2011年09月09日

ケラ×古田再び 「奥様お尻をどうぞ」

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「犯さん哉」以来4年ぶりとなるケラリーノ・サンドロヴィッチ×古田新太タッグの舞台。
開演前のアナウンス。諸注意の後、「まもなく」ではなく「15秒後に開演します」と言って、ほんとにすぐ始まった。携帯電話電源offする時間もないじゃないか~わーい(嬉しい顔)

cube presents 「奥様お尻をどうぞ」
作・演出: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演: 古田新太  八嶋智人  犬山イヌコ  大倉孝二  入江雅人  八十田勇一  
    平岩紙  山西惇  山路和弘

2011年9月4日(日) 1:00pm シアター・ドラマシティ 4列上手


この作品、ツイッターで「おもしろすぎて笑い死ぬ」とか「お腹が痛くなるほど笑った」という声をよく聞いていて、うふふ♪と楽しみにしていたのですが、「そんなに笑う?」というのが正直な感想。長いしあせあせ(飛び散る汗)ちょっと期待大きすぎたかなぁ。ブログとか新聞の劇評とかだと自分が観るまでは極力読まないようにしているのですが、ツイッターだとどうしても目に入っちゃうし、ケラさんご自身がリツイートしてくださる他の方の感想もあったりして・・・ツイッターの弊害かも・・と感じた次第。
このところ、私が舞台を観た後の簡易判断基準は、「観終わった後、プログラムを買う気になるかならないか」なのですが、買わなかったんだな、今回。

・・・とネガティブな感想から入ってしまいましたが、もちろんおもしろいくないなんてことは全くありません。原子力絶対安全協会会長(山西惇)の娘・夢子(平岩紙)行方不明となってその捜査を依頼された探偵(古田新太)と助手のアルジャーノン(犬山イヌコ)。
映画の中に逃げ込んだ夢子を追って、「想定外の呪い」がかけられた村へ入る二人。安全協会は原子力に代わる新しいエネルルギーとして、「屁力発電」の実験を開始する・・・といった具合に、現実世界、映画の中、夢の中・・いくつかの世界を行き来して繰り広げられる舞台。

ストーリー云々よりその場その場のプロットやギャグを楽しむといった感じかな。投げ込まれるギャグは、ナンセンスなものも、ケラさんらしく原発がらみでかなりブラックなものもあり、それはそれで笑えるのだけれど、それを役者さんがどう消化しているかが見どころというか、やはり役者につきるよな、な舞台。この豪華出演者で、ナンセンスギャグ満載の作品を上演するのはとても贅沢だと思う反面、このレベルの役者揃いだからこそ成立する舞台なんだろうなとも感じました。

古田新太は相変わらず白いブリーフ一丁の姿態を惜しげもなく晒して、三重人格という設定で、ハッとするようないい声を聴かせてくれたり、お得意のアホの子になったり、女装も嬉々としてやっていたり、実にのびのび楽しそう。ブリーフの中からマシュマロ取り出して客席に投げつけていましたが、いいなムード投げられた人exclamation&question
「犯さん哉」の時にもやってた、ふるちんが無茶ぶりやって残りの全員が同じ振りを真似するっていうヤツ、今回も終盤にあったのですが、周りの人たちがゼイゼイいいながらやっているのをゲラゲラ笑いながら見守る古田新太。実に楽しそうでした。

姿態といえば、入江雅人、大倉孝ニ、八嶋智人の限界セクシーグラビアなんてのもありました。
この3人はもうほんと、何をやっても笑えるし上手いです。入江雅人の金髪王子様とか、オスカルかと思いましたワ(嘘)。
紅二点のイヌコさんと紙ちゃんもとてもいい感じで好きでしたが、この二人にこの役って、それこそ「想定内」というか、あまり意外性が感じられず、逆のキャスティングでもおもしろかったのではないかしら。そういえば、紙ちゃんはケラさん演出作品は今回初めてなのだそうですが、何だか意外。何度も出ているように思っていました。
そして初めてといえば山路和弘。
最初に出演者を知った時に最も驚いたキャストですが、井戸から登場する魔女とか、もうほんと驚きだし、ふるちんに「青年座のおっさん」とか言われてるしわーい(嬉しい顔)

休憩なしの2時間半。
長いな、と感じ始めた頃、前方センターの客席の人にスポットライト当たって、デビ夫人みたいな声で「どうして私こんな芝居観に来たのかしら・・・」みたいに勝手にモノローグされて、さらに出演者総出でその人のところにやって来て、「もう少しの辛抱だ。もう少し頑張れば芝居が終わる!」と肩をブンブン揺さぶられたりしていました。そして客席いじりの極めつけは、真っ暗になった客席に何やら人が蠢き、少し明るくなるとミストを持った出演者がすぐそばにいて、そのミストをかけて、ひざの上に勝手に腰かけ、「奥様お尻をどうぞ」って言うっていう・・・。私の隣の席の人は山西惇さんに座られてました。

カーテンコールにはケラさんも登場。
鳴りやまない拍手に、シッシッと早く帰れと言わんばかりに追い払うように手を振っていました。ふるちんもね。

okusama1.jpg某新聞の劇評に、『この劇のおかしさは、「冷静に怒る」ための笑いだ。目に見えない不安に覆われた私たちのいま。それを落ち着いて考えるには、この世界と一定の距離をとらねばならない。笑うという批評的な態度は、一つの有効な手法だ。ケラは「真剣にふざける」ことで、現実と向き合っている。』とありました。いやはや、この舞台観てそこまで洞察するって、やっぱりモノを書くことを生業にしている人ってスゴイわ目



買わなかったプログラムだけど、そうだ!「髑髏城」パンフの古田vs小栗旬の対談の続きが掲載されていることを忘れてたあせあせ(飛び散る汗) の地獄度 ふらふら ふらふら (total 823 わーい(嬉しい顔) vs 825 ふらふら)
posted by スキップ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
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