2010年05月20日

「戯伝写楽」で一番ウケたこと

sharaku.jpgずい分前に観た舞台ですが、宝塚つながりということで(?)。大和悠河は宝塚時代、「天海祐希の再来」と言われたことのある人だし。

「戯伝写楽」
作 : 中島かずき
演出: 荻田浩一
出演: 橋本さとし  大和悠河  葛山信吾  ソニン  東山義久 小西遼生 コング桑田 山路和弘 ほか

4月24日(土) 12:30pm シアターBRAVA!  1階G列センター


わずか9ヵ月の間に数々の鮮烈な作品を遺し、忽然と姿を消した浮世絵師・東洲斎写楽。謎につつまれたこの天才絵師が、実は女だったという発想を元に、喜多川歌麿、葛飾北斎、十返舎一九といった実在の絵師たちとそれを取り巻く人々の葛藤を描くミュージカル。
脚本の中島かずきさんは劇団☆新感線の座付き作家。演出の荻田浩一さんは元宝塚歌劇団の演出家。そして主演の二人・・・橋本さとしさんは元劇団☆新感線、大和悠河さんは元宝塚歌劇団宙組トップスターという、新感線×宝塚×2な舞台でした。

開演前、まだ降りたままの緞帳の向こうで、「ヤーッ」とかいう掛け声が聞こえました。みんなで「行くぞっ!」ってやってたのかしら。
シンプルな装置に、バンドの多彩な生演奏が響く舞台。着物のデザインや着こなしも現代的ならばセリフもほぼ現代調で、時代劇という雰囲気はあまり感じません。役者さんたちの所作も特に時代劇というこだわりはないようにお見受けしました。

お調子者でうまく世間を渡っているように見えて、実はうつろな心を抱える能役者・斉藤十郎兵衛(橋本さとし)が偶然出会った流れ者の絵描き・おせい(大和悠河)、かつておせいと暮らした、自分の絵に自信が持てず逡巡する鉄蔵(葛山信吾/後の葛飾北斎)を軸に物語は展開します。

いつもは新感線で役者さんにあて書きをする中島かずきさんですが、今回は橋本さとしが斉藤十郎兵衛役かもしれないという以外全く白紙の状態で台本を書かれたのだとか。そして、「喜多川歌麿をこういう性格にしたら面白かろう」「葛飾北斎は・・」と考えて、歴史上の人物にあて書きをされたのだそうです。「大きな史実を踏まえながら、人物の解釈で遊んでいく。これが"戯伝"なのです。 このやり方だと、もう少しいろんなことができるかもしれません。」とかずきさんは『電人N』上で語っていらっしゃいます。

そんなふうに、それぞれが演じる人物にあて書きされた役者さんたち・・・。

大和悠河は宝塚退団後、「カーテンズ」(←この作品、まわりにほとんど観た人がいないんだけど、どんな人が観たんだろ)に続いてこれが2作目。
浮世離れしていて、憑かれたように絵を描き、キラキラ光る瞳でどこか遠くを眺めながら、エロスも死も微笑んで受け容れるおせいの雰囲気はとてもよく合っていました。
思った以上に男役が抜けていることにも驚きましたが、「女性」であることを意識する余り、台詞や歌の声がいつもファルセットのように弱々しく聞こえるのは少し残念。
カーテンコールで、舞台下手の袖へ引っ込む間際、客席に向かって1度目は投げキッス、2度目はウィンクをした彼女はとてもカッコよくチャーミング。客席からも嬌声があがっていました。
大和悠河の真骨頂はそんなところにあって、宝塚を卒業したからといって女を意識しすぎる必要はないんじゃないかと感じました。

そのおせいを受け止める、いいかげんだけど温かい十郎兵衛・橋本さとしは、この手の役はお手のモノという感じです。歌もお上手。それにしても、顔デカイ(というか、長い?)。小顔の大和悠河と並ぶので特に印象的でした(スミマセン、こんな感想で)。

花魁・浮雲のソニンは歌も演技も本当に上手い。声も出るし花魁の所作もよく研究していると感心しました。最期の場面はとても切ない。でも残念なことに、小柄すぎることとお顔立ちから、私には吉原を背負って立つ太夫をイメージすることが難しかったです。演技力もさることながら、役者さんにはビジュアルも大事な要素だなぁ、と改めて思いました。
十郎兵衛の友人の与七(後の十返舎一九)の東山義久がとてもよかった。あまりミュージカルを観ない私は、これがウワサの義くんか、と今回の発見ですひらめき

そんな若手が活躍する舞台ですが、一番印象に残ったのは、版元 蔦屋重三郎の山路和弘。
審美眼を持ち、肝が据わって清濁併せもつ大人な表情はとても魅力的。たくさん聴かせてくれた歌もとてもお上手でうれしい驚きでした。

そして今回の観劇で一番ウケたことは・・・
私の後ろの列にズラリと陣取ったおばさま・おじさま方、始まる前から何かとにぎやかだったのですが、幕間に大きな声でお話なさることには、
「いや~、歌うまいねぇ、山路クン。高校の時は聴いたことなかったけど」目


位置情報 カーテンコールでは、「江戸の話をやってますが、我々出演者の半分は関西人です」とさとしさん。劇中でも「大阪城が見える江戸の町」なんて言ってたな。
そのさとしさんにいきなり「モノマネを・・」とふられた葛山さん。とまどいながらトシちゃんのマネしてくれたけど・・・似てませんでしたわーい(嬉しい顔)

位置情報 舞台上でずっと生演奏を続けていたバンドメンバーは、カーテンコールが終わった後も演奏を続けていて、客席を立つ人も多くまばらになった会場に残って最後まで聴きました。そして演奏終了後は残ったみんなで拍手。ステージ上のバンドメンバーも手を振り返して笑顔。ステキな時間でしたるんるん



こんなに前では記憶も印象も薄れがち の地獄度 ふらふら (total 640 わーい(嬉しい顔) vs 635 ふらふら)
posted by スキップ at 23:23| Comment(6) | TrackBack(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スキップさん、おはようございます♪

戯伝写楽の感想待ってました(^^)
スキップさんの感想は、いつ読んでも演じた役者や演目に対する愛がある~
素敵なことです。
(私は毒が多いわ・爆)

で、噂の義くん♪
良いでしょう?
外見(←ホスト顔・爆)とは全然違う
根はとっても真面目で大阪の気の良いお兄ちゃんなのよ。

これからも機会があったら是非舞台の彼を見ていただけると嬉しいです。
Posted by ミーシャ(真あさ) at 2010年05月22日 10:14
♪ミーシャさま

あとでミーシャさんのところをお訪ねしようと思っていました。
書くのが遅い上にメモを取ったりしない人間なので記憶も
薄れてしまって、あまり気の効いたことも書けていなくて
お恥ずかしいです。

「義くん」はいつもミーシャさんのところで拝見している
呼び名ですし、これがミーシャさんお気に入りの
義くんかぁ、
なるほどステキ♪と思った次第です。
これで9月の「宝塚BOYS」がますます楽しみになりました。
またいろいろ教えてくださいね。
Posted by スキップ at 2010年05月22日 11:07
スキップさん、こんばんは!
大和さん、あのファルセットの声はそういう理由だったんですね。
すっかりそういう声の方だと思ってました(汗)。
でも、あの微笑の威力には魅せられましたv
なんというか、”おせい”という役に、
あの笑顔が凄い説得力を与えていた気がします。
山路さんもダンディでしたねーvv
それにしても、後ろの席の方々、学生時代の同級生なのでしょうか?
・・・山路さん、やりにくかったかも?!(笑)
Posted by 恭穂 at 2010年05月23日 00:35
♪恭穂さま

大和悠河さんのあのファルセットは私がそのように感じただけで
本当のところは定かではないのですが(笑)。
きっとちゃんと声が出せるはずなのに、ちょっと勿体ないかなぁ、
と思いました。
あの笑顔は確かに、何だか底知れないものをのみこんだような
笑顔でしたね。輝く瞳も印象的でした。

山路さんの高校時代の同級生の皆さんはねぇ(笑)。
多分、山路さんが招待されたのだと思いますが、やりにくい
ことに変わりはないでしょうね。
でも、失礼ながらあのお年で(笑)、高校時代のお友達が
今だに観に来てくださるなんて、すばらしいですよね。
Posted by スキップ at 2010年05月23日 00:49
スキップさん♪
山路さんは本当に素敵です。
もともと素敵な俳優さんだとは思っていましたが、淫乱斎英泉を拝見した時に
かなりノックアウトされてしまいました(笑)。
東山クン、いいですよね~♪私、割と好きです。
宝塚BOYSも名古屋でやってくれたら、観に行ったんですが・・・。
Posted by みんみん at 2010年05月23日 17:39
♪みんみんさま

そうそう、『淫乱斎英泉』の山路さん、ステキだったんですよね。
私は観ていなくて、残念です。
東山くんも、今回初めて気づきました・・・というか、観たこと自体、
初めてだったかもしれません。
内田滋さんとか、関西弁を話すイケメンが結構好きなので(笑)、
東山くんの大阪弁がとても気に入りました(そこ?)。

>宝塚BOYSも名古屋でやってくれたら、観に行ったんですが・・・
あら、みんみんさん。東京でご覧になるほどではないのね(笑)。
Posted by スキップ at 2010年05月24日 01:37
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