2008年07月07日

スカーレット ピンパーネル

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ずーっと昔、松あきら主演(花組)の「紅はこべ」を観たことがあります。
確かマルグリット役のやたらカワイイ北原千琴ちゃんのサヨナラ公演で・・・ストーリー完璧に忘れましたどんっ(衝撃)記憶ってうすれるものなのね。・・・という訳で私にとっては完全に新作。

宝塚歌劇星組公演 「スカーレット・ピンパーネル」

7月5日(土) 11:00am 宝塚大劇場 1階17列上手

原作: バロネス・オルツィ      
脚本: ナン・ナイトン
作曲: フランク・ワイルドホーン      
潤色・演出: 小池修一郎
出演: 安蘭けい 遠野あすか 柚希礼音 立樹遥 涼紫央 和涼華 夢咲ねね ほか

1794年のパリ。フランス革命により国王ルイ十六世も王妃マリー・アントワネットも断頭台の露と消え、ジャコバン党のロベスピエールの独裁時代。“貴族”というだけで無実のまま処刑される人々を国外へと救い出す秘密結社の紋章は「スカーレット・ピンパーネル(紅はこべ)」。率いるのはイギリス人貴族パーシー・ブレイクニー(安蘭けい)。誰にも正体がわからない“スカーレット・ピンパーネル”を捕えるべく執拗に追い続ける革命政府の公安委員ショーヴラン(柚希礼音)は、パーシーの結婚したばかりの妻でコメディ・フランセーズの花形女優であったマルグリット(遠野あすか)の昔の恋人でもありました・・・。


「ベルサイユのばら」の後日談的時代背景で、フランス革命や当時の政治情勢を盛り込み、パーシーとマルグリットのすれ違う想い、そしてショーヴランを加えた大人の恋模様を織り交ぜながら、宮廷の仮面舞踏会のような華やかな場面あり、1対1の決闘シーンあり、ヒーローはあくまでカッコよく、ハラハラドキドキさせながらもちゃーんと持っていくべきところへ持っていくという胸のすくストーリー。とても宝塚向きだと思いました。「マダム・ギロチン」の場面の民衆の群舞やコーラスのアンサンブルは見応え聴き応えたっぷり。星組の集団としての力量を感じました。

安蘭けい演じるパーシー・ブレイクニーがとにかく魅力的。
変装の名人という設定のパーシーはまた、いろんな顔を使い分けていて、普段は仲間を引き連れて狩りに明け暮れる遊び人。しゃべり方までもつかみどころがなく人を食ったようなカンジ。実はこのパーシーがかなり好きだったりして黒ハート「きみがスカーレット・ピンパーネルだったんだな」とショーヴランを煙に巻くシーンなんて何度も観たいくらい楽しい。秘密結社では一転キリリとしたリーダー。そして、妻に対する疑念がぬぐい切れず苦悩する人間的な面まで、表現力豊かに見せてくれます。大型化する男役の中にあって、決して長身とは言えない安蘭けいですが、とても大きくカッコよく、包容力たっぷりのヒーローぶりです。フランク・ワイルドホーンが安蘭けいの声を聴いてインスピレーションが湧いて作曲したという主題歌“ひとかけらの勇気”はじめすばらしい歌唱にも聴き惚れました。謎の外国人(?)グラパンの茶目っ気も見もの。

遠野あすかのマルグリットは女優らしい華やかさと色っぽさを併せ持った堂々たるヒロイン。
のびやかなソプラノの美声を聴かせてくれますが、特に、すべてを知った後、コメディ・フランセーズで、パリを捨てたと非難する人々と、ジャコバン党を支持する歌を唄えと強要するロベスピエールたちの面前で、「私の夫のメッセージが込められているから」と命令に反して“ひとかけらの勇気”を歌い上げるシーンは感動的でした。ただ、一度はコメディ・フランセーズを守るため、二度目は弟の命を助けるために心ならずもショーヴランに協力するのですが、このあたりの苦悩の描かれ方がやや浅く、「そんな簡単にサン・シール侯爵の居所を教えるなんて・・・」とちょっと怒ちっ(怒った顔)

常に黒い軍服を着て敵役オーラぷんぷんの柚希礼音のショーヴラン。異彩を放っていました。
ソロの歌が多く、その声量と歌唱に圧倒されましたが、本来はダンスの人なのだとか。道理で、フィナーレのサーベルを持って男役陣を従えてのダンスのキマッていたこと。劇中ずっと眉間にしわを寄せた硬い表情が、フィナーレでは明るく華やいだ顔に一変。演技してたのね~。

1本立ての大作なのですが、フィナーレのショーはわりとあっさり目で、どこかで見たことあるゾ、なものばかりだったのはちょっとザンネン。
「紅はこべ」をデザインしたシャンシャン(フィナーレの持ち物)はステキでした。

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こちらは公演限定のお土産。
「アーモンドサブレ」と「白桃ケーキ」と「カスタードパイ」がありました。





るんるんひ~とかけ~らぁの~ 勇気が~ 僕にあ~るか~ぎり~のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 354 わーい(嬉しい顔) vs 356 ふらふら)
posted by スキップ at 23:55| Comment(11) | TrackBack(1) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
パーシー元気だったのね~♪
まだ舞台観てないから全貌を知りたくなくって、
斜め読みさせてもらいました(ごめんちゃい)
シャンシャンは良さ気ですよね。
スカーレットな紅色♪(スカステ視聴してるのでそれは見た)
お菓子は中身関係なく、買いあさってみようと思ってます(笑)
真紅の指輪も売ってるけど…ちょっと大きい気がして、
私は泣く泣くパスしました…。
♪ひとかけら~の~勇気が~♪
Posted by スキップ様、まいど! at 2008年07月08日 09:18
スキップ様~
ああ~すみませんです。
コメントに、名前入れ損ないました。
私です。私(判ってるって…?)
Posted by かしまし娘 at 2008年07月08日 09:25
>スキップさま
さすが,宝塚の本質を理解しておられるスキップさまの所感は冷静であられます。
>星組の集団としての力量を感じました。
波状攻撃のような歌唱。渦潮のようなダンス。舞台が分厚い!
主演のお三方に求められる資質とは何か,こうも見せ付けられてしまいますと,昔のように,各組の専門性を打ち出さないとと改めて感じました。
Posted by とみ(風知草) at 2008年07月08日 12:44
今朝主人が仕事の関係でこの舞台のチケットを二枚もらったと。9月の東京宝塚劇場の分なのですが。

母に声をかけたら父と行きたそうなので^^;もしかしたら私は見れないかもしれないのですが、スキップ様の感想を読んだら行きたくなってしまいました。どうしよう~。
Posted by Franny at 2008年07月08日 18:12
こんにちは。
行かれたのですね。ニュースで見れば見るほど素晴らしい作品というのが伝わってきます。
今回は残念ながら観にいく事はできませんが、テレビ等でぜひ拝見したいと思ってます。
主題歌はいいメロディですね。これは恐らく宝塚の名曲になると思います。
Posted by はぎお at 2008年07月08日 20:08
♪かしまし娘さま

「スキップ様、まいど!」様からコメントが・・・ですぐわかりました(笑)。
かしまし娘さんはもうすぐパーシーに会えるのね。
どんな熱烈レポを書いてくださるかすごく楽しみです(^_^)v

そうそう、あのデカい真紅の指輪、大劇場横のキャトルレーヴでも
売っていました。売れてなかったけど(笑)。
でもね~、お芝居の中でちょっと出てくるんだぁ、あの指輪。
見たら欲しくなっちゃうかもよ(笑)。
Posted by スキップ at 2008年07月09日 01:21
♪とみさま

第一次ベルばらの頃はミーハー路線一直線だったのですが、
少しは大人になりましたでしょうか(笑)。
星組とは不思議にご縁がなくて、2006年お正月の湖月わたるさんの
フェルゼン以来でした。
安蘭けいさんというステキなリーダーの下、歌もダヌスもお芝居も
ほんとに力量の揃った組とお見受けしました。
私が観ていた昔は、“ショーの星組”と言われていたものでしたが。
Posted by スキップ at 2008年07月09日 01:27
♪Frannyさま

まぁ!何てうらやましのでしょう。
ほんとにオススメですよ。
ぜひぜひご覧になってください。
Frannyさんのご感想をぜひお聞きしたいです。

・・・とはいえ、親孝行も大切。
いただいたチケットはご両親に。
Frannyさんは自腹ってことでいかがでしょう(笑)。
Posted by スキップ at 2008年07月09日 01:31
♪はぎおさま

オンエアがあれば私もぜひ観たいです。
ほんとはもう1回舞台観に行きたいところですが(笑)。
昨日この記事を書いたので、今日は仕事中も ♪ひ~とか~け~らのぉ~ 
と1日中このメロディが頭の中をグルグル回っていました(爆)。
Posted by スキップ at 2008年07月09日 01:36
スキップさん、こんにちは。

>「きみがスカーレット・ピンパーネルだったんだな」とショーヴランを煙に巻くシーン
ここよかったですね~~~。
窮地を余裕でかわしている所がとっても素敵でした。

曲も魅力的で、日替わりでいろんな曲が頭の中をクルクルしています(笑)。
Posted by rika at 2008年07月13日 10:21
♪rikaさま

よかったですよね~、あのシーン。
ショーヴランがマルグリットに「あの男のどこがいいんだ」
って聞くシーンも楽しかったです(~o~)

私は今は3人が唄う「謎解きのゲーム」が頭の中をグルグル(笑)。
Posted by スキップ at 2008年07月13日 13:57
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スカピン 宝塚大劇場 その2
Excerpt: ”勇気の歌”を知ってる?
Weblog: バリバリかしまし娘~まいど!
Tracked: 2008-08-01 08:44