
もし日本に陪審員制度があったら・・・という設定で、登場人物は12人の陪審員のみ、舞台も陪審員室のみで場面転換も暗転も休憩もなし、という完全密室一幕劇です。
東京サンシャインボーイズでの初演は1990年。
91年には映画化もされています。
パルコ・プロデュース 「12人の優しい日本人」
作・演出: 三谷幸喜
出演: 浅野和之 石田ゆり子 伊藤正之 江口洋介
小日向文世 鈴木砂羽 筒井道隆 生瀬勝久 温水洋一
堀内敬子 堀部圭亮 山寺宏一
2006年1月19日 シアター・ドラマシティ 8列センター
(上演時間: 2時間5分)
三谷幸喜の本領発揮ともいうべき脚本、出演者のアンサンブルのよいお芝居で、とてもおもしろかったです。
ある殺人事件の審議をしていく中で陪審員12人の人となりや背景、さらに事件の詳細も明らかになっていき・・・上演時間2時間5分ぶっ通し、役者さんも出ずっぱりでしたが、長さは全く感じないで楽しむことができました。
12人の役者さんはそれぞれ個性を発揮していて、おしなべて好演。陪審員9号・小日向文世のようにこれまでとは違ったイメージの役の人がいれば4号・筒井道隆のようにイメージ通りの役柄の人もいたり、2号・生瀬勝久は相変わらず熱演だし。
しかしながら、私はコメディの観客がいささか苦手(って自分もその観客なのですが)。
笑いにはいろいろな種類があって、「くすっ」とか「うふふ」っていう笑いもあって然りと思うのですが、ここは笑うところ、とばかりにのべつまくなしにゲラゲラ笑われるとちょっとひいてしまいます。特に三谷幸喜のお芝居は「思わず笑いが漏れる」って感触のものだと思っているので・・・「浪花のモーツァルトを描いてると落ち着くんだよ」なんていうセリフで手をたたいて爆笑するかね?ってカンジです。

生エグヨウ(業界ではこう呼ぶらしい)は本当にカッコよかったです。一人だけ空気感が違っている感じ。最初に舞台に登場した時、「めちゃカッコいい」「めちゃカッコええ~」っていうささやきが周りのあちこちから聞こえたのが一番笑えたかな。

3月のパルコ歌舞伎のポスター写真まで載っているっていう、2,000円でお得感たっぷり。
余談ですが、この作品のモチーフとなったアメリカ映画「12人の怒れる男」を以前会社の研修で見たことがあります。“リーダーシップ”がテーマの研修で、この集団の議論をリードしたのは誰か、とか、陪審員8号の役割は、とか、少数意見とそれに対する集団圧力について、とかを見終わった後ディスカッションさせられた苦い思い出があり、このお芝居を観る時にもそんなことが少し頭をよぎったりもして、これって一種のワーカホリック?
陪審員にはあまりなりたくない地獄ごくらく度




わかる~~!
こんなところでこんなに笑う人とはお友だちにはなれないわ、って思いますねー。
そうそう、笑いの感覚の共有って“食”とともに人間関係の重要ポイントですよね。
特に小さいころから吉本新喜劇を見て育った私たち関西人は笑いに厳しいし(?)
ご覧になられましたか。ワタクシは諦めていたのですが,28日に行けることになりました。楽しみです。
映画のお話笑ってしまいました。息子が父親を殺害した事件でしたか?名優揃いで火花が散っていた覚えございます。
それは楽しみですね。私もできればもう1度観たいくらいです。
28日といえばWOWOW生放送の日!とみさまのご感想をまた楽しみにしています。
映画はおっしゃるとおり、スラムに住む少年による父親殺しの裁判でした。
そして陪審員8号はヘンリー・フォンダ。
あんな出会い方をしなければもっと「名作」として心に刻まれているはずなのですが。