2022年06月09日
星を継ぐ者
ひとつ前の記事「宝塚歌劇星組 ミュージック・パフォーマンス ten∞ten TIME」 でオープニング曲だった「星を継ぐ者」。
この曲についての思い入れそ少し。
この曲は2005年に上演された「龍星」という作品で主演の安蘭けいさん(当時星組二番手)のために児玉明子先生がつくった曲で、なかなかトップになれなくて悶々としていたとうこさんを励まし、いつか星組のトップにという思いを込めたとも聞いたことがあります。
♪お~なじ~心で~ 生~まれ〜続ける~ い~つか 星を継ごう~ というフレーズがとても印象的な曲です。
私が初めてこの曲を聴いたのは2009年。
星組トップスターとなった安蘭けいさんの退団公演東京千秋楽のライブ中継を映画館で観た時でした。
サヨナラショーで、赤い薔薇の花束を持って、銀橋を渡りながら1本、また1本と客席に投げるとうこさん。
舞台には黒燕尾の男役、白いドレスの娘役 組子全員が並び、その中で一人、涙をこらえてこの曲を熱唱する柚希礼音さん。
私はそれまでとうこさんの舞台をそれほどたくさん観てきた訳ではありませんが、この場面で号泣したのを今でも覚えています。
次に印象的だったのは2015年。
これも星組トップスターとして退団が決まっていた柚希礼音さんのディナーショー。
紅ゆずるさんがこの曲を歌ったのですが、前の曲を歌った柚希さんがホリゾントにはけていく時、すれ違いざまに後ろ姿のまま右手をポンと紅さんの肩に置いて、それから笑顔で歌い出した紅さん。
当時、星組の次期トップスターは目されていた紅さんではなく、北翔海莉さんと決まっていただけに、この場面は何かと話題になりました。
2019年にはその紅ゆずるさんのディナーショーで天寿光希さんと輝咲玲央さんがこの曲を歌いました(私は未見)。
そして今回、2022年のミュージック・パフォーマンスでは天寿光希さん、有沙瞳さん、夕陽真輝さん、天飛華音さん、綾音美蘭さんの5人で。
さらには、2005年の「龍星」はまだ宝塚入団前の現星組トップスター 礼真琴さんが客席で観ていたというエピソードもあります。
まさに「星を継ぐ者」たちによって歌い継がれてきた曲ではないでしょうか。
退団前に最初で最後となるミュージック・パフォーマンスで、最初に歌う曲にこの曲を選んだ天寿さんの、星組への思いが溢れ出ているようです。