2022年07月10日

スキップ的ウエクミベストスリー


「バイオーム」の作者 上田久美子さんの宝塚歌劇団退団については思うところは少なからずありますが、今さら何を言っても詮ないこと。
来年のフランス留学を経て、今後どんな活躍をされるか楽しみに待ちたいと思います。

それでも

私は宝塚歌劇の作・演出家としての”上田久美子先生”が大好きで、宝塚歌劇という世界の中で彼女がつくり出す作品をとても愛していましたので、その思いを少し書き留めておきたいと思います。


上田久美子先生が宝塚歌劇で作・演出された作品は以下のとおり。
(DSやタカスペ、新人公演担当を除く)

「月雲の皇子 -衣通姫伝説より-」(2013年月組 バウホール他/主演:珠城りょう)
「翼ある人びと」(2014年宙組 シアター・ドラマシティ他/主演:朝夏まなと)
「星逢一夜」(2015年雪組 宝塚大劇場他/ 主演:早霧せいな)
「金色の砂漠」(2016年花組  宝塚大劇場他/主演:明日海りお)
「神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜」(2017年宙組 宝塚大劇場他/ 主演:朝夏まなと)
「BADDY-悪党は月からやって来る-」(2018年月組 宝塚大劇場他/主演:珠城りょう)
「霧深きエルベのほとり」(2019年星組 宝塚大劇場他/主演:紅ゆずる)*潤色・演出のみ
「FLYING SAPA -フライング サパ-」(2020年宙組 梅田芸術劇場他/主演:真風涼帆)
「f f f ~歓喜に歌え!~」(2021年雪組 宝塚大劇場他/主演:望海風斗)
「桜嵐記」(2021年月組 宝塚大劇場他/主演:珠城りょう)



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(「BADDY」はポスターなし)


2006年宝塚歌劇団入団。
2013年にバウホール公演で鮮烈なデビューを果たして(この公演は好評を博して予定外に天王洲銀河劇場公演が追加された)、2年後に大劇場公演デビュー。2022年3月退団まで10作品。

涙なしには観られない切ないストーリー、精緻な取材で史実をふまえた上での大胆なドラマ構成、そして大劇場の舞台機構を知りつくし、縦横に使いこなす洗練された演出・・・どれも一流でした。
大劇場の本公演7作品中3作品がトップスターのサヨナラ公演というのも特徴的です。


10作品全部観ていてどの作品もとても好きですが、ベストスリーを選ぶとすれば

「翼ある人びと -ブラームスとクララ・シューマン-」(2014年 宙組)
「神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜」(2017年 宙組)
「桜嵐記」(2021年 月組)

次点に 「BADDY-悪党は月からやって来る-」(2018年 月組)


それぞれの作品観劇時に書いた感想をリンクしましたので、詳細は省きますが、「神々の土地」や「桜嵐記」は主題歌を聴くだけで今でも涙がじわっとあふれるくらい。
「神々の土地」の真っ赤な絨毯を敷きつめた大階段を使った近衛騎兵隊任官式、「桜嵐記」の出陣式の満開の桜・・・舞台の”画面”の静謐なまでの美しさもとても印象に残っています。
この2作品はトップスターのサヨナラ公演でしたが、それを差し引いても名作だと断言できます。
いつかまた観ることができたらうれしいけれど、作品に似合うスターが現れるのはともかくとして、上田先生が退団されたのでは再演は無理なのかしら。

唯一のショー作品となった「BADDY」は、これまでの宝塚のショーの概念を打ち破ったような作品で、「怒りのロケット」や格闘のようなデュエットダンスも忘れられません。
この「BADDY」を加えると主演が朝夏まなとさん、珠城りょうさん2本ずつなのも、何となく上田久美子先生のスターのお好みを表しているような・・・あ、スキップ’s ベストスリーなので私の好みか(^^ゞ


こうして振り返ってもバラエティ豊かな美しい作品の数々。
上田久美子先生がつくり出す宝塚歌劇、やっぱりもっと観たかったな。



一番の心残りは星組にオリジナルのあて書き作品を書いていただけなかったこと の地獄度 (total 2319 vs 2321 )



posted by スキップ at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする