2012年04月11日

新橋演舞場 二月大歌舞伎 昼の部

nigatsuenbu.jpg平成中村座の三月襲名披露公演の感想をまがりなりにもアップした勢いで、まだ書いてなかった二月襲名披露公演の感想も書いちゃう・・・とはいうものの、記憶はすでにかなり薄れてしまっているのですがあせあせ(飛び散る汗)

六代目中村勘九郎襲名は、来年2月まで1年に亘る襲名披露興行が打たれ、もちろん大阪松竹座でも年末には南座の顔見世でも観ることができる訳ですが、やっぱり一番最初の月に観ておきたかったので(勘三郎さん襲名披露の時の後悔から)、超多忙な2月に日帰りしました。

2月は松竹座の花形歌舞伎に浮かれている時で、それはそれは楽しかったのですが、演舞場のこの襲名披露公演は、これぞまさに「大歌舞伎」。襲名のお祝いはもちろん、歌舞伎のおもしろさを堪能できる舞台でした。演舞場と松竹座、同じ歌舞伎でありながらこの振り幅の広さ・・・歌舞伎の底知れぬ奥深さを知る思いでした。

中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露 二月大歌舞伎 昼の部

2012年2月19日(日) 11:00am 新橋演舞場  1階3列センター
一、歌舞伎十八番の内 鳴神
  出演: 中村橋之助  片岡亀蔵  市川男女蔵  中村七之助 ほか


以前にも書いたことがありますが、「鳴神」の雲の絶間姫は歌舞伎の演目の中で私がやりたい役 No. 1。美しさと頭脳を武器に高僧を篭絡するなんて、女性としてほんとにカッコいい役。上人のみならず所化さんたちにもモテモテだし、お姫様の拵えも華やか。ほんとにいい役だなぁ。
七之助くんの絶間姫は美しくたおやかながら、いかにもキレ者のスナイパーといった雰囲気。品も色気もあって、事を成す時には鳴神上人に申し訳ないといった情も滲ませていて、ほんとにステキでした。無理していないように聞こえる声も好きです。

対する橋之助さんの鳴神上人は、イメージのせいか高僧というより真面目ないい人という雰囲気。もう最初から「あ、これは堕ちるな」というのがミエミエですわーい(嬉しい顔) 「これが乳か・・」と絶間姫の胸をまさぐる場面はかなりエロかったですが(笑)。そして憤怒に狂ってからは大きな体躯を活かした見得もダイナミックに決まり、花道をすごい迫力で駆け抜けて行くので、絶間姫どうなっちゃうだろう、と些か心配になりました。


nigatsutsuchi.jpg二、新古演劇十種の内 土蜘
出演: 中村勘太郎  坂東三津五郎  中村福助  中村橋之助  中村芝雀  中村勘三郎  片岡仁左衛門  中村吉右衛門 ほか


昼の部の襲名披露演目。
豪華な配役。美しい松羽目の前に並ぶ社中の中心に田中傳左衞門さん。この演目が襲名披露の大歌舞伎だとひしひしと感じられて観ているこちらまで背筋が伸びる思い。

僧智籌(中村勘九郎)の登場は、揚幕のシャリ~ンという音もせず静かに花道を・・と知っていたはずなのにすっかり忘れていて、気づいた時には気配を殺した勘九郎くんがすでに花道中ほどにまで進んでいて、ゾクッとするような妖気を放っていました。頼光(坂東三津五郎)の命を狙おうとする智籌。眼光鋭く、鬼気迫るような凄味は、これがあの勘九郎くん?と思うほどです。後ジテも堂々たる土蜘の精っぷり。頬が一層シャープになった凛々しい顔立ちに茶隈取りがよく映えて、元々所作の美しい役者さんですが、一つひとつの型が大きくぴたりと決まります。指の先にまで神経が行き届いているので、繰り出す千筋の糸の軌跡が本当に美しい。

この演目のもう一つの見どころは、間狂言。
芝雀さんの巫女の踊りに続いて、吉右衛門さん、片岡仁左衛門さん、そして勘三郎さんの超豪華番卒。この役にこの3人、この先二度と観られることはないかも。
コミカルに、愛敬たっぷりで、ほんとに楽しそうに仕草も可愛らしく3人揃って足拍子する姿なんて、いつまでも観ていたいくらいでした。一列に並んで体揺らしながら下手の揚幕に引っ込んでいく3人の後ろ姿が目に焼きついて離れませんムード


三、天衣紛上野初花 河内山
質見世より玄関先まで

出演: 片岡仁左衛門  中村勘九郎  中村錦之助  中村隼人  片岡秀太郎  片岡我當 ほか


仁左衛門で河内山を観るのは初めてで、どんなだろうと楽しみにしていたのですが、悪役坊主でもやっぱりカッコよかったですグッド(上向き矢印)
そして、悪党だけど幕府の直参らしく松江出雲守の屋敷に乗り込んでもおじけづいたりしない図太さや品のよさがやっぱり仁左衛門さん(笑)。
出雲守は勘九郎くんですが、こちらも育ちの良さ、品を失わない傍若無人なワガママ殿様っぷりがハマっていてよかったです。

が、この二人の対決あたりから記憶がないふらふら・・・2月のことだから忘れたとかではなく、観たり聴いたりした記憶が。。。いや、観ていたハズなのだがあせあせ(飛び散る汗)

それでも最後の「ば~かめ~」っていうキメ台詞はちゃんと聴きました。
あと、腰元浪路の中村隼人くんが意外にも期待していたほど綺麗な娘さんではなかったのが印象に残っています。女方としてはまだこれからなのかな。


尻すぼみで感想ですまぬあせあせ(飛び散る汗) の地獄度 ふらふら (total 908 わーい(嬉しい顔) vs 912 ふらふら)
posted by スキップ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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