとジュリエット」 
潤色・演出: 小池修一郎
新人公演担当: 田渕大輔

2013年6月18日(火) 6:00pm 宝塚大劇場 1階5列センター


主な配役 (  )内は本役:
ロミオ:      礼真琴 (柚希礼音)
ジュリエット:   城妃美伶 (夢咲ねね)
ティボルト:    麻央侑希 (紅ゆずる/真風涼帆)
ベンヴォーリオ: 夏樹れい (礼真琴/紅ゆずる)
マーキューシオ: 紫藤りゅう (壱城あずさ/天寿光希)
ロレンス神父:  ひろ香祐 (英真なおき)
キャピュレット卿: 漣レイラ (一樹千尋)
ヴェローナ大公:  飛河蘭 (十輝いりす)
乳母:         妃海風 (美城れん)
死:          十碧れいや (真風涼帆/麻央侑希)
愛:          凰羽みらい (鶴美舞夕/礼真琴)


2時間半の舞台を休憩なしの1時間50分に短縮して上演。
スタートは仮面舞踏会から。
冒頭の「ヴェローナ」や両家の母親が歌う「憎しみ」はこの作品のテーマを象徴するとも言うべき曲で、これがカットされるのは作品的にいかがなものかと思います。
それに大好きな「世界の王」が聴けなかったこともザンネン。
主演の二人にしても「いつか」がなくていきなり「天使の歌が聞こえる」からではテンションが難しかったのではないかしら。

新人公演らしい歌やダンスや演技の凹凸があったり、台詞を飛ばしたりキスのタイミングが微妙だったり、いろいろありましたが、この作品の世界観を損なうことなく、若いパワーで乗り切って、作品としても楽しむことができました。星組新人公演の「常任主役」といった感のあった真風涼帆さんが新公卒業して以来、若きスターが次々と主役を務める新人公演ですが、このロミオ役は大方の予想通り、礼真琴さんでした。

礼真琴さんのロミオはピュアでナイーブで少年そのもの。年齢が若いという理由からだけではなく、等身大でリアルロミオに最も近いのではないかしら。それでいて歌は心揺さぶられるさすがのクオリティ。キラキラ輝く瞳も印象的。ダンスもお上手ですが、男役としては小柄なこともあってか、動きが何となく小さくまとまっていたり、これは本役でベンヴォーリオをやっている時にも感じたことですが、自分の演技ではない場面では棒立ちになっていたりすることが散見されましたので、今後の課題かな。このあたりは経験がモノを言うのかもしれませんが。
2回目のカーテンコールで、一瞬の沈黙の後、「今は無事に終わってホッとしています」と笑顔を見せた礼真琴さん。それが何より正直な気持ちでしょう。
ことちゃんのことだから、この経験を本公演でも、東京の新人公演でもさらに活かしてくれることと思います。

一方のジュリエット・城妃美伶さんはワタシ的に全くノーマークの娘役さん。のびやかな歌声は魅力的、お芝居も悪くない・・・のにヒロインには何となく地味な印象。それに時として、8学年も上の本役の夢咲ねねさんの方が初々しく思えるのはどうした訳でしょう。もちろん、年齢ではなく演技で初々しく見せるねねちゃんのテクニックあってのことではありますが、メイクのせいかな?まだ研3ですから、これをよい糧としていただきたいです。

ジュリエットかも?という声もあった妃海風さんは乳母。
ビジュアルや所作は乳母にはちょっぴりキュートすぎる気がしないでもないけれど、出過ぎず、やさしく温かい乳母。定評のある歌はもちろんハイレベル。台詞まわしが本役さんのコピーではなく、風ちゃんの演技になっていたことに感心。
もう一人、本役さんと違うアプローチだけどすごくいいなと思ったのは、ひろ香祐さんのロレンス神父。英真なおきさんのイメージが強い役ですが、落ち着いていて大きく包み込むような神父。歌も聴かせてくれました。

麻央侑希さんのティボルト。
すでに新公主演経験もあり、今回本公演でも死という大役を演じています。
上背があり、痩せてシャープになったビジュアルはティボルトによくハマっていました。歌とか演技とか、何かと大変(笑)なのですが、華のある雰囲気はスター候補の資格十分。
同じくスター候補で新公主演経験者で上背もあり、と麻央さんと共通する十碧れいやさんは死。
明るい正統派の二枚目という印象の男役さんですが、つくり込んだメイクで妖しげな死には驚きました。あんな表情できるんだ。人が死ぬと静かに笑う冷たい笑顔が凍りつくような「死」でした。
凰羽みらいさんの愛も身体のラインがとても綺麗で流れるようなダンスが目をひきました。

夏樹れいさんと紫藤りゅうさんのベン/マキュは髪型など工夫の後が感じられましたが、いかにもニコイチという感じで、それぞれの個性が際立つまでには至ってなかったなぁ。私があまり見慣れていないせいもあって、髪の色が違わなければどちらがどちらかわからなかったかも。


フィナーレで舞台上一列に並ぶ出演者を見て、梅芸の初演ってこれくらいの人数だったのかなとふと思いました。
これだけの人数で、あの熱量とパッションはタダゴトではなかったと、改めて3年前の夏に思いを馳せたのでした。


SS席当ったので、柚希さんはじめ星組上級生の皆さんを近くの席で見られる、と楽しみにしていたのですが、横通路から団体で入ってきてはるか彼方(多分、15列目位の上手ブロック)にまとまって着席されたのであんまりよく見えずザンネン のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1116 わーい(嬉しい顔) vs 1117 ふらふら)
posted by スキップ at 22:32| Comment(2) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ことちゃんの新人公演私も観たかったのですが、チケットを取りそびれてしまいました。
でも、スカステとスキップ様の舞台の様子が鮮やかに浮かび上がるブログを観させて貰い少し落着きを取り戻しました(^_^;)昨日は、荒れた天気の中、もう一度ロミオに、そしてやっぱり可愛いかった愛のことちゃんに会い行け、幸せ気分充電してきました。
Posted by sissy at 2013年06月21日 12:25
♪sissyさま

ことちゃんのロミオ、予想通り・・というかそれ以上にすばらしかったです。
歌やダンスには定評がありますが、表情もとても豊かで、舞台の上で
ロミオを生きている感じでした。
新公主演を経験して、ますます大きくなってくれるものと期待しています。

愛のことちゃんもほんとにいいですよね~。
私が次にロミオに会えるのは7月になってから(涙)。
その時、ことちゃんはベンヴォーリオですね。
Posted by スキップ at 2013年06月21日 23:59
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