2012年05月29日

平成中村座 五月大歌舞伎 昼の部


nakamura5.jpg昨日(5/28)、感動と大盛り上がりの中、千穐楽の幕が下りて、7ヵ月のロングラン公演を駆け抜けた平成中村座。
追加公演となった昨日の大楽、ほんとに楽しかったみたいで観たかったなぁ~と今でも思いますが、いえいえ私が観た日だって十分すぎるくらい楽しかったんだから(・・と負け惜しみも言ってみる)。

平成中村座 五月大歌舞伎 昼の部
2012年5月26日(土) 11:00am 平成中村座 
               松席 平場1列下手


一、本朝廿四孝 十種香
出演: 中村七之助  中村勘九郎  片岡亀蔵  坂東橘太郎  坂東彌十郎  中村扇雀 ほか


場内に入るとお香のいい香りが漂っていました。
武田信玄と上杉謙信の争いを題材にして、歌舞伎でも文楽でもよく上演される作品ですが、ちょっと苦手意識が・・というか、上級者向け? こういう演目を観るとまだまだ修行が足らんな、自分、と思い知らされます。見取りで上演されることも多い演目ですが、濡衣の心情とか「十種香」だけ観てもよくわからない部分も多いです。
七之助くんの八重垣姫はとてもよかったです。赤姫の艶やかな着物がよくお似合いの美しさはもちろん、世間知らずのお嬢様が一途に勝頼を慕う気持ちや、勝頼ではないと言われて落ち込む様、絶望して死のうとする哀しみ、真実を知って「そうじゃろ、そうじゃろ」と得意気な弾むような笑顔、表情豊かで可愛く魅力的なお姫様でした。


二、三社祭七百年記念 四変化 弥生の花浅草祭  
神功皇后・武内宿禰/三社祭/通人・野暮大尽/石橋
出演: 市川染五郎  中村勘九郎

     
この幕が始まる前、花道横の最前列に座る私たちの前にお茶子さんがやって来て、「次の幕、染五郎さんが気合の入った踊りを見せてくださいますので、色んなものが飛んでくると思いますがご勘弁ください」みたいなことをおっしゃっていました。

ほんとに楽しかったな、この踊り。
四変化がバラエティに富んでいて、楽し~ムードと思っている間に終わっちゃいました(笑)。

ともに踊り巧者の染五郎さんと勘九郎さんは、見目麗しく、キレのある踊りを、時には激しく、ある時はゆったり、そしてコミカルに(悪玉・染五郎さんはちょっとヒゲダンスっぽい振りもやっていた)、たっぷり見せてくれました。華やかで大きくて、柔らかみのある染五郎さん。伸ばした指先が反る形まで美しく、キビキビと力強く、若さ溢れる勘九郎さん。こうして二人だけの踊りを観ていると、踊りの個性が違っているのも興味深かったです。

「石橋」は去年の歌舞伎チャリティー公演の花形5人の踊りもとても見応えありましたが、2人でも迫力たっぷり。

浅葱幕が振り落とされて、セリ上がってきた二頭の獅子がキリリとカッコよくて、カ~っとテンション上がりました。白毛の染五郎さん、紅い毛の勘九郎さん、隈取も綺麗。
染五郎さん白獅子は花道に出て来て、七三あたりで毛を前にざっとおろして毛振りを始めるので、花道横の人たちに当っていきます。これかぁ、お茶子さんがおっしゃっていたのは。何だかお祓いでもしてもらってるみたいで縁起がいい感じ、こんなのならもっとバンバン当ってもOKよ。
2人の毛振りは鋭く力強く、すごいスピードと迫力ですが型は崩れません。染五郎さんがグングンスピードを上げて回転して勘九郎さんを煽っているように見えましたが、もちろん勘九郎獅子も負けてはいません。客席からどよめきが起こる中、火花散るような好勝負。最後に見得を決めた勘九郎さん、隈取が汗で滲んでいました。本当によいものを見せていただきました。

位置情報 この「石橋」の前は、浅葱幕の後ろでお二人がナマ拵えをしていて、私たちには見えなかったけれど、桜席の人たちはずっとそれをご覧になれたらしい・・・いと うらやまし。


三、神明恵和合取組  め組の喧嘩
出演: 中村勘三郎  中村扇雀  中村橋之助  中村錦之助  中村勘九郎  片岡亀蔵  
中村梅玉 ほか


「め組の喧嘩」@こいつぁ 春から おもしろかった!鳶 vs お相撲さん これ、ナマ舞台観たいな♪ posted at 20:35:01

これ、今年の1月2日にNHKの「こいつぁ 春から」で新橋演舞場寿初春大歌舞伎・菊五郎劇団の「め組の喧嘩」を観た直後の私のツイッターのつぶやき。
観たいと思っていたナマ舞台が観られるなんて!しかも中村座でるんるん

江戸時代に実際に起きた町火消し「め組」の鳶たちと江戸相撲の力士たちの乱闘事件を題材にした演目。お互いに意地と面子とプライドをかけた大喧嘩で、まさに「火事と喧嘩は江戸の華」を地で行く物語です。個人的には「そんなに意地をはらなくても・・」と思わなくもないのですが、め組の辰五郎・勘三郎さんがとにかくカッコイイんだ、これが。

男気、心意気、カリスマ性、そして、粋。ほんとうに胸のすくような鳶頭の辰五郎。
口に含んだ水をプーッと勢いよく足に吹きかけ、水杯を交わし、鳶たちの頭に塩をまいて、「てめぇら、いいなっ」「いいんだなっ!」と言い放って、かわらけをバーァンと地面に投げつけて叩き割り、「やっつけろいっ!」って、仕草も声もカッコよすぎて、鳶たちでなくても「あなたについて行きます」と言いたくなります。そんな姿が中村屋一門を率いる勘三郎さんとも重なって、そうそう、これが勘三郎さんよぉ~と、これまでの曲折を思って泣きそうになりました。
これに先立って、「焚き出しの喜三郎内」や「浜松町辰五郎内」で見せた苦悩、死を覚悟した表情、妻や子に見せる情・・・この緩急こそ勘三郎さん芝居の真骨頂という感じで、とても初役とは思えないくらいです。

舞台ばかりでなく、花道や客席通路も使う大詰めの鳶と力士の大喧嘩。
鳶たちの掛け声と花道を駆け抜けるドドドッという足音が客席の私たちのお腹に響く芝居小屋ならではの迫力。舞台いっぱいにひしめくように動く鳶たちも壮観でした。
右手に纏を持ち、手もつかずに一気に梯子を駆け昇る勘九郎@藤松のカッコよすぎる後姿にどよめきが起こりました。勝気で喧嘩っ早い藤松。勘九郎さんイキイキと演じていました。屋根の上に纏を構えてスックと立つ姿もカッコよかった~。ホレたぜ揺れるハート

いつ果てるともない喧嘩。最後は焚出し喜三郎(梅玉さん)が両者の間に割って入るように梯子から飛び降りて、寺社奉行(相撲の管轄と町奉行(鳶の管轄)、それぞれの法被を纏って両成敗で幕となりました。

IMG_5776.jpgこの演目の最後に手ぬぐい撒きがあることは知っていたのですが、舞台があんまりおもしろくてすっかり忘れていましたあせあせ(飛び散る汗)
唐突に役者さんたちが手ぬぐいを撒き始めて、「あ、これかっ」とびっくり。威勢よく後ろへ投げる役者さんたちが多くて、一番前だし、無理かなぁ~と思いながら手を挙げてささやかにアピールしていたら、なーんと、勘三郎さんが気づいてくださって、私に向かって手ぬぐいを投げてくださったのでしたひらめき これをダイレクトキャッチできた時の喜びったらムードムード
中村屋さんの定紋・角切銀杏に平成中村座でこの7ヵ月間に上演された演目が染め抜かれた手ぬぐい。うれしいことこの上なし!

カーテンコール。
鳴り止まない拍手に幕が開くと、勘三郎さんが下座音楽を制して、「普段はこんな強制的にカーテンコールみたいなことしないんですが、今日はどうしても紹介したい方がいらして・・・」と。
「め組の組頭と14代目さんが皆さんでいらしてます」
そうそう。開演前から客席にめ組の半纏お召しになった方がたくさんいらしていたのですが、この日はめ組の総見だったそうです。
さらに。
「こんなこと滅多にないと思うんですが、誉富士関と四ツ車関がお越しです」
そうそう。お相撲さんが客席にいらしていました。
「この芝居は本当にあった鳶と相撲の喧嘩を歌舞伎にしたものでして・・・あの、帰り、本当に喧嘩しないでくださいね」 ですって(笑)。「これからも、相撲と歌舞伎と火消しと、伝統文化を守るもの同士、よろしくお願いします」ともおっしゃっていました。

IMG_5774.jpgこの後、「せっかくなので高砂屋の兄貴」と促されたた梅玉さん。「中村屋さんに呼んでいただいて初めて出ましたが、すっかり中村座が病みつきになりました」と笑顔でした。
橋之助さんは「四ツ車関~」と呼びかけ、扇雀さんは「今日は台詞間違えちゃったんで」と照れ笑いしたり。

舞台も客席も、温かい笑顔が溢れた中村座昼の部、これにて幕でございました。


平成中村座 来年は大阪(勘九郎さんは他の舞台?があるから出演されないケド)、夏にはNY公演。東京はまた3年後と試演会で発表されたそうです。楽しみムード


これぞ勘三郎、これが中村座 のごくらく度 わーい(嬉しい顔) わーい(嬉しい顔) (total 933 わーい(嬉しい顔) vs 933 ふらふら)


posted by スキップ at 23:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
早速のコメント有り難うございます。め組の喧嘩、染五郎、勘九郎の紅白獅子!いまでも目に焼き付いてますよ。来年は大阪ですか?絶対行きますんで、その時は、お茶でもお願いします。それではまた。
Posted by カロテンからケン坊です at 2012年05月30日 17:40
♪カロテンさまことケン坊さま

平成中村座昼の部、ほんとに楽しかったですね。
あの高揚感は中村座ならではだと思います。

来年の大阪は9月と聞いているのですが、ご予定があえば
ぜひご挨拶させてくださいね。
Posted by スキップ at 2012年06月01日 00:11
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