
スティーヴン・ソンドハイムが1986年に発表、翌年ブロードウェイで初演されトニー賞3部門受賞したミュージカル。
2014年には、メリル・ストリープやジョニー・デップなど豪華キャストでディズニーの実写映画化もされました。
日本でもこれまで4度上演されているそうですが、今回は新翻訳、新演出での上演。
そして何といっても話題を集めたのは、望海風斗さん宝塚歌劇団退団後初舞台(コンサート「SPERO」「エリザベートガラ」はあったけれど)。
情報公開されるや私の周りの熱いnozomistさんたち、グッと前のめりでした。
ミュージカル 「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
脚本:ジェームズ・ラパイン
演出:熊林弘高
翻訳・訳詞:早船歌江子 音楽監督・指揮:小林恵子
美術:杉浦充 照明:笠原俊幸 衣装:原まさみ
出演:羽野晶紀 古川琴音 毬谷友子 湖月わたる 朝海ひかる
廣瀬友祐 花王おさむ 福士誠治 あめくみちこ 鈴木玲奈
渡辺大輔 福井貴一 渡辺大知 瀧内公美 望海風斗 麻実れい(声の出演) ほか
2022年2月11日(金) 1:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階10列下手
(上演時間: 3時間10分/休憩 20分)
むかしむかしの物語。
ある王国の村のパン屋夫婦(渡辺大知・瀧内公美)子どもが授かりません。というのも、魔女(望海風斗)の呪いがかけられていたから。
魔女は夫婦に、呪いを解いてほしければ森へ行き、①ミルキーな白い牛 ②血のような赤い頭巾 ③黄色いコーンの髪 ④きらめく金の靴 を3日後の真夜中の鐘が鳴るまでに取ってこいと言います。
森へ入ったパン屋夫妻が出会うのは、それぞれに充たされない人生の屈折を抱えたおとぎ話の主人公たち。赤ずきん(羽野晶紀)は思春期真っ只中、シンデレラ(古川琴音)は継母(鞠谷友子)や姉(湖月わたる・朝海ひかる)たちにいじめられながらも王国のフェスティバルへの出席を計画、『ジャックと豆の木』のジャック(福士誠治)は唯一の財産である雌牛を豆5粒と交換してしまったり。そして塔の上に住むラプンツェル(鈴木玲奈)は母である魔女の言いつけを守り、幽閉の孤独に耐えています・・・。
人は自分のため、家族のため、自分の大切な人のために必死に努力をして生きていますが、その影で知らない誰かの人生が犠牲になっている・・・お互いの犠牲亡くしては人間の世の中は成り立たない。本当の敵は誰もが自分だけの幸福を願うがゆえのジェラシー、妨害、嘘、策略、罠。
人が本質的、普遍的に持つ「人間の業」がテーマとなっています。
このテーマや作品が描き出す世界観は嫌いではありません。
子どもの頃に読んだ「赤ずきん」をはじめとする童話の主人公たちが「えっ!」というようなキャラクターだったりするのもおもしろく観ました。
ただ、この舞台については、”観る前の雑音”が多すぎた-これにつきます。
続きがあります