
©宝塚歌劇団
雪組別箱は3チームに分かれての公演。
バウホールでは、専科の凪七瑠海さん主演で、殺人事件の謎解きサスペンスのお芝居と、物語に出てくるミュージックホール「アリアドネ」でのショーという二部構成。
バウ公演ではめずらしくナマバンド演奏つきです。
宝塚歌劇 雪組公演
バウ・ヴォードヴィル 「39 Steps」
原作:ジョン・バカン「三十九階段」
脚本・演出:田渕大輔
作曲・編曲:青木朝子 植田浩徳 多田里紗
振付:御織ゆみ乃 若央りさ AYAKO 桜木涼介 三井聡
装置:川崎真奈 衣裳:薄井香奈 映像:九頭竜ちあき
出演:凪七瑠海 奏乃はると 久城あす 妃華ゆきの 叶ゆうり
野々花ひまり 壮海はるま 莉奈くるみ 紗蘭令愛 紀城ゆりや ほか
2024年5月3日(金) 2:30pm 宝塚バウホール 15列下手
(上演時間: 2時間5分/休憩 25分)

©宝塚歌劇団
物語の舞台は1914年のイギリス・ロンドン。
第一次世界大戦前夜で、ドイツによる侵略など様々なうわさが飛び交っていました。
南アフリカで鉱山技師として働いていたリチャード(凪七瑠海)はダイヤモンドの採掘で一山当て、ロンドンに戻って退屈な日々を過ごしていたある日、暇つぶしに覗いたミュージックホール「アリアドネ」で踊り子のアリス (野々花ひまり)と出会います。
その夜アパートに戻ると、上の階に住む男(和奏樹)が背中にナイフが刺さったまま訪ねてきて黒い手帳を渡し「39 Steps」という謎の言葉を残して息絶えます。大家(莉奈くるみ)に犯人と間違われたリチャードはとっさに逃げ出し、謎の男たちに追われながらも殺人事件の真相を解き明かそうとして・・・。
ジョン・バカンの「三十九階段」が原作で、ヒッチコックにより映画化され、近年はウェストエンドでも舞台化されたサスペンス。
原作未読、映画ももちろん舞台も未見です。
殺人事件の黒幕らしき”頬に傷のある牧師”’(叶ゆうり)はともかく、その手下たち(壮海はるま・蒼波黎也)がかなりのポンコツで、ミステリーというよりコメディ寄りな印象でしたが、明るくわかりやすく、勧善懲悪のハッピーエンドで楽しく拝見。
39 ”階段” という言葉にとらわれるあまり、ロンドン中の階段のある場所を探す中で、Steps が階段ではなく、ダンスのステップであることがわかり、そこから一気に謎が解けていく過程が洒落ていて、「アリアドネ」の乱闘の中、最初の場面に出てきた常連の酔っぱらいおやじ(奏乃はると)が現れた時には、「やっぱりあいつかー」とは思ったのですが、その正体がオドロキの大物だったのはヤラレタ!と思いました。
さすが組長、最後にいいとこ持っていきますよね。
続きがあります