元々予定には入れてなかったのですが、誘ってくださる方があって、 昨日は文楽鑑賞教室へ行ってきました。
第28回文楽鑑賞教室
牛若丸・弁慶「五条橋」
解説「文楽へようこそ」
「仮名手本忠臣蔵」
二つ玉の段・身売りの段・早野勘平腹切の段
6月12日(日) 10:30am 国立文楽劇場 5列センター
幕開きは牛若丸と弁慶の出会いを描いた「五条橋」。
床には大夫ひとり、三味線ひとりではなく、5人の大夫と四丁の三味線が賑々しく並びます。
大男の弁慶の、人形の大きさと、弁慶役の竹本相子大夫さんの大きな声(笑)が印象的。続いて解説「文楽へようこそ」。
豊竹睦大夫さんが簡単な説明の後、実際に床に座って、三味線の豊澤龍爾さんとともに実演をまじえて解説。
男女の声色を鮮やかに演じ分けてくださった睦大夫さんもさることながら、今回とても印象に残ったのは、 同じメロディ(というのか・・)を登場人物に合わせて違った曲調で弾いてくださった龍爾さんの三味線。
ご本人曰く、「AKBみたいな元気な子」と「綾瀬はるかのようにしっとりとした女性」ということでしたが(多分に好みが入ってる?)、同じ曲とは気づかないくらい雰囲気が変わるのにオドロキ。
その後は吉田蓑紫郎さんによる人形遣いの解説。人形の構造や、主遣い、足遣い、左遣いの3人で実際に人形を操り、それぞれの息が合わないとどうなるか、を見せてくださったり、わかりやすくおもしろい解説でした。女性の人形が膝を折った形の時、膝は着物の中では足遣いの人の拳なのですが、位置が少しずれると膝に見えず、けれどもその姿は足遣いの人は見ることはできないので、長年のカンで位置を決める、なんていうあたり、経験がモノを言う世界だなぁと実感。
さらに、会場から3名の希望者を募り、それぞれの役割で人形遣いの実践。簡単な動きにもかかわらず、技芸員さんたちが遣う時との形や決まり方の違いに、難しさを目のあたりにしました。
休憩の後はいよいよ「仮名手本忠臣蔵」。
おかる・勘平の悲劇を描いて、歌舞伎でいえば五段目、六段目にあたる部分です。
この日の出演は、
二つ玉の段: 竹本津國大夫・鶴澤清志郎
身売りの段: 豊竹呂勢大夫・鶴澤藤蔵
早野勘平腹切の段: 竹本津駒大夫・鶴澤燕三
そして人形の主遣いは、早野勘平: 桐竹勘十郎、 おかる: 吉田蓑二郎 でした。
歌舞伎では何度も観たことがある演目ですが、文楽で観るのは初めて。
人形の動きとしては地味で、どちらかといえば大夫さんが聴かせる演目です。
それにしてもこの話は何度観てもやり切れなさが残るなぁ。
元はといえば、「色に耽ったばっかりに」勘平に一番の原因があるとはいえ、いろんなボタンのかけ違いで自ら命を断つことになる勘平。
そして、その勘平の死も知らずに夫が武士に戻れると信じて廓へ売られていくおかるちゃん・・・切ない。
こんな盛りだくさんの内容で、勘十郎さんなんてエース級も登板して、床本やこんなわかりやすい解説(知ってトクする文楽フシギQ&Aというタイトルがついています)も入ったプログラムも無料でいただけて3,800円。
文楽への理解と親しみを高めようという文楽関係者の皆さまの心意気が感じられる公演です。
この日はツイッターさん(というのか)ブロガーさん大集合なの?というくらいたくさんの皆さまにお目にかかりました。ご一緒させていただいた皆さま、ご挨拶させていただいた皆さま、ありがとうございました。
臓腑の血判はいささかグロなり のごくらく地獄度 (total 790 vs 793 )
2011年06月13日
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