2022年03月30日
市川猿之助 藤間勘十郎 春秋座花形舞踊公演
市川猿之助さんと藤間勘十郎による花形舞踊公演。
2020年10月に開催された第一弾が好評につき第二弾が開催される運びとなりました。
前回スケジュールが合わず観に行けませんでしたので、今度こそは!と心してチケット取りました。
大学開学30周年記念 劇場開場20周年記念公演
京都芸術劇場 春秋座 芸術監督プログラム
市川猿之助 藤間勘十郎 春秋座花形舞踊公演
2022年2月20日(日) 11:00am 春秋座 1階1列下手
一、乗合船恵方万歳
出演:市川猿之助 市川段一郎 中村蝶三郎 中村翫政
市川翔乃亮 市川笑猿 藤間勘十郎
(上演時間: 30分)
隅田川の渡し場に居合わせた江戸の庶民を七福神に見立てて様々な生業を踊りで見せる華やかな一幕。
猿之助さん、勘十郎さんに澤瀉屋、播磨屋、成駒屋の5人のお弟子さんたちが加わった構成です。
猿之助さんの船頭と勘十郎さんの通人が幕開きでひとしきり踊った後、5人のお弟子さんたちが登場。
お弟子さんたちが踊っている間、お二人は後ろでそれを見物している設定でじっとご覧になっていました。
素踊りで拵えもされていないのですが、踊りについては全く素人目の私にも男女の踊り分けはもちろん、それそれのお役が見えるようで、すばらしいなと思いました。
勘十郎さんの手の表情が相変わらず美しくしなやかで見惚れました。
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2022年03月27日
観る前から敗北 「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」
スティーヴン・ソンドハイムが1986年に発表、翌年ブロードウェイで初演されトニー賞3部門受賞したミュージカル。
2014年には、メリル・ストリープやジョニー・デップなど豪華キャストでディズニーの実写映画化もされました。
日本でもこれまで4度上演されているそうですが、今回は新翻訳、新演出での上演。
そして何といっても話題を集めたのは、望海風斗さん宝塚歌劇団退団後初舞台(コンサート「SPERO」「エリザベートガラ」はあったけれど)。
情報公開されるや私の周りの熱いnozomistさんたち、グッと前のめりでした。
ミュージカル 「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
脚本:ジェームズ・ラパイン
演出:熊林弘高
翻訳・訳詞:早船歌江子 音楽監督・指揮:小林恵子
美術:杉浦充 照明:笠原俊幸 衣装:原まさみ
出演:羽野晶紀 古川琴音 毬谷友子 湖月わたる 朝海ひかる
廣瀬友祐 花王おさむ 福士誠治 あめくみちこ 鈴木玲奈
渡辺大輔 福井貴一 渡辺大知 瀧内公美 望海風斗 麻実れい(声の出演) ほか
2022年2月11日(金) 1:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階10列下手
(上演時間: 3時間10分/休憩 20分)
むかしむかしの物語。
ある王国の村のパン屋夫婦(渡辺大知・瀧内公美)子どもが授かりません。というのも、魔女(望海風斗)の呪いがかけられていたから。
魔女は夫婦に、呪いを解いてほしければ森へ行き、①ミルキーな白い牛 ②血のような赤い頭巾 ③黄色いコーンの髪 ④きらめく金の靴 を3日後の真夜中の鐘が鳴るまでに取ってこいと言います。
森へ入ったパン屋夫妻が出会うのは、それぞれに充たされない人生の屈折を抱えたおとぎ話の主人公たち。赤ずきん(羽野晶紀)は思春期真っ只中、シンデレラ(古川琴音)は継母(鞠谷友子)や姉(湖月わたる・朝海ひかる)たちにいじめられながらも王国のフェスティバルへの出席を計画、『ジャックと豆の木』のジャック(福士誠治)は唯一の財産である雌牛を豆5粒と交換してしまったり。そして塔の上に住むラプンツェル(鈴木玲奈)は母である魔女の言いつけを守り、幽閉の孤独に耐えています・・・。
人は自分のため、家族のため、自分の大切な人のために必死に努力をして生きていますが、その影で知らない誰かの人生が犠牲になっている・・・お互いの犠牲亡くしては人間の世の中は成り立たない。本当の敵は誰もが自分だけの幸福を願うがゆえのジェラシー、妨害、嘘、策略、罠。
人が本質的、普遍的に持つ「人間の業」がテーマとなっています。
このテーマや作品が描き出す世界観は嫌いではありません。
子どもの頃に読んだ「赤ずきん」をはじめとする童話の主人公たちが「えっ!」というようなキャラクターだったりするのもおもしろく観ました。
ただ、この舞台については、”観る前の雑音”が多すぎた-これにつきます。
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2022年03月23日
さぁ 涙をふき 顔をあげて 歩くんだ 宙組 「NEVER SAY GOODBYE」
2月5日に初日を迎える予定だった公演。
関係者のコロナウイルス感染の影響で延期となり、2月28日にやっと開幕。
宝塚大劇場では2週間だけの公演となってしまいましたが、とても完成度が高く、迫力たっぷりの熱い舞台が繰り広げられました。
宝塚歌劇 宙組公演
ミュージカル 「NEVER SAY GOODBYE」-ある愛の軌跡-
作・演出:小池修一郎
作曲:フランク・ワイルドホーン
音楽監督・編曲:太田健 編曲:青木朝子
音楽指揮:西野淳
振付:御織ゆみ乃 若央りさ 島崎徹 桜木涼介 KAORIalive 鈴懸三由岐
装置:大橋泰弘 衣装:有村淳
出演:真風涼帆 潤 花 芹香斗亜 寿つかさ 松風 輝 春瀬央季
桜木みなと 瀬戸花まり 紫藤りゅう 留依蒔世 瑠風 輝
若翔りつ 優希しおん 天彩峰里 鷹翔千空 水音志保
風色日向 亜音有星 奈央麗斗/夏美よう ほか
2022年3月1日(火) 1:00pm 宝塚大劇場 1階4列センター/
3月10日(木) 11:00am 2階1列センター
(上演時間: 3時間5分/休憩 35分)
1936年 アメリカ・ハリウッドで出会ったポーランド人の写真家ジョルジュ(真風涼帆)とアメリカ人劇作家キャサリン(潤花)。
ナチス政権下のベルリンオリンピックに対抗してバルセロナで開催される人民オリンピックを取材に訪れたジョルジュはキャサリンと運命的に再会、二人は恋に落ちますが、折しも勃発したスペイン内戦に巻き込まれていきます・・・。
2006年に宙組トップコンビ 和央ようか・花總まりのサヨナラ公演として小池修一郎先生が書き下ろし、宝塚歌劇が初めてフランク・ワイルドホーン氏を音楽に招聘した作品でもあります。さらには、この作品で初舞台を踏んだ92期生の真風涼帆さんがトップスターとして堂々の主演・・・とエモーショナルな話題も満載の舞台。
初演は、映像でチラ見したくらいです。
ラストのジョルジュとキャサリンの別れのシーンで花總まりさんが流した一筋の涙が印象的でした。
ここでジョルジュが歌う主題歌「NEVER SAY GOODBYE」をはじめ「ONE HEART」「俺たちはカマラーダ」など数々の名曲はこれまで幾度となく聴いて耳覚えがあります。
3/10に2階席から観た時、カメラマジックでこんな奇跡の1枚が撮れていました
普通はこんな感じ。
ちなみに、公式サイトの公演案内のタイトルはすべて大文字表記ですが、ポスターやプログラム表紙、このオープニング幕などは全部 Head Capital になっています。
どちらかに統一してほしい~。
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2022年03月19日
安心して住める星がひとつぐらいあるはず 「マーキュリー・ファー」
「生き延びよう」
「今の星で生きていけないなら別の星を探そう。優しくてあったかい星を探すんだ。宇宙に星はたくさんあるから、安心して住める星がひとつぐらいあるはずだ」
最後にダレンがエリオットに言ったこの言葉。
そこに重なる激しい爆撃音。
今思い出しても涙が出てきます(これ書きながらまた泣いている・・・)。
「マーキュリー・ファー Mercury Fur」
作:フィリップ・リドリー
演出:白井晃
翻訳: 小宮山智津子
美術: 松井るみ 照明:齋藤茂男 衣裳:太田雅公
出演:吉沢亮 北村匠海 加治将樹 宮崎秋
小日向星一 山﨑光 水橋研二 大空ゆうひ
2022年2月26日(土) 12:00pm 兵庫県立芸術文化センター
阪急中ホール 1階C列下手
(上演時間: 2時間15分)
イギリスの劇作家 フィリップ・リドリーが2005年に書き下ろした作品。
2015年に白井晃さん演出で日本初演され、過酷な状況下で生きる兄弟を演じたのは、今をトキメク高橋一生さんと瀬戸康史さん。
今回、吉沢亮さん、北村匠海さんという人気者の共演ということも相まってチケット戦線がとんでもないことになり、世田谷パブリックシアターが転売と確認されたチケットの入場不可宣言まで出す事態となりました。
荒れ果てた廃墟のような暗い部屋にエリオット(吉沢亮)とダレン(北村匠海)兄弟がやってきて、何やら”パーティ”の準備をするため、部屋を片付け始めるところから物語は始まります。
兄のエリオットは足が悪く片足を引きずって歩き、弟のダレンは障害があるらしく言葉をうまく理解できないところがあるようです。
二人の会話から、少しずつわかってくることは
・ここは近未来の、ディストピアと化したロンドン
・街は暴力、略奪、殺人で荒廃し、幻覚作用のある「バタフライ」という薬物が蔓延している
・エリオットはバタフライを売って日銭を稼ぎ、ダレンはバタフライ常用者で記憶が混濁している
そこに一人、また一人と加わる登場人物たち
・この部屋に迷い込んできてバタフライ欲しさに準備を手伝い、ダレンと意気投合するナズ(小日向星一)
・トランスジェンダーでエリオットの恋人?のローラ(宮崎秋人)
・彼らのリーダー格のスピンクス(加治将樹)と彼が連れてきた「姫」と呼ばれる盲目の女性(大空ゆうひ)
・”パーティプレゼント”と呼ばれる、薬物中毒でほぼ意識が飛んでいる様子の少年(山﨑光)
・そしてこの日のパーティゲスト(水橋研二)
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2022年03月18日
いちごのタルト&クッキーサンド @Tawanico
「サヨウナラバ」狂言ver.と芝居ver.の間は山本能楽堂から歩いてすぐのこちらへ。
人気パティスリーやカフェがひしめき合う谷四~天満橋界隈の中で超人気店の一つ。
何度かテイクアウトしたことはありますが、イートインは初めてでした。
Tawanico (タワニコ)
大阪市中央区大手通2-2-9
tel:06-6910-4085
大阪メトロ谷町線の谷町四丁目駅と天満橋駅の中間ぐらい。
東西も谷町筋と松屋町筋の間ぐらいのところにあります。
こじんまりとした店舗で、いつも行列ができているイメージですが、ちょうどお客様が途絶えたタイミングですぐに入店できました。
いただいたのは(冒頭の画像)
・いちごのタルト
・クッキーサンド ラムレーズンチーズケーキ
・カフェラテ
こちらのお店の一番人気のいちごのタルトは、いちごの季節でもありハズせないし、ラムレーズンチーズケーキはとーってもおいしそうで捨て難いし、ということで両方(^^ゞ
どちらもクリームは甘さ控えめで、タルトもクッキーもサクサクしているのにしっとりしていて本当においしい。
ラテアートもキュートでした。
全面窓の明るい店内
座席は6席ぐらい(とカウンター席2席?)しかなくてテーブルも狭めなので、やはりこちらはテイクアウトがメインでカフェは4軒お隣のTowanoaへという感じでしょうか。
他のタルトも買って帰りたかったけれど、この後また能楽堂に行くので泣く泣くガマンしました の地獄度 (total 2280 vs 2275 )
2022年03月17日
芝居x狂言 「サヨウナラバ」
古典芸能の人々とも交流が深いわかぎゑふさんが、古典と現代演劇とのセッションの場として、和の交流という意味で命名した「わ芝居」。
2017年に第一弾 上方落語とのコラボレーション「カラサワギ」を上演して今回が第二弾 狂言とのセッションです。
当初は2020年4月に上演予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止。
2年越しのリベンジ公演となりました。
芝居ver.と狂言ver.があったのですが、そりゃ両方観るってものでしょ。
どちらのバージョンも能舞台にきちんと正座された素敵なお着物をお召しのわかぎゑふさんのご挨拶から始まりました。
玉造小劇店 わ芝居~その弐 「サヨウナラバ」
脚本・演出:わかぎゑふ
舞台監督:武吉浩二 舞台美術:嵯峨真由美
照明:大川貴啓 衣裳:和工房ちどり
狂言制作:中嶋沙弥奈(童司カンパニー)
出演:
狂言ver. Cutting Edge KYOGEN
茂山千五郎 茂山茂 茂山宗彦 茂山逸平 茂山千之丞
芝居ver.
野田晋市 うえだひろし 松井千尋 吉實祥汰 澤田紗菜 美津乃あわ
森崎正弘 谷畑聡 江戸川じゅん兵 是常祐美 武市佳久 わかぎゑふ
日替り狂言師(茂山逸平)
2022年2月27日(日)
1:00pm 狂言ver. 山本能楽堂 1階B2列(最前列)センター/
5:00pm 芝居ver. 1階B2列(最前列)センター
(上演時間: 各2時間)
物語は昭和3年の大阪・船場から始まります。
老舗の天乃屋本家は主人が事故死、番頭は病死と不幸が続き、残ったのは跡取り娘で体の弱いシズ(是常祐美)ひとり。
「あんな病弱な娘には婿の来手がない。 本家がこのまま潰れたら世間様に顔が立たん」と分家筆頭の天乃屋新兵衛(谷畑聡)と親戚筆頭の春駒屋文左衛門(野田晋市)は、分家の手代の伊助(江戸川じゅん兵/茂山茂)に「一代だけや。シズが死んだら後は暖簾分けして店も持たせたる」と言い含めて結婚させます。
伊助と結婚したシズは体もすっかり丈夫になり、働き者の伊助のお陰で店は繁盛、雪という娘も生まれました。
時は経て10数年後。
分家の天乃屋新兵衛とお峰(美津乃あわ/茂山千五郎)夫妻の息子・金之助(武市佳久/茂山千之丞)が雪(澤田紗菜)とひと目で恋に落ちます。本家分家ともに歓迎ムードの中、母のお峰だけが断固反対。お峰が弟で弁護士の三枝孝治(うえだひろし/茂山逸平)に語った真実とは・・・。
狂言ver. → 芝居ver. の順で観たのですが、どちらもとてもおもしろかったです。
狂言ver. は出演者5名で上演時間も約1時間と、芝居ver. の半分。
芝居ver. には、伊助と同じ手代で、婿に入って後に五代目天野屋平右衛門となった伊助に屈折した思いを抱く信吉(森崎正弘)、その妻でかつて伊助と将来を約束した仲だったのに無理やり引き裂かれた遊女のお花(松井千尋)など、狂言ver. に出て来ない周りの人々も登場して、人の心の機微がより一層細やかに丁寧に描かれています。
ちなみに、あらすじに名前が出てこなかった茂山宗彦さんは天乃屋の主治医 高田裕斎役。白衣にナースキャップの変形のような、赤十字がついたものをかぶった拵えで「これはこの辺りに住まい致す薬師でござる」と狂言の冒頭に登場していました。芝居ver. でこの役を演じたのはわかぎゑふさん。
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