2023年04月17日

星組 「Le Rouge et le Noir ~赤と黒~」 ジュリアンを取り巻く人々編


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「Le Rouge et le Noir ~赤と黒~」
まだまだ語り切れない思いはありつつ、ジュリアンを取り巻く人々について。


宝塚歌劇 星組公演
「Le Rouge et le Noir ~赤と黒~」
D'après l'œuvre de Stendhal «Le Rouge et le Noir, l'Opéra Rock»
Produced by Sam Smadja - SB Productions
原作:スタンダール
作曲:ウィリアム・ルソー&ソレル
作詞:ザジ&ヴァンサン・バギアン
脚本:アレクサンドル・ボンシュタイン
潤色・演出:谷 貴矢  



本編&ジュリアンについてはこちら



ジェロニモ:暁千星
ストーリーテラーとパリの人気歌手という二つの顔を持つジェロニモ。
物語はジェロニモで始まり、ジェロニモで終わるという、キーパーソンです。

礼さんに負けず劣らず、”新しい暁千星”を見せてくれました。
オープニングでは客席をいじって会場を温め、時に物語の外で俯瞰して人々を眺め、またある時は”歌手ジェロニモ”として物語の中で息づく・・・
上着を着替えるだけで自在に物語を行き来していました。物語の中ではジュリアンをからかうように楽しそうに絡んでいますが、彼の一番の理解者であったように思います。
スケール感を増した歌唱はのびやか。歌唱力ぐんぐん上昇してどこまでいくのでしょう。
礼さんとの並びもハーモニーもとてもよくて、今後のことありに期待しかありません。
長い手足を活かしたダイナミックなダンスも見応えたっぷり。

長いといえば、ヴァルノ邸のパーティで「ブルジョアはなんて素晴らしい」を歌う時、テーブルに片足かけるの、けしからんほど足長でしたね。
物語のはじめの方で2階部分で椅子に座ってお水を飲む姿も話題になりました。

冒頭で客席に「あなた私をご存知ですか?」と聞いて「ありちゃん」と言われた回があって、「ありちゃんって、誰ですか💦」とちょっと焦って中の人が顔を出していたの、かわいかったです。


ルイーズ:有沙 瞳
町長の貞淑で信心深い妻。
身分や地位、財産といった”幸せ”のために愛のない結婚をしたということを自覚しつつも今の暮らしにそれなりに満足していたのに、ジュリアンから直球の告白を受けてその愛を受け容れるという女性。
不貞が発覚した途端、保身のためにジュリアンを遠ざけることや後半の「背信」含めて(ヴァルノ夫妻にそそのかされたとはいえ)、ともすれば観る者の反感を買いそうな役どころを絶妙な塩梅で見せてくれた魅力的なルイーズでした。
地毛で薄化粧なのに肌がとても綺麗で美しく、匂い立つような色気があって。
定評のある歌ももちろんすばらしかったです。


マチルド:詩ちづる
パリの有力貴族の令嬢でたくさんのお婿さん候補に辟易している少し気難しいお嬢様。
二幕冒頭はマチルドの「退屈」という歌で始まるのですが、これがまぁとても鮮やかですばらしかったです。
初舞台のころから注目されていて抜擢もされてきた詩さんですが、これほど一つの場面でセンター取るのは初めてながら実に堂々としていて、一気に花開いたという感じです。
赤いミニのドレスにリボンで編み上げた靴、カーリーな髪を高い位置でツインテールにしてしかも後ろの分け目はジグザクという凝った髪型もとてもキュート。
これ以降はずっと黒いドレス(結婚式もヴェールだけ白でドレスは黒のまま)でした。

マチルドは気位が高いけれど聡明な女性。
ジュリアンは、ルイーズとは情=愛で、マチルドとは知=精神で結ばれていたのではないかと思いました。


続きがあります
posted by スキップ at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする