
「桜姫東文章」 4月に上の巻を観た後は、「ぜーったい下の巻も観なければ」と鼻息荒くしていたものの、こんな状況下、どうしようかとかなり迷いましたが、一世一代とは銘打っていませんが、お二人にとってこの演目は多分これが最後の上演、私が観るのもこれが最初で最後、と悔いの残らぬよう思い切って観に行きました。
六月大歌舞伎 第二部
「桜姫東文章」 下の巻
序幕 岩淵庵室の場/二幕目 山の宿町権助住居の場/大詰 浅草雷門の場
作: 鶴屋南北
補綴: 郡司正勝
出演: 片岡仁左衛門 中村錦之助 片岡孝太郎 中村福之助
片岡千之助 嵐橘三郎 上村吉2弥 中村歌六 坂東玉三郎 ほか
2021年6月15日(火) 2:10pm 歌舞伎座 1階2列センター
(上演時間:2時間30分/幕間 15分)
上の巻の感想はこちら
桜姫を追い求めながらも別れ別れになった清玄(仁左衛門)が病み衰え、弟子の残月(歌六)と桜姫の局であった長浦(吉弥)の庵室に身を寄せているところから下の巻は始まります。残月と長浦は金欲しさに清玄を殺し、墓穴掘りとなった権助(仁左衛門二役)に後始末を依頼します。そこへ女郎として売りに出された桜姫(玉三郎)が連れて来られ、権助と再会するのでした。そんな中、雷が落ちた衝撃から清玄は息を吹き返し・・・。
青蜥蜴の毒、殺し、幽霊、人魂、仇討ちといかにも鶴屋南北らしいこれでもかの展開で、蘇った清玄が再び死ぬあたりは「東海道四谷怪談」を思い起こしたりもしました。
荒唐無稽な筋立てですが、面白いのはもちろん、絵空事で終わらせないのは、やはり仁左衛門さん、玉三郎さんがお役に命を吹き込んでいることに尽きます。
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