2021年12月22日

3年半ぶり!ナイロン100℃  「イモンドの勝負」


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KERA・MAPやケムリ研究室など、ケラさんの演出作品は間隔あけることなく観ているような気がしていましたが、劇団の本公演としては「睾丸」以来3年ぶりだとか。
私は「睾丸」は観ることができませんでしたので、その前の作品「百年の秘密」(2018年)以来、3年半ぶりでした。


ナイロン100℃ 47th SESSION 「イモンドの勝負」
作・演出: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
美術: BOKETA   照明: 関口裕二
音響: 水越佳一   音楽: 鈴木光介
映像: 上田大樹・大鹿奈穂   衣裳:前田文子   振付:HIDALI
出演」 大倉孝二  みのすけ  犬山イヌコ  三宅弘城  峯村リエ  
松永玲子  長田奈麻  廣川三憲  喜安浩平  吉増裕士  猪俣三四郎  
赤堀雅秋  山内圭哉  池谷のぶえ

2021年12月19日(日) 1:00pm 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 1階D列下手
(上演時間: 3時間20分/休憩 15分)



国際的な競技大会が近々予定されている町に住むスズキタモツ(大倉孝二)38歳は、保険金目当ての母(峯村リエ)とその愛人(赤堀雅秋)に殺されそうになりますが、難を逃れてエリザベス(犬山イヌコ)とユゲ(池谷のぶえ)が院長・副院長を勤める孤児院へ。
一方、良い探偵(山内圭哉)は、政府高官のイシダイラ(吉増裕士)をひたすら尾行しています。そんな町に巨大円盤がやってきて、有力な選手たちが拉致される事件が発生し・・・。

といった言葉ではとても語り切れないストーリー。
前記事の唐十郎作品とはまた別の意味であらすじ書くの至難(^^ゞ


ズレたり、かみ合わない会話だったり、いかにもなギャグにあっはっはと声出して笑ったり、クスッとしのび笑いだったり、笑いを散りばめながら、ケラさんらしいシニカルな目線や風刺が効いたシュールなナンセンスコメディ(とばかりは言えないけれども)。
不条理も、ちょっぴりグロもあります。

人々があまり関心もなく、「近々よ」とだけ口々に言う”国際大会”
保険金目当ての殺人
助成金目的の施設
怪しげな薬を処方する病院
格差社会
・・・

笑いの影に見え隠れする現代社会の投影。
ケラさん、さすがです。


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2021年12月21日

唐十郎への道のりは険し 「泥人魚」


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苦手感漂う唐十郎作品ではありますが、唐十郎・作、金守珍・演出という同じ組合せでの前作「唐版 風の又三郎」(2019年)が、すべて理解したとは言えないまでもとてもよかったこともあって、この作品も観るつもりでチケットを取っていました。
が、
何となく(本当に”何となく”としか言いようがないこの気持ち)12月は東京に行く気が失せてしまって、チケットを手放してしまいました。
ら、
何と、ライブ配信が発表されまして、しかもWOWOWオンデマンドでも観られるという太っ腹。
喜んで拝見いたしました。


COCOON PRODUCTION 2021 「泥人魚」
作: 唐十郎 
演出: 金守珍
音楽: 大貫誉  美術: 大塚聡  照明: 泉次雄  衣装: 伊藤佐智子
映像: 大鹿奈穂  石原澄礼  振付: 広崎うらん  殺陣: 佐藤正行
出演: 宮沢りえ  磯村勇斗  愛希れいか  岡田義徳  
大鶴美仁音  石井愃一  金守珍  六平直政  風間杜夫 ほか

2021年12月15日(水)6:30pm 配信視聴
(上演時間: 2時間10分/休憩 10分)



港の町を去って、今は都会の片隅にあるブリキ店で暮らす蛍一(磯村勇斗)。店主の静雄(風間杜夫)は、まだらボケの詩人だ。陽が落ちると急にダンディな夜の詩人と化す。ある時店に現れたのは、詩人を「先生」と呼ぶ男、しらない二郎(岡田義徳)。二郎は詩人静雄の元門下生であり、蛍一とは、長崎の諫早漁港で共に働いた仲だった。干拓事業の賛否に揺れる漁港では、湾を分断する「ギロチン堤防」が内側の調整池の水を腐らせ不漁が続き、池の埋め立てに反対だった仲間の漁師が、次々と土建屋に鞍替えしていく。そんな現実に絶望した蛍一は、港の町を去ったのだ。一方の二郎は、実は港に派遣された「さぐり屋」だった。依頼主は、月の裏側を熟知しているとのたまう女、月影小夜子(愛希れいか)。二郎の裏切りを蛍一がなじっていると、蛍一を探して、やすみ(宮沢りえ)という女が現れる。少女時代、ガンさんという漁師に海で助けられ、その養女となった娘だ。「ヒトか魚か分からぬコ」と呼ばれるやすみは、ある約束を果たしに来たと言う。「人の海の貯水池で、言ったとおりの人魚になれ」と。蛍一の前で見せた片方の足には、一条のきらめくものがはりついていて──。

(↑ 自分ではとてもあらすじ書けそうになかったので公式サイトから)


唐十郎さんが「諫早湾の干拓事業による地元関係者の苦悩を元に書いた作品」ということですが、難解でした。
難解というより理解できなかったというのが正直なところ。
いや、理解するというより感じる作品なのかな。
「風の又三郎」で唐さんに少し近づけたと思っていたのですが、やっぱり唐十郎への道のりは険しかったです(^^ゞ


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2021年12月20日

モリーナと蜘蛛女の物語 「蜘蛛女のキス」


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友人に誘われて「蜘蛛女のキス」という映画を観たのは何年前のことでしょう。
内容全く知らずに観て衝撃を受け、モリーナを演じたウィリアム・ハートがすばらしくて、今でも忘れられない映画のひとつです。

原作は1976年にアルゼンチンで出版されたマヌエル・プイグの小説で、ブイグ氏自身が戯曲化して1981年にマドリードで初演、1985年にレナード・シュレイダーの脚色とエクトール・バベンコの監督により映画化(私が観た映画はこれ)、1991年にジョン・カンダーとフレッド・エッブの作詞・作曲によりミュージカル化された作品。

ストプレ版、ミュージカル版ともに日本でも何度か上演されていて、「コンボイの今村ねずみさんのモリーナで観たなぁ」と調べてみたら2005年でした(バレンティンは山口馬木也さん)。
上演記録には、村井國夫さんモリーナ、岡本健一さんバレンティンというキャスティングもあって、今さらながら「観たすぎるやん!」と思いました。

ミュージカル版を観るのは今回が初めて。
演出された劇団チョコレートケーキの日澤雄介さんもミュージカル初演出だそうです。


ミュージカル 「蜘蛛女のキス」
脚本: テレンス・マクナリー (マヌエル・プイグの小説に基づく)
音楽: ジョン・カンダー
歌詞: フレッド・エブ
演出: 日澤雄介
翻訳: 徐 賀世子   訳詞: 高橋亜子
音楽監督: 前嶋康明   振付: 黒田育世   美術: 二村周作   
照明: 佐々木真喜子   衣装: 西原梨恵   映像: ムーチョ村松
出演: 石丸幹二  安蘭けい  相葉裕樹/村井良大(Wキャスト)  
鶴見辰吾  香寿たつき  小南満佑子  間宮啓行  櫻井章喜 ほか


2021年12月18日(土) 12:00pm シアター・ドラマシティ 10列センター
(上演時間: 2時間55分/休憩 20分)



物語の舞台はファシズムが支配するラテンアメリカ某国の、非人道的拷問が横行する刑務所。
同性愛者のモリーナ(石丸幹二)の獄房へ若き政治犯バレンティン(相葉裕樹)が引っ立てられて放り込まれてきます。
映画を愛し、ウィンドースタイリストで美しいものが大好きなモリーナと、世の中の変革を信じて社会主義運動に身を投じてきたバレンティン・・・人生も価値観も全く異なる2人は、互いを理解できずに激しく対立しますが、モリーナが心の支えである華やかな大女優オーロラ(安蘭けい)の映画の素晴らしさをバレンティンに語って聞かせ、次第に2人は心を通わせるようになります。しかし所長(鶴見辰吾)はモリーナの病気の母親(香寿たつき)を材料に圧力をかけ、バレンティンの秘密を聞き出すよう取引を持ちかけ・・・。


ファシズム、政治、貧富、マイノリティ、人間の尊厳、愛、生と死・・・ダークで厳しくて、胸が押しつぶされそうな内容です。

これまではモリーナとバレンティン、2人の物語として観ていましたが、今回最も印象が違ったのは、モリーナと蜘蛛女(オーロラ)の物語になっていたことです。
調べたところ、「ミュージカル版は原作や映画版とは異なり、蜘蛛女が主人公に設定されているのが特徴的である」ということでしたので、なるほどなと思いました。


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2021年12月17日

阪神百貨店に「土山人」ができた


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2年ぶりのさとがえるコンサートを楽しむ前にはこちらで夕食


土山人
大阪市北区梅田1-13-13
阪神百貨店9階 大食堂
tel: 06-6345-0962


石臼挽き手打蕎麦のお店で本店は芦屋ですが、大阪にも何店かあって、オフィスから近い北浜のお店やABCホールそばのほたるまちのお店には何度かお邪魔したことがあります。
10月にグランドオープンした阪神百貨店大食堂にこちらのお店が入っているのを知って、あら、うれし♪と思っていました。


いただいたのは

小海老天とイカ天ちらし蕎麦セット(太巻きつき)
すだち蕎麦 + 太巻き
だし巻き玉子

器もみんなかわいくてテンションあがります(冒頭の画像)


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こちらはお友だちのオーダー すだち蕎麦 土山人さんの名物です。

私は小海老天とイカ天ちらし蕎麦をいただきましたが、歯ごたえのあるお蕎麦はもとより、ぷりっぷりの小海老がいっぱい入っていて、とてもおいしかったです。
ちょっと小ぶりで具だくさんの太巻もおいしいし、
ピリリと辛みの効いた大根おろしといただくだし巻きも絶品。
おいしいお蕎麦屋さんのだし巻きってどうしてこんなにおいしいのでしょ。



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夜だからか照明落とし目で落ち着いた雰囲気
ランチタイムは行列ができることもあるようですが、
月曜日の夜ということもあってか静かな店内。
それでもお客様は途切れることなく次々いらっしゃっていました。



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入口にはこちらも土山人さん名物の狛犬くん
ちょっとイカついお顔にサンタ帽カワイイ(^^ゞ




メニューには単品のおいしそうなお蕎麦もズラリと並んでいて、あれもこれもと食べたくなってコマル のごくらく地獄度 (total 2243 vs 2243 )


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2021年12月16日

矢野顕子 さとがえるコンサート2021 ~音楽はおくりもの~


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2020年は東京1ヵ所のみの開催で配信視聴したさとがえるコンサート。
2018年のコンサートで矢野さんが「来年もここに戻ってくると必ずしも言える訳ではありません」とおっしゃった時、ブログにアップしたワタシの感想:

生きるってそういうこと。
矢野さんが戻ってきても私が行けない場合もあるし、もしかしたら世界が大変なことになってることだってあるかもしれない。
だからこそこの一瞬一瞬、一曲、一音が愛おしく大切に思える時間。今年も幸せな時間をありがとう。

これ、まさしく去年の状況だったよねーと改めて思いました。

今年は満を持して全国ツアー 間もなく完走。
ナマの音楽を浴びることのできる幸せ。


矢野顕子 さとがえるコンサート2021 ~音楽はおくりもの~-
出演: 矢野顕子 (vo, pf, key)
小原礼 (b)  佐橋佳幸 (g)  林立夫 (ds)

2021年12月13日(月) 7:00pm サンケイホールブリーゼ 1階B列上手
(演奏時間: 2時間10分)



このバンドでのさとがえるは4年目。
もうすっかり安定(もちろんハイクオリティに)の域で、矢野さんによると「ザ・矢野顕子バンド」だそうですが、リアルユニットのようです。小原さんや林さんとはデビューのころからずっと、佐橋さんとも長年積み重ねたものがあってのことではあるのですが。
あっこちゃんのしなやかなヴォーカルに呼応する佐橋さんのギター、小原さんのベース、そして林さんのドラム。
極上の時間とはまさにこのことです。
のびのびと歌いたい曲を歌いたいようにやる矢野さんをよく理解してくれているバンドメンバーが自由に、そして最高のグルーヴ感で応じてくれる感じがいつもながら最高。

あっこちゃん、昨年配信で聴いた「さとがえるコンサート2020」の時、高音が出にくそうな部分があって心配だったのですが、この日はパワー全開。
とてものびやかでしなやかで力強いヴォーカルを響かせてくれました。

今回席が上手で佐橋さんの前(しかも2列目)だったので、いつも以上にギターに注目👀
テクニカルなことはよくわからないのですが、ギター何本も変えて、とても細やかな指づかいで演奏されていて、ソフトな声で歌ってくれて、演奏以外の時にはやわらかな笑顔で、何て素敵な人なんだと改めて思いました。


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2021年12月14日

まるでクリスマスプレゼントのよう 「パ・ラパパンパン」


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Come they told me,
pa rum pum pum pum
A new born King to see,
pa rum pum pum pum

Our finest gifts we bring,
pa rum pum pum pum
To lay before the King,
pa rum pum pum pum,
rum pum pum pum,
rum pum pum pum,


不覚にもこの作品のタイトルが ”The Little Drummer Boy” の歌詞の一節であること、劇中でこの曲が流れるまで気づいていませんでした。
でも、こんな幸せな気持ちで♪pa rum pum pum pum, rum pum pum pum を聴いたの、初めてだったな。


COCOON PRODUCTION 2021+大人計画 
「パ・ラパパンパン」
作: 藤本有紀
演出: 松尾スズキ
音楽: 渡邊崇   美術: 池田ともゆき   照明: 大島祐夫
衣裳: 安野ともこ   映像: O-beron inc.   振付:振付稼業air:man
出演: 松たか子  神木隆之介  大東駿介  皆川猿時  早見あかり  
小松和重  菅原永二  村杉蝉之介  宍戸美和公  少路勇介  川嶋由莉  
片岡正二郎  オクイシュージ  筒井真理子  坂井真紀  小日向文世

2021年12月9日(木) 1:00pm 森ノ宮ピロティホール F列上手
(上演時間: 2時間50分/休憩 20分)



物語: デビュー作が少し売れて以来、鳴かず飛ばずのティーン向け小説家・来栖てまり(松たか子)は、再起を図るため「本格ミステリーを書く」と宣言したものの全く構想が思い浮かばないでいます。 編集長(オクイシュージ)から引導を渡すよう指示された担当編集者の浅見鏡太郎(神木隆之介)は、逆にてまりに協力して手伝うことに。世間はクリスマスシーズンという思いつきからディケンズの小説「クリスマス・キャロル」の世界を舞台に、極悪非道の守銭奴のスクルージ(小日向文世)が殺されるというミステリーを考えますが、展開も時代考証もでたらめなまま勢いで書き進めるうちに、現実と作中とが曖昧になっていき・・・。


現在オンエア中のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の作者(2007年の「ちりとてちん」の作者でもある)藤本有紀さんの書き下ろし作をシアターコクーンの芸術監督でもある松尾スズキさんが演出した作品。
笑いが散りばめられる中に控えめながら毒もちらつくところが松尾さんらしさでしょうか。


全く予備知識なしで観ましたので、冒頭、「クリスマス・キャロル」の物語世界から飛び出してきたような作り込んだ拵えのスクルージはじめ登場人物が次々現れ、顔と役名が映像で映し出される中、全員が石造りの橋梁の上に勢ぞろいした時には、「え?クリスマス・キャロルなの?!」と驚きました。

すると一転して現代のマンションの一室らしき部屋となり、てまりと浅見くんのテンポよい会話から物語は始まります。
てまりのミステリー小説の筋立てという設定で、ディケンズの「クリスマス・キャロル」の世界が劇中劇として展開。
「クリスマス・キャロル」はずいぶん昔に読んだことがあるものの、「守銭奴のスクルージ」という名前以外はほぼ忘れていたのですが、登場人物観ているうちに少し思い出してきました。


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