2022年08月17日
明日公演があればこの思いをぶつけたい 花組 「巡礼の年」新人公演
花組「巡礼の年」は新人公演も拝見しました。
花組の新人公演をナマで観るのは多分初めて。
侑輝大弥くん 新公学年ラストイヤーに初主演おめでとう
宝塚歌劇花組 「巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~」 新人公演
作・演出:生田大和
新人公演担当:中村真央
出演:侑輝大弥 星空美咲 鏡 星珠 太凰 旬 南音あきら 朝葉ことの
颯美汐紗 希波らいと 海叶あさひ 美羽 愛 美空真瑠 ほか
2022年6月21日(火) 6:00pm 宝塚大劇場 2階14列センター
(上演時間:1時間45分)
本公演の感想はこちら
宝塚歌劇のオリジナル作品は基本的にメインキャストはすべてあて書きなので、トップスターにあて書きされた役を演じる下級生のハードルは高いと思いますが、今回も例外ではありません。
作品的にも難易度高めでしたが、花組新公メンバー一丸となって熱気あふれる舞台を見せてくれました。
侑輝大弥(フランツ・リスト/本役・柚香光)
下級生のころから美貌に定評のあった侑輝大弥さん。
あのリストの髪形はさすがにどうかなと思いましたが、想像以上によく着こなし・・ではなくかぶりこなし(鬘だけに)ていました。
ピアノが得意な柚香光さんのためにピアノの弾き語りもあって、大変だっただろうなぁと思いますが、難なく(と見えた)こなしていてさすがでした。
歌、ダンス、お芝居と穴がありませんが、その華やかな美貌に対して雰囲気が落ち着いているというか、地味にも感じることがありますので、そのあたりが課題かな・・・もちろん緊張もあったことでしょうけれど。
星空美咲(マリー・ダグー伯爵夫人/星風まどか)
星空さんは新人公演こそ初ヒロインですが、「PRINCE OF ROSES」(2021年)「銀ちゃんの恋」(2021年)「冬霞の巴里」(2022年)とバウ、別箱で立て続けにヒロインを演じていて、今回のメンバーの中ではさすがに一人異次元な印象。
特に歌唱はすばらしく、共和主義運動の場面のラップも「うっま~!」という感じ。
台詞の発声が時々星風まどかさんに驚くほど似ている時があって、本役さんをとても研究したのだろうなと思いました。
本公演の感想にも書きましたが、あとは表情の硬さが取れるといいのですが。
鏡星珠(フレデリック・ショパン/水美舞斗)
知らない子だ~と思っていたら106期だったのですね、鏡星珠さん。
大人っぽい雰囲気で落ち着いていて、歌もしっかり。幻想シーンのソロよかったです。
106期といえば雪組の華世京さんが突出している印象を受けますが、これから注目を集めそうなスター性を感じました。
太凰旬(ジョルジ・サンド/永久輝せあ)
男装の麗人で、冒頭にはリストとの濃厚なシーンもあって難役。
本役が永久輝さんで演技や歌でもビジュアル面でもこちらもハードル高かったと思いますが、さすがたおしゅん よかったです。
台詞がしっかりしていて言葉がきちんと伝わるのすばらしい。
希波らいと(ダグー伯爵/飛龍つかさ)
花組のホープの一人 らいとくんは今回は脇にまわりました。
マリーの夫で敵役ともいうべき役ですが、本公演ではこれが退団公演となる飛龍つかささんが渾身の演技を見せてくれているので、とても勉強になったのではないかな。髭をたくわえ、長身にこの時代の衣装が映えてタダモノではない輝きを放っていました。
美羽愛(ラプリュナレド伯爵夫人/音くり寿)
こちらも敵役の一人で、本役の音くり寿さんが相変わらずの怪演を見せていますが、美羽さんも負けじと実力を発揮。
可愛らしいお顔をマダムメイクで包んで、取り巻きたちに「今日は何だか少ないわね」とアドリブ?ぶち込んで度胸も満点。
美空真瑠(エミール・ド・ジラルダン/聖乃あすか)
本公演でリストの少年時代を演じて俄然注目した真瑠くん。
少年役がよく似合う可愛らしいビジュアルながら、野心を秘めたようなジラルダン、よかったです。
歌えるし、ダンスもキレがあって、ますます注目の男役さんです。
注目といえば、「冬霞の巴里」のエルミーヌがとてもかわいくて印象的だった愛蘭みこさんはオランプ・ぺリシエ(本役・都姫ここ)。
やっぱりかわいい。歌もお上手なので次回はぜひもっと歌う役でお願いしたいです。
ご挨拶は長の期も主演も侑輝大弥さん一人で。
「今回の貴重な経験をこれからの公演で活かしていけるよう一層精進してまいります」とシンプルなご挨拶でしたが、「明日公演があればこの思いをぶつけたいんですが・・・」という言葉にすべてが詰まっていました。
(次の日は休演日だから、明後日からぶつけてね)
東京公演中止期間が延長になって、東京新人公演できるかどうか風前の灯 の地獄度 (total 2329 vs 2331 )